2019/05/26 のログ
ご案内:「富裕地区/サロン「瑠璃の首飾り」」にサウラさんが現れました。
サウラ > 富裕地区の一角、地下1階、地上3階建の石造りの重厚な館「瑠璃の首飾り」
表向きは社交のためのサロンとなっているが、その実態は賭場である。

平民も貴族もその区別なく気に入った者を出入りさせるというここのオーナーは、少々風変わりだ。
そのオーナー主催の午餐に招かれること自体は初めてではないけれども、
あれよあれよと言う間に己自身が賭け事の「景品」に仕立てあげられたことは想定外だった。

――皆が見守る中、最後の手番でオーナーが持札をテーブルに置き、自身の負けを宣言する。
混戦を極めていたが、漸くと勝者が決まった。
勝ったのは大多数の予想を裏切って、己と同じく招待された客の一人だ。

「では、今から暫くの間、私はこの方のものね」

ゆったりとした挙動で席を立って、勝者の傍へと歩み寄る。

ご案内:「富裕地区/サロン「瑠璃の首飾り」」にサウラさんが現れました。
ご案内:「富裕地区/サロン「瑠璃の首飾り」」にサウラさんが現れました。
ご案内:「富裕地区/サロン「瑠璃の首飾り」」にサウラさんが現れました。
サウラ > 「見事ね。ねえ、勝利の秘密を教えてくださらない?
どこか、二人きりになれるところで」

テーブルを回ってその勝者の元へと辿りつき、その両肩に両手をそっと置いて促す。
室内に満ちる香りの良い紫煙は、己が苦手とする調合だ。己の意思とは無関係に躰の芯が熱くなる。
とはいえ、外的刺激を受けなければやり過ごせるだけの自制心と理性はある。今のところは、だけれど。

「そうよ、このたびの「景品」はお喋り積極的なの。
お淑やかをお望みでしたら、ごめんなさい?」

茶化す声にはそう応えて、立ち上がる勝者と腕を絡ませて午餐会の部屋を共に出てゆこう――

ご案内:「富裕地区/サロン「瑠璃の首飾り」」からサウラさんが去りました。
ご案内:「平民地区の古道具屋」にディメントさんが現れました。
ディメント > 王都平民地区の一角。
なんということはない古道具屋の片隅。
店主の老人さえも忘れた様な埃を被った棚に、その匣は置かれていた。

それは――各辺が20cm程の漆黒の匣。
すべての辺も角度も精密に測られたようなそれ。
材質は金属にも似ているが、じわり――と温かみを帯びているようにも見える。
継ぎ目すらない表面を、まるで迷宮のような金の文様が走る。

カチリ――ドク――。

ふと、そんな音がした。
まるでその内側で、何かの装置が起動したような音。
あるいは、その内部で何かが蠢き始めた様な音。
ふわり――とまるで蟲を導く花の香のように仄かな魔の気配が漂う。
けれど、まだそれは動かない。開かない。目覚めない。
そこに誰か、相応しいものが来るまでは――。

ご案内:「平民地区の古道具屋」からディメントさんが去りました。