2018/04/20 のログ
■フィル=クォーレンス > 比較的平和な地区とはいえ、深夜の見慣れないお客を完全に無警戒ということはない。
流石に表立って武器を抜き身でもっていたり、殺気を振りまいているわけでなければ最低限ではあるが。
幾分丁寧な様子で言葉を返してくる様子に、気を少し緩めながら効かせた鼻へと届く香りを無意識に少年の頭は分析を進めていき。
「ああ、いえ。そういう理由でしたら…ないと困るでしょうし」
外を歩いてきた人。けれども、それにしては人らしい香りが少なすぎる。通りを歩く人や他のお客、それらと比べても違和感を少し感じさせるものであれば、生来の好奇心かその不可思議さに意識は向き始めてしまい。
「僕は店番ですけど、店主は今日はもういませんし。ゆっくりと決めてくれて大丈夫ですけど…えっと?」
お客が零していくのは簡単に手に入る様な消耗品。旅に必要といえば雑貨屋で求めるには、しっくりくる品であれば其処に違和感はないのであろう。
零されていく品物をカウンターテーブルの上へと、店内の棚からだして並べていき。時間がかかるとしても看板をクローズにしておけばいい、と急かさないようにお客への気遣いを一つ巡らせていくが。
乗り出してくる相手に思わず少し引いて目を丸くする少年。
その動きでローブのフードがずるりと頭からずり落ちてしまえば、薄くなる認識阻害は多少魔の力があれば見抜けてしまうものになるであろうが
■カシマール > フードが僅かな衣擦れの音とともにずり落ちて、少年の顔が露になった。少年にしては長い髪の毛、年齢よりも幾分か幼く見える顔立ち。
少女は思わず、眩しげに目を細めていた。
少年が大好きなヒトなら食指が動くだろうその容姿に、ではない。見た目が人間と変わらないというのに、立ち上ってくる獣臭にである。
ヒトよりもきっと色濃く、激しく、荒々しく、夜を彩ってくれる事だろう。
ダボダボの服の中、太腿を構成していた触手が思わず反応して、もぞりとあらぬ動きをしてしまったのはばれない筈だ。そのためのこの、サイズに余裕のありすぎる服である。
「……ハッ!? ぁえっと、すみません。善意に甘える用で申し訳ないのですが」
身を乗り出したままで固まってしまっていた、怪訝そうに声を絞り出した少年から慌てて距離を取った。
全身の臭細胞に獣の残り香がある、ああ、お腹がすいた、もう10日もヒトを喰っていない。
いやここは雑貨屋だ、葛藤のまま、焦りにブーツの中の足は指が8本に分裂してタップダンスを踊り…
「店員さんの股間のバナナは、一体幾らで売られてますかッ!!??」
葛藤の末に理性を振り切って、溢れた言葉は漆黒の叫びとなって少女の口から溢れて出て。
近所迷惑、である。
ついでに溢れたのは、叫びだけではない。性欲で雌のマンゴーが果汁をほとばしらせるなら、触手があふれさせる果汁は全身からだ、じっとりと汗のようにあふれ出した媚薬効果の体液は僅かながらに空気中にただよいだして…
■フィル=クォーレンス > 「え…?バナナって果物は申し訳ないのですが…股間の?」
一見少年のようにも見えるが、近くで顔をまじまじと見合えば少女とは実感できる彼女。
その衣服の理由に気づけることはなく。その身を下げて改めて尋ねられていけば、少しホッと吐息を零しながら彼女の伺いに思考を巡らせていくが。
思考を巡らせること少し、果物であって果物に非ず。冗談めかせたような言葉でありながら、何を比喩しているかを流石に理解してしまうことになり。
「え、あ、えっと!ね、値段はついてないっていいますか…此処はそう言うお店では、その。」
娼館等とは無縁の少年である。
知識はあっても経験はなければ、意味してることを出来る限りの範囲でりかいしながらも、驚いてアタフタしてしまったのであろう。
売り物ではなく、値段がついてはいないだけ、とも取れる言葉を零してしまい。
そういうお店などは向こうの通りに、近くに歩み寄って外の道を指さして見せようとするが。
