2019/08/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 礼拝堂」にアグネーゼさんが現れました。
■アグネーゼ > 【待ち合わせ中】
ご案内:「王都マグメール 平民地区 礼拝堂」にシュバルトさんが現れました。
■アグネーゼ > ―――――結局。あの後神父に相談したところ、人の良い彼は白衣の青年を快く招き入れた。
と言っても大したもてなしは出来ないので、精々部屋を貸し与える程度であったが。
彼を部屋に案内した後、自分は早々に自室へと戻り、一晩経って目が醒めた頃には、
敏感になっていた感覚がすっかりと元に戻っていた。
昨日のアレは何だったのだろう、と一人悶々としながら、
朝食のパンとスープを乗せたトレイを持って、彼の部屋の前で少女は佇む。
「―――おはようございます、シュバルト様。
朝食をお持ちしたのですが、起きていらっしゃいますか…?」
扉越しに、若干の緊張を孕んだ声が響くことだろう。
相手の返事を待ち、何かしら返ってくるようなら、
自分は今両手が塞がっているので、出来れば扉を開けて貰えないかと言い足して。
■シュバルト > どうせ帰ったところで安宿のおんぼろベッド、
それなら朝の目覚めを美少女に起こしてあわよくば目覚めのキスを……何て世の中上手くいかないことは重々承知で生きている。
朝早くから色々と仕込などに追われる魔導調律師であるが故に既に頭は起床状態で、
其処にドアの向こうより声が掛かれば両腕をぐっと高く伸ばして背筋を伸ばしてから、
安宿よりは心地良いベッドに少女の声に上半身を起こして、
寝癖の酷い真っ白な巻き毛の頭をガシガシと手で掻く。
「……ん、起きてる起きてる……後5分ほど寝ていたいけど今起きたから……。」
着の身着のままで寝ることは多々あるが今日は流石に白衣を脱いだ
シャツとズボンと言うラフな姿、
手を伸ばして肩掛けの革鞄を漁ると中から眼鏡を取り出してかけてから、
部屋の出入り口のドアノブを回しす。
「……おはようアグネーゼ。」
開けた扉の向こう側のシスター見習いの彼女に流石にまだ瞳をとろんと眠気を払えぬままの笑みを浮べて、
朝の挨拶と共にお部屋にどうぞと手をすっと室内に向け、
彼女を部屋に招き入れようと。
■アグネーゼ > 衣食住を間借りしてもらっている身として、のんびりできない少女の朝は早いため、
とうに身支度をきっちりとし終えた、いつものシスター服がお目見えだ。
扉を開けてまだ眠そうな笑みを向けられるのに、何だか気恥ずかしいような気持ちになりつつも、
会釈するかに小さく頭を下げる。
「お…おはようございます、シュバルト様。
大したものは出せませんが―――宜しければ、これ、朝食です」
と、差し出すトレイ。
白い皿に乗ったパンはひとつ。スープはじゃがいもやにんじんなどの野菜に、
牛の乳を加えて煮込んだクリームスープだ。こちらは出来立てなのでほんのり湯気が立っている。
ちなみにこれは少女が作った。そこまでは彼に言うつもりはない。
「宜しければ、サイドテーブルに置いても…?
