2018/01/11 のログ
ご案内:「サフォー村・教会」にサラさんが現れました。
サラ > 教会に通じる道を全力で駆けるサラ。
走り出してすぐに向こうから来たおじさんとぶつかりそうになりました。
でもおじさんの両目はサラの背後のポルテガルトさんに釘付け。
サラがぶつかりそうになっても全然気にしていない様子です。

おじさんの脇をすり抜けて再び走り出すサラ。
ポーターさんに話しかけるおじさんの声が聞こえました。
サラに話しかけるときとは全然違うおじさんの声。
なんだかとても居心地が悪くて、サラは全力疾走します。

サラ > 「マリアニーサさまぁ!」

澄み渡った冬の空気をサラの声が震わせます。
道の向こうに小さく見える教会の建物の周囲の様子は見えません。
だけどサラは声を上げます。返事がほしいからではありません。
おじさんとポルテガルトさんの話し声を聞きたくなくて、マリアニーサ様の名を呼ぶのです。

サラ > サラにはよくわかりません。
どうして村のおじさんは、ポルテガルトさんに話しかけるときに様子が変わってしまうのか。
理由はよくわからないけれど、とても不安な気持ちになります。
見てはいけないものを見てしまったような気持ちにもなるのです。

サラは村のみんなのことを嫌いになりたくありません。
だからマリアニーサ様の名を呼んで、居心地の悪さを消そうとします。

サラ > やがて教会の周囲の様子がはっきりと見えるようになります。
教会の入り口付近で掃き掃除をしているシスター・マリアニーサ様の姿も。
サラはほっとして足を止め、乱れた呼吸を整えます。
あまりにも慌てていたら、マリアニーサ様に心配をかけてしまうから。
おじさんとポルテガルトさんの話し声も聞こえてこなくなったから、叫ぶ必要ももうありません。

そうして気持ちが落ち着いたら、今度はゆっくりと教会に向かって歩き出します。

サラ > マリアニーサ様は掃き掃除の手を止めて、サラのほうに顔を向けます。
あ、もう気づかれてる。サラは早足になって教会に近づきます。

『おはよう、サラちゃん』
「マリアニーサ様、おはようございます!」
『サラちゃんはいつも元気ね』
「サラが元気でいられるのは村のみんなと神様のおかげです」
『ふふっ、サラちゃんはいい子ね』
「サラはマリアニーサ様みたいになりたいです」

サラは嬉しそうな顔でマリアニーサ様に挨拶します。
そうして庭掃除用の大きなちりとりを持ってきて掃き掃除のお手伝いをするのです。

サラ > 庭掃除用の大きなちりとり、正しくは「てみ」というらしいのですけれど。
サラの小さな身体でてみを使うときは両手で持たなければなりません。
マリアニーサ様が箒を左右に動かすたびに枯葉と土埃が舞い上がります。
いくら大きなてみを構えてもすべてを受けきれるわけではなく、土埃はサラの顔にかかります。

でも、サラは得意げににこにこしています。
幼い頃からこうやって村の掃除を手伝っているから、土埃は気になりません。

サラ > マリアニーサ様の本性を知る王国軍の兵士たちがもしもこの場に居合わせたなら。
彼らはシスターの村娘に対する悪意を看破するでしょう。

ですけどサラは王国軍の兵士たちのことは好きではありません。
彼らはサフォーの村人にひどいことをして困らせるので、来てほしくないと思っています。
だから彼らが真実を告げてもサラは信用しないでしょう。

――淫乱シスター・マリアニーサは14歳の地味なメスガキに敵愾心をむき出しにしている。
――善意で掃除を手伝うガキにわざと土埃を浴びせている。

そんなことを言う王国兵がいてもサラが信用するのはマリアニーサ様のほうなのです。

サラ > 入り口付近の掃除を終えると、マリアニーサ様はサラを教会内に招じ入れます。
そして少し声を潜めてこんな質問をサラにするのです。

『ねぇ、サラちゃん。サラちゃんのおしっこが出てくるところ。触ってくるおじさんっていない?』

唐突な質問にサラは目をぱちくりさせて、首をくいっと傾げます。
おしっこが出てくるところ。聞き間違いなのでしょうか。にわかには信じられません。
そういう話をしてはいけないとお母さんに言われているのに、神に仕えるシスターがそんな話をするのです。

サラ > 『おまたの…おしっこが出てくるところよ。触ってくるおじさんっていない?』

マリアニーサ様は穏やかな笑顔でサラに再び問いかけます。
サラは恥ずかしそうに俯いて、黙って足をもじもじさせます。
シスターに言われた場所に意識が向いてしまうと、なんだかむずむずするのです。
触ってはいけないとお母さんに言われているけれど、触ると気持ちいいのは知っています。

(サラのこんなとこ…おじさんが触ったりするの…?)