彼女の香りに興味を向けていた少年である。人ならざる香りが溢れれば、その香りに集中を向けてしまい。
人ではない存在かもしれない、と感じ取るものの獣の性をその媚薬効果に煽られ。膨らみ始めるズボンの股間部分は、彼女の欲求を煽り返すことになるであろうか。阻害も弱まっていれば本来の姿を認識もできるかもしれないが
■カシマール > 「値段がついてない、そして、そういうお店ではない! だからこそ美味しく見える! 僕はここを失楽園にしたい、と思う! だからそう!」
新事実である、触手にとって禁断の果実とはバナナの事であった。
同類の触手が聞いていたら、そのまま張り倒されるかもしれないが、今この場にはいない。少女の目は…否、身体中から迸る『視線』は少年に突き刺ささり。
無論、彼が興奮し出してペニスをたぎらせ始めた事も、徐々に少年ではなく雄になりつつあることも、そして…獣としての姿をも捕らえた、捕らえてしまった。
『触手』の感覚器が捕らえてしまった、人よりも強い性の根源を。
「一皮剥けそうなバナナは、合意とみてよろしいですねじゅぽげ@#ぐげぽぉ…ご…~~っ!!」
犯したい、貪りたい、飢えに牽引された欲望に、少女の姿がぐずり、とくずれた。一塊の触手となって床に落ちて、うぞうぞ、うぞうぞと蠢いて。
人の身体を失って、声帯すらなくなったその生き物は、奇妙な音を溢れさせて。
それでも触手は少年の方へは動かず、その場に留まったまま、時折カリカリと床を引っかくのが葛藤を物語って…
「……かくしてた、わけじゃないんだ。ごめんよ」
不覚も不覚、一生の不覚、数秒の後には少女の上半身だけ触手から再構成し。
真っ白な四肢に、綺麗に肉のついた腹となだらかな胸を少年に見せ付けてながらも、本人は恥じ入ったように小さな声で謝罪を…
■フィル=クォーレンス > 「っ…え!?触手の…群れ…!?」
不可思議な香りもさることながら、テンションまで上がりどこか独特の雰囲気を作り出していく彼女。
何が起こっているのか、状況の理解が追いつかない中に更に混乱を注ぎ込むように、彼女がその人としての形を崩していけば一度停止する思考。
ある程度近くまで歩み寄っていたものの、崩れ落ちた彼女が向かってくることはなく。
そのまま形を半分取り戻すようにしていけば、ようやく引き戻されていく現実に、ぽつりと零れるのは見たままの姿の感想。
「あ、いえ…命狙ってたり…とかじゃないんですよね?」
半分人の姿を取り戻せば、零されていったのは少し虚を突かれるような緊張感を崩す言葉。
強張っていた体の力も抜け、恐る恐るもう少し彼女に近寄る様にすれば零していく言葉は、半ば確信を伴っているかのようであり。
これだけ襲えるであろうタイミングだらけで、襲われなかったからというのが一番大きいのであろう。
「僕も似たようなものですから…姿を隠してってのは分からなくもないですし」
人の町で穏やかに暮らしたり、姿を見られるだけで騒ぎになるのは本意ではない。
少年も似たようなものであれば、その演技とは感じられない謝罪の声に返すように、少しまだ驚きを残しながらもちゃんと言葉を返し。
認識を自らの意思でさらに弱めれば、人ならざる獣の顔と体を持つ生き物が服を着ている姿を見せるであろう。
とはいえ、綺麗と言える少女の上半身とはいえ裸体を晒されれば、それに意識が戻るとともに顔は赤くなり始め。
視線を逸らそうとしながらも逸らしきれないまま、ペニスは服の上からわかるほどに張りつめた様子を晒すことにもなり。
■カシマール > 「人殺しなんて僕はしないよ、普通の触手だったときから、僕はエロ触手だったからね。もう10日も精を食べられてなくて、ちょーっとばかり、過剰反応しちゃったけど」
話しながらも、ずるりずるりと、麺をすするときのような音を立てて体は再構成されていく。
少年の目の前で、肉付きの良い太腿も、女を感じさせるようになった丸い尻が、できあがってゆき…視線を逸らせない彼の前で、少女の体は完全にできあがっていた。