あの―――まだ眠られるようでしたら、一度下げますけれど」
ほんのり赤らんだ目許をどうすることも出来ず、上目遣いでおずおずと問う。
どう接して良いか分からないような、そんな困惑さが窺えるやも。
■シュバルト > 「……ありがとう。」
朝の挨拶が終われば何よりも先に朝食を運んできてくれた事に軽く会釈をしながらお礼の言葉と寝起きでしまりのないふにゃとした笑みを返す。
それと鼻腔を擽るクリームスープの香りに口の中に自然と唾液も溜まる。
「ん、サイドテーブルに置いておいてくれるかな。其処あの宿よりも美味しそうな朝ごはんは嬉しいなあ……と、
それもそうだけど身体はもう大丈夫?昨晩の調律の効果はぬけてると思うけど、一応確認ね。」
そう昨晩彼女を知る為に少し意地悪く勝手に調律し、
シスター見習いである彼女……アグネーゼの身体を解してみたけども、
その効果はすっかりと身体から抜けているだろうか。
極稀に一晩以上引き摺る人もいるので、やらかした手前確認作業は忘れない。
――けれど視線は思わず彼女のごちそうになった唇に向けてしまうし、
それを思い出してフフフっと変な笑い声を零してしまい、
彼女の露草色の眸に止まぬ笑顔を返す事となる。
で、クイと中指で眼鏡のフレームを持ち上げながら、
さて一宿一飯の恩義を教会に返す算段を考えつつ、
彼女の疑問に改めて答えようと。
「さて、教会にお礼の寄付も大事だけど、朝食前に昨晩のキスの続きでも、ではなくて……魔導調律、昨晩のアグネーゼの身体の変化について、なぜなにって教えてあげようかなと。」
と、一応ワンクッション挟む。
■アグネーゼ > 相手の承諾を受け、スープやコップに入った水を零してしまわぬよう、慎重にトレイをサイドテーブルに置く。
と同時に、相手の方から昨晩の事を引き合いに出されて。トレイを置いた後で良かった、と思いつつ、
少女は相手へと振り返った。
「はっ…はい。あの、一晩経ったら元通り…と、言っていいのか―――
いつも通りに、戻ったみたいです」
調律。効果。相手の言葉を反芻しながら、今は何ともないと自分の体を見下ろす。
腹部を撫で下ろすように触れてみてもなんとも無い。
昨晩であったなら、きっとそれだけでゾワゾワしていただろう。
そうしている間にも、妙に笑顔な相手の視線が痛い程突き刺さってくるので、
何だか益々居た堪れないような、気忙しいような、何とも落ち着かない気分が続いて、
彼と視線を合わせられずにいた。
「っ―――あ、あの……わたし、自他共に認めるくらい、世間知らずなものでして。
昨晩から仰っている、魔力とか、調律とか、全くの無知なものですから。
色々と教えていただけると……とても、助かるのですけど」
―――が。どうにも我慢出来なくなり、勢いづけて少女は貌を上げた。
無論、朝食を食べながらでも良い。テーブルはないのでベッドに座って食べてもらうことになるが、
どうやら相手はそういったことは気にしないようだ。
「………あと、あの、き、キス…?とか、も―――
シュバルト様が私にあちこち触られた、ところとか。
どうしてそうするのか―――とか。
そういうのとかも………その、色々…」
そんな風に問う事が、何だか大胆ではしたない事であるような気もしてくる、不思議。
段々と言葉尻は小さく、末尾に至っては最早消え入りそうである。
■シュバルト > まずは咳払い、続いて再びアンダーリムの眼鏡のフレームの中央を中指でクイと持ち上げて、
眼鏡の位置を直してから、質問に答える前に一度深呼吸。
すると鼻腔に擽るクリームスープの香り、本当なら美味しいうちにスープを味わう方が吉であるが、
まずはアグネーゼの彼女の質問に答えよう。
「本当なら調律に加えてマッサージをすると効果がね。それとアグネーゼの身体に不自然な歪みがなかったから、あっちの効果しか出なかったなって。」
視線を中々合わせてくれないアグネーゼに、落ち着かない様子の空気を感じると、
こう意地悪したくなるのだが、今は抑えておくとしてだ。
