2019/04/06 のログ
ご案内:「薬屋のテント」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 王都内部の公園に設置された薬師のテント…。
そこは、風邪薬を買いに来た子供のおつかいから、
明日の命を預かる冒険者、淫猥な夜を求める娼婦や貴族まで、
誰にでも、ご所望の薬を提供する少年薬師の店にして、住居。
「よし…と! おくすりの仕込み、完成!」
不気味な色と香りの薬草の干物…得体の知れない爬虫類や虫…
毒々しいほど可愛らしい色彩と造形のキノコや果物…
たったいま、長い時間をかけて薬研で粉にし続けた薬の原料の仕込みが終わった。
それらを新鮮さを保つガラス瓶や布袋に密閉し、的確な場所に保管する。
これで、今日からしばらくは相当に無茶振りな効能の薬を求められても、可能な限りは応えられるだろう。
■タン・フィール > 「ふぃーーー…ちょっと、きゅうけい!」
子供ながらに首・肩・腰にくるものがあったのか、
くにくに首を左右に傾けてストレッチをしながら、
小休止とばかりにテント内部で、最近衝動買いしてしまったハンモックに飛び込む。
ばいん、ばいん、とテントを支える四方の柱を撓ませて弾力を放つハンモックは、
寝心地よりもトランポリン的な愉しさを小柄な店主に与えて、
お客様には見せられないはしゃぎっぷりで、じゃれる仔猫のようにハンモックの中で身をよじらせる。
「ふふーっ!イイ買い物、しちゃった!」
■タン・フィール > 「…ん?」
ハンモックを構成する縄の網目を少女のように細い腕や白い肢が通り抜け、
それが上下に左右に揺れる中で、妙な絡まり方・もつれ方をしてしまっていることに気づく
「っとと…いけないいけない、あぶな~っ!
ええっと、ここがここを、こう通って…あ、あれっ…?」
目見当で網目から手足を引き抜こうとあれこれ試行錯誤するが、
一向に四肢が縄の…
――それも類を見ないほど色気のない、間の抜けた――
緊縛から開放される気配が見えない。
無邪気にはしゃいでいた幼い顔が徐々に、
遊びの中で『取り返しの付かないことをしてしまったのでは…?』
と青ざめる、子供特有の気色に、冷や汗を流し始めて
「ちょっ…じょうだん、でしょ!?」
力任せにほどこうとすればするほど、悪化しているような気さえしてくる。