サラ > 「い…いないです…そんな人…」

サラは顔を伏せたまま、消え入りそうな声でマリアニーサ様に答えます。
もしも顔を上げていればマリアニーサ様の浮かべる底意地の悪い笑みを確認できたでしょうけれど。
おまたをむずむずさせているサラに神聖なシスターの顔を直視する勇気はありません。

『そう。良かったわ。そんな悪いことをする人はいなくて』
「サフォー村の人は…みんないい人です…」
『でも魔族や悪い魔法の影響でそういうことをする人は出るの』
「そう…なのですか…」
『そうよ。だからもしもそういうことがあればお姉さんに教えてね?』
「はい…マリアニーサ様…」

終始俯いたままのサラにマリアニーサ様の柔らかい声が降り注ぎます。
その甘い声色が実は欲情ゆえのものだったなど、サラはゆめにも思わないのです。

ご案内:「サフォー村・教会」からサラさんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にリスさんが現れました。
リス > 「いらっしゃいませー」

 トゥルネソル商会は、いつも笑顔でお客様をお出迎えしております。
 王都・マグ・メールの平民地区と、富福地区の境目の大通りにどんとそそり立つ4階建てのレンガ作りの建物。
 豊富な品ぞろえ、リーズナブルなお値段、冒険者のための武器や防具も取り揃えてお待ちしております。
 店員のミレー族と共にお客様が帰っていくのをお見送りしてから、店内へ。
 清掃、品出し……することは色々とある。
 今、一番しないといけないことは、セールを行っているので、品物の在庫の確認か。
 あれやこれや、と売れていった品物、今は少しばかり落ち着いているけれどまた次のお客様が来ないとも限らない。
 迅速に品物を補充し売り切れているなら売り切れの札を置かないといけない。
 少女は二階の日用品売り場へと足を運ぶ。

リス > 少女は小走りに、しかしお客様の邪魔にならぬように急いで二階へと進んでいく。
 日用雑貨に低級ポーション、食料に保存食など、一般の人が一番使うようなものを此処に置いてある。
 セールをすると一番売れ行きが大きいのがここなのである。
 品物を確認していきつつ、品薄になり始めたものは在庫を確認させにミレー族の店員に行かせる。
 困っているお客様がいないか、視線を店内に巡らせつつ、少女は陳列棚の商品を確認していく。

 とは言え、今はそれなりに落ち着いてきている模様。
 奥様達は家に戻りごはんを作っている時間でもある。
 それなら店は彼女らに任せ、売上の集計を事務室でしてもいいだろうか。
 少女はそんなふうに考えてみる。
 何かあれば、店員は呼びに来るだろうし。

リス > 事務所に戻り、少女は帳簿を手にして作業を始める。
 売上の状況などは既に手元にあるからそれを計算して書き込むだけである。
 いつもやっている事であれば、羽ペンはよどみなく動く。

「そういえば、アッシェが言ってたわね。」

 ペンを動かしながら、酒類の販売数が増えている事を眺めて。
 彼女がもっといろいろなお酒を置きたいと言っていたことを思い出す。
 やりたいのであれば、やって見せよう。
 ただ、商人として売れる酒、売れない酒、値段設定とかはちゃんと見てあげないといけない。
 彼女は商売という点では素人なのだし。
 それは家に帰ってからの課題ね、と小さく笑みを浮かべてみせる。
 後の部分は、セールで売った予想通りの値段というべきだ。
 少女は小さくうなづいて帳簿を書き込み終えて閉じることにする。

 さて、休憩でもしようかしら、と軽く息を吐き出して奥を見る。
 流石に今は誰もいないのだろう、自分でお茶を入れるしかなさそうだ。

リス > 仕方なく、奥の給湯室へと少女は入り、慣れた手つきでお湯を沸かしていく。
 お茶の葉を取り出して、お茶を挿れ始める。
 お茶が完成するまでの間に、お茶菓子あったかしらね、と給湯室の中をゴソゴソと探る。

「あったあった。
 賞味期限近いものね。」

 売りものにするにはちょっとまずいお菓子。
 そろそろ悪くなる物を下げてお茶菓子にする。
 こういうのが出ないのが最上なんだけどなぁ、とぼやくのは商人としてのボヤキでしかなくて。
 いくつか取り出して、食べられなくなっていないことを確認してから、少女はテーブルに並べていく。
 一人でのティパーティとでもシャレこもうかしら、なんて軽く冗談交じりに笑ってみせる。
 
 誰もいなくてちょっと虚しくなった。

リス > 準備が出来たので、少女は紅茶をカップに入れて、腰を落ち着ける。
 甘みのない紅茶に、甘いお菓子でバランスを取ることにすると、落ち着く気がする。
 ふう、と軽く息を吐き出してソファに深く腰を掛ける。
 いろいろ終わったあとのお茶は心地がいい。
 何もかもが終わった、という気分にもなるし疲れが報われた気がする。
 ソファに体をあずけながらお茶を軽く一口飲んで、お茶菓子を食べる。

「あぁ……すごく沁み渡る……」

 疲れた心と体に糖分がすごく良い。
 こんな小さなことにも幸せを感じられるのはきっと小市民だろう。
 小市民万歳とかわけのわからない思考。
 願わくば可愛い女の子とイチャイチャしながら食べたいというか女の食べたい。
 なんて、平常運転の少女だった