「ではでは、魔導調律とは何かからどうしてアグネーゼの身体に触れたか、を答えていきましょうかね。まずは何故触れたか、キスに関しても……えっと。」
咳払い。
言葉を良いところで切ったのはわざとでもなく、自分への気恥ずかしさを誤魔化すための咳払い。
「……キスに関してはアグネーゼの唇が美味しそうだったから、唇の感触が確かめたかったし、表情が可愛かったから思わず。身体に触れたのはムラっとしたと言うか、礼拝堂に入る前からちょっと理性がね?それでアグネーゼを見た瞬間に触りたくなった、のとキスと理由かわらないか……うん。おっと一先ず自分の前に椅子を持ってきて座ろうか?」
自分の両手を合わせて、身体に触れるところまでは早口で、後は目の前に座るように促す為にゆっくりと、
説明長くなりそうだから、座りながらの方が良いかなと思って、座ったら説明を開始する心算である。
しかし、いいわけを並べるくらいに礼拝堂に居た彼女に対して悪戯心が妙にわいたし、
正直襲いたくなったのは事実、幾らなんでも其処まで浅ましかったか自分、と自問自答……まあ浅ましいかもしれない。
さてこれもまた相手に行動を促しながらも、強制もしない、
代わりにどうする?と小首を小さく傾げる、すると眼鏡がフレームが歪んでいるのかズルとずれる。
慌ててまた中指でフレームを押し上げて、眼鏡の位置を直すのだった。
■アグネーゼ > 「マッサージ…?でも、昨晩は、マッサージなんて何も…」
していなかった、筈だ。と少女は昨晩の事を思い返す。
だが、思い出すとまた頬が熱くなってしまうようで、本当なら頭から追い払いたいくらいだ。
けれどもそれでは自分の満足のいく答えは得られないと、持ち前の忍耐力で我慢しつつ。
「…?…??あっちの効果、とは…?
え――と、すみません、も、もう少しゆっくり…」
キスに関して、の下りからは正直、早口で捲し立てられてしまって全く分からなかった。
頭上に疑問符をたくさん浮かべ、相手に再度説明を求めようとして、椅子に座るよう誘われると。
「は、はい」と返事しては、壁の隅に置かれた椅子を両手で持つように抱え、相手の前へと運んでいく。
椅子にちょんと座れば、改めて聞く姿勢。
若干の真剣味と緊張を帯びて、今度はしっかりと目線を合わせよう。
「………あの。先ほど申し上げた通り、私、大変な無知でして。
なので、理解も遅ければ、同じ事を何回も聞いてしまうのかもしれないですけど…」
それでも宜しいでしょうか、と少女は眉尻を下げた。
本来ゆっくりと朝食をとって欲しいところであるのに、その事も含めて申し訳なさそうに。
■シュバルト > 言葉で己を無知といい、目尻を下げて申し訳無さそうにする彼女にダメというわけもないし、頷いて了承を示す。
ゆっくり、ゆっくりとしゃべるのも説明するのも構わないがキスのくだりは正直今思い出すだけでも鼻の下が伸びそうになるのと同時に気恥ずかしさもあるのだが、
教えるといった手前気恥ずかしさを振り払い、一つ一つ噛み砕いて説明をしようと思う、思う。
彼女が促したとおりに椅子に座ってくれた事だし、その辺りは律儀に守ろう、
それに彼女の露草色の眸が此方をしっかりと見つめてくれるのだからと。
「ヒトの身体には魔力の本流が、ゆるく説明すると血管を血が流れるのと同じで、魔力は身体を巡るように流れているんだけども……。」
人差し指を伸ばすと空中にへたくそであるが人の輪郭を何どもえがき、
ああ、何かノートでもあればせめて学校のように黒板でもあればと思うが仕方ない。
「魔導調律はその人の魔力の流れにオレの魔力を微量に流す事とで、魔力の流れをスムーズにして、効率よく魔力を扱えるようにしたり、魔力の流れを直すことで身体の悪いところもある程度回復を促せるんだよ。」
此処まではOKかな?と言葉を一区切り、大丈夫?と言わんばかりに今度はちゃんと眼鏡のフレームの中央を中指で抑えながら、首をほんの少し傾げる。
問題なければどうしてマッサージが絡むのか、と次なる説明にいこう、と思うんだけどしっかりと説明できているか少々不安になり、笑みはちょっとだけ不安げになるのだった。