獣よりも獣らしく、四つんばいの姿は果たして、どの程度本能に響くだろうか。恥ずかしげも無くその場に立ち上がれば、股間に走っているのは綺麗なすじで…
「見たことも無い姿だ、ミレー族ともまるで違う...そう、僕と似たようなものだね、きみは。本当に気に入っちゃったよ…どうだい、よければ、この哀れな触手に一夜を恵んでくれないかな? 今度は触手じゃなく、この僕、カシマールとしてのお願いだ」
彼が魔術を解けば、ぼやけていた姿にピントが合うように、本来の、獣の姿と対面できた。ほぅ、とついた息は、熱く興奮している。
人に化けて人を喰らう者なら何人もいた、でも、人に化けて人とあろうとする者は数が少ない。
だからそう、はっきりと、触手ではなくカシマールの名を冠した、一つの個として、今は彼へと向き直り。やはり、こんな出会いをただ、夜風に散らしてしまうのは惜しすぎる。
硬く、熱く立ち上がったペニスに触れようと、そっと手を伸ばそうとする。
肉質で、ぶよぶよとしていて、そのうえ粘液まで分泌していた触手とは思えないほどに、しなやかな指先。
店先の明りの中で浮かび上がった、色の白い彼女は風景から浮かび上がった一枚の絵のように。
「許してくれるなら名前を教えて欲しいな、君の巣穴で楽しもう。拒否するのなら、そうだね…張り手の一つでも僕におくれ」
拒否すれば、大人しく触手は撤退するだろう。
けれど受け入れるのなら、一夜を快感で彩るのなど触手はお手の物なのだ。その結末を知る者は、果たして何処にいるのだろうか
ご案内:「平民地区 雑貨屋」からカシマールさんが去りました。
■フィル=クォーレンス > 「エロ触手…ですか。僕の場合は…もっと動物に近い姿の種族で、確かに人に化けてるのは…似てる、ね。」
文字通り生き物を喰らう魔物と呼べる生き物は様々にいる。
精を狙っているだけであり、それを納得させるような穏便さを見せ。今もまた人の姿をちゃんと取り戻すように、形作っていくのを見ればすっかり緩んでいる警戒心。
毛並みの下を赤面させ、何とか視線をずらそうとしてもずらしきれず。
言葉を平静を保とうと零しながらも、全身を余すことなく見せつける彼女へと、逆にしっかりと見惚れるよう視線に固定されていく。
「カ、カシマールさん、それって…っぁ!…っく…張り手…なんて出来るわけないじゃ、ないですかっ」
解いた姿を見せても、自らよりも驚くこともない。むしろ興味を示し友好を示してさえくる彼女に、親近感を感じずにはいられず。
彼女の名を一人のヒトとして語る様に告げられれば、しっかりと余すことなく、視線は少しでも逸らすことなく吸い込まれるように向けきられる。
彼女の手が触れれば少し身を震わせ、腰を引きかけるがそれ以上下がることはなく。
衣服越しでも伝わる艶やかな手つきに、甘く熱のこもった吐息を零せば、衣服の中へと手を滑り込ませ直に触れるのも簡単なものであろう。
意外な出会いからの親近感、そして経験皆無ながらも彼女の色香に当てられれば、獣の本能はいとも容易く彼女の手中へと収まり。
大人しく彼女に愛でられるように。熱を先走りの涎を零すペニスを、柔らかな毛並みを彼女の手に送り返し。
「フィル…フィル…クォーレンス、で…す。カシマールさんっ。寝床は…平民地区の…っくぁ。あ、案内、しますから。」
彼女が甘く囁き手を躍らせる度に、抵抗感は溶けるように抜けていく。
張り手どころか、軽く彼女のおどる手に自らの手を重ねながらも、それに押し返すような力は籠ることはなく。
名を熱のこもった吐息に乗せて告げれば、頼りないダンスを踊るように熱に浮かされた足取りで、彼女を寝床までエスコートしエスコートしていくであろう。途中でどれほど堪え切れたか、寝床でどれほど快楽を刻み込まれ、蕩け有ったかは誰にも分からないことであっただろうか。
ご案内:「平民地区 雑貨屋」からフィル=クォーレンスさんが去りました。