2019/07/05 のログ
ご案内:「王都某所、診療所」にランバルディアさんが現れました。
ランバルディア > 雨季らしく今日も雨。
予約もないし今日はもう外に出るまいと、昼前に起きた時土砂降りの外を見てそう決めた。

診療所に救急の怪我人病人が来ないというのは、医者としてはまあ良いことだ。
面白みには欠ける日だ、というのはさておき。
何度めかの欠伸。
それから待合室の傍らに腰掛けて少し目を閉じ――気づけば眠ってしまって。

「……んぁ?」

ああ、寝てしまっていた。
そう思って、日の高さで時刻を計ろうと玄関先へ視線を向ける。

ご案内:「王都某所、診療所」にエダさんが現れました。
エダ > 医者の視線の向く玄関先へ、足早に飛び込んでくる人影がある。年の頃20代半ばと見える女だ。
目深にかぶったフードを下ろし、ローブから雨粒を払うと、栗色の目をきょろ、と一巡させて。
診療所の扉にそっと触れ、開いていることを確かめると恐る恐る、といった様子で入り口へ。
時刻は夕刻前。薄暗い室内へ、ひとつ咳払いをしてから声をかけた。

「すみません。どなたか、いらっしゃいますか……?」

折り目正しい発音に、折り目正しい態度の女であるようだ。

ランバルディア > 近づく気配か足音を察して、意識が覚醒に向けられたか。
大きく欠伸をし、ぼんやりと入り口を長め来客の声を待つ。
しんとした室内に響いたのは、小奇麗に聴こえる女の声。
ならば、と男は腰掛けたソファから手を振った。

「あいよ、ここにいるぜ。今日はどうした」

もう一度大あくび。
それから腰を上げて、女の方へと歩いていく。

エダ > 白衣を着た人物が、応じてくれた。……ずいぶんくつろいだ様子に見えるが、彼がここの主なのだろう。
無意識に軽く膝を折る礼をすると、自分からも相手へ近づいて、

「は、はい。少し深めに、手を切ってしまって。
縫わないといけなそうだったので、こちらに……」

そう言って、抑えていたハンカチを外し、左の掌を差し出す。
鋭利な刃物で切ってしまったらしい4㎝ほどの傷には、まだ赤いものが滲んでいた。

「おじょ……いえ、仕事先で果物を切っていた時に、手を滑らせてしまって。
処置していただけますか……?」

明るい栗色の目が、医師を見上げる。うっすらそばかすが浮いているが、きちんと化粧を施し、身なりも整っていた。