2017/09/10 のログ
■オデット > 「安心致しました。 でももう奥さまやお子さまがいらっしゃるのかしら。
それならここに頻繁に通うこともできませんわよね」
戯れに笑い声をこぼしながら、遠い日を想ってしみじみと。
一昔前のように2人一緒ではなく、彼単独の様子にそんな想像まで。
客が変わり、娼婦の顔ぶれも変わる。
それだけの月日が流れていることは当然なのだが、非常に不思議な時間間隔であった。
とはいえ現在はここで男に身を捧げる立場にない女である。
――――似たようなことを違う場所で強いられてはいるものの。
男をいざなう己の部屋はここには、ない。
「……あ…私、身請けされましたのよ。もう昔のことですけれど。
それにここで働くには歳をとりすぎましたわ」
相手と顔を合わせなかった間のことを話せば必然的にしんみりとした話も
含んでしまうため、どうしようかと悩みながらの会話。
まだ残る己の同僚はそのほとんどが外見と実年齢の見合わない、人ならざる者である。
人間の己には例えまだ身請けされていなかったとしても、ここで見てもらえるかどうか。
困ったように眉を下げ、笑う。
■ボブ > 「まぁ、子供はいるみたいですね……でも結婚はしていないはずですね。
いわゆる現地妻ってヤツを複数持っていて、その一人一人にちゃんと仕送りをし、更には近くの戦場へと赴く際には
ちゃんとその妻の所に行って、身体も満足させているみたいですが……」
(かなりの絶倫だったらしい先輩の精事情まで女性に話していく男……そのような会話も受け入れてくれるだろうという
算段の上で一切隠す事無く先輩の事を話してみせていって)
「えっ!? 身請けされたんですか……それじゃあオデット姐さんの身体はその人だけのモノですかぁ~、羨ましいなぁ~。
いやいや、まだまだイケますよっ!オデット姐さんっ!
そうでなかったら誘うと思いますか?」
(歳を取りすぎた……と漏らしていく女性に対し、まだまだ女盛りは終わっていないと強弁していき、
女性の手を取り、両手で包み込むようにしながら、女性の目をまっすぐ見つめあげ、
男の言葉に偽りの感情がない事を目から伝えあげていって)
■オデット > 「まぁ…!豪胆な人生を送っていらっしゃいますのね。
男性は男性でご苦労がおありでしょうけれど、少し羨ましいわ。
――――…そういえば私、お名前を失念していまいまして…。
申し訳ございませんけれど、改めてお聞きしても…?」
彼の先輩は何度もその名を己の前で呼んでいたはずである。
しかし、直接の客となることがなかった少年兵の名まで記憶は至らず、申し訳なさそうに。
そんな少年兵は今や立派な男となったことが、己の手を包む掌の大きさでよく理解した。
まだ純な気配の覗く視線は少年らしさを残しているものの、頼り甲斐のある骨格だ。
相手の言葉は嬉しいが気恥ずかしいのと同時に、現状夫は喪っていること。
そして数多の男に抱かれていることに恐縮し、表情はいまいち冴えず。
「…あ、…ありがとうございます。
………今は…、ご存知かしら。九頭竜の水浴び場という温泉宿を。
故あって、あそこで働いております」
もし知っていれば、従業員が褥にも付き合うことも知っているかもしれない。
知らなければ―――いずれ知るにしても、今は黙っておこう。
女は相変わらず重要な部分を曖昧にしながら話すのである。
きっとそれは、純粋な少年兵であった彼の思い出のままでいたいