2018/10/26 のログ
ご案内:「娼館「あじさい」娼館「あじさい」」にフランネルさんが現れました。
ご案内:「娼館「あじさい」娼館「あじさい」」からフランネルさんが去りました。
ご案内:「娼館「あじさい」」にフランネルさんが現れました。
■フランネル > 「はい、これでこの部屋もできあがりですよ」
部屋の窓の下、床付近に複雑な模様を描いた符をフランネルが張り付けると、不安げに、興味深げにそれを見守っていた小柄な娼婦が小走りに駆け寄ってきて、おっかなびっくりの様子でそれに手をかざした。そこからほんわりとした暖気を感じて驚いたのか、わあ、と、彼女が声を漏らすと、フランネルは膝を抱え込むようにその隣にしゃがみ込んだ。たわわな胸が膝の上でむにゅりと潰れるのを横目で見て、少々つつましやかなプロポーションの娼婦は小さくため息をつく。くすりと笑いを漏らし、彼女の背を軽く撫でるフランネル。
「ふふ、まだ育ちますよ。大丈夫です。それよりこれ、あんまり細かい調整はできないですから、暑すぎるときは適当に窓開けたりして調節してくださいね。それじゃ、よろしくです」
ぽんぽん、と、その背をたたいて立ち上がるフランネルを、少女が軽く手を振って見送る。きぃ、と、軽く軋む木の扉を押し開けて廊下に出ると、そこもすっかりほのかな暖気に包まれていた。よしよし、と、満足げにうなずいて、髪と胸を揺らしながらフランネルは待合に向かう。廊下の窓から外を見ると、日はほぼ落ち切って、そろそろこの館の稼ぎ時の頃だった。
■フランネル > 「んー……っ」
何度も立ったり座ったりを繰り返したせいか体がこっている気がして、歩きながら腕を伸ばして背をそらすと、ブラウスの下から肉の丸みがぐっと布地を押し上げた。足を踏み出すたびにゆらり、ゆらりと腰を揺らすさまはスカートごしでもそのボリュームを主張し、店に来てもう娼婦を買っている客の視線すら吸い寄せる。少し困ったような笑顔で眉を下げ、ぱたぱたと小さく手を振りつつ待合にたどり着くと、女主人の立っている受付の机に両の肘をつく。スカートの下から、今度は尻の丸みを主張しながら、一息ついてフランネルは告げた。
「健康診断と全館暖気、できあがりですよ。溜まったオルゴンは、来週にでもいただきに来ます。……あん、わたしここの人じゃないからダメなんですよ、ごめんなさいね。素敵な子、あっちにいっぱいいますから、ね?」
話の途中で自分を買いたいと求めてきたでっぷりとした男性客に手を振ってまた困り笑いを向け、娼婦たちの待っている部屋をその手で示す。
■フランネル > 「もうちょっと美味しそうな子なら、オルゴン稼ぎがてらに食べちゃうのも楽しそうなんですけど……なんて、ふふ」
言いながら入り口のほうにちらりと視線を這わせ、ちろりと舌なめずり。商売の邪魔は勘弁しておくれよ、と、言われると、すぐに肩をすくめて笑う。その間にも常連らしき客がひとり、ふたり、吟味もせずにいつもの娼婦を指名し、それぞれの部屋へと消えていった。いってらっしゃい、と、ばかりに手を振ってそれを見送りつつ、ふと料金表を見上げる。
「ね、仮にですけど、いい子が来たら。上がり全部渡したら、空き部屋ひとつ貸してくれます? いいじゃないですか。わたしとあなたの仲なんですから」
冗談めかして言いながら、ゆら、ゆらり、膝を片方ずつ曲げて腰を揺らめかせる。そろそろ入店も一段落なのか、入口の戸を押すのは外を走る初冬の風ばかりになっていた。
■フランネル > 「……と、長居しちゃいましたね。お家で仔猫がご飯を待ってるといけないですから、そろそろ帰ります。それじゃ、また今度ですよ」
言いながら体を起こし、もう一度伸びをするフランネル。そして、ふっ、と、息を吐きだして力を抜くと、ゆったりとした足取りで店を後にする……。
ご案内:「娼館「あじさい」」からフランネルさんが去りました。