2019/05/10 のログ
クレマンス > 「ですがギュンター様が書かれるお話は理想ということですものね。一度それを知りたくもあります。
 例えば……お姫様の容貌はどのように書かれるのかですとか、性格は、ですとか」

平坦で何も起きない物語にはともかく、恋人の描く理想の女性像には興味がある。
悪戯っぽく訊ねるのは、今ここで理想を聞いてみたいという恋人としての好奇心。

「本当ですか?それではお聴き頂きたいお話はたくさんありますから、一緒にお休みになる日を増やして頂かなくては」

加えて遠回しにもっと一緒にいたいとねだる、考え込む演技。
それは本音だが、己のワガママで困ったり努めたりする相手の姿がきゅんとするという困った一面もあっての行動。
実現せずとも心の隅に己という存在があれば満足なのだ。
だが講義については演技ではない表情で、眉を困らせて下げ。

「あまり頭を使うと眠れなくなりますわ。
 読んで頂けるのなら、やはりとーっても甘いお話で、王子様が糖蜜のような台詞でお姫様を口説く物語にして頂きたいと思います。
 ギュンター様が絶対口にしないようなお言葉を聴いてみたい」

例え台詞であっても、魅力的だろう。
時にサラッと重大なことを言うのに、小さな甘い言葉は照れて調子が狂う彼相手だからこそ。
何気に聖女は本気でそう思っているようで、後々そんな書物を探すことになりそうだった。

そんな戯れめいた会話の最中、広いベッドの中だというのに二人は密着していて、使うスペースは限られている。
自ら誘ったことに今さら羞恥心を感じつつ、少年の手が乳房に触れると唇から熱っぽい吐息が漏れる。
ふっくらと柔らかな感触がそのまま手の平に伝わるのは、昼間と違って下着を身に付けていない証。
ささやかな刺激でも性感を煽るのに長けた彼の手にかかれば、布を押し上げるように先端がぽちりと目立つようになる。

「んっ……ぁっ……」

そしてぞくぞくする背筋に思わず声まで漏れ、失礼しました、と恥ずかしそうに口元に指先をあてた。
何もかも忘れて溺れるまでは羞恥心が淫らな本性を隠しやすい。

ご案内:「王都マグメール ホーレルヴァッハ邸」からクレマンスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール ホーレルヴァッハ邸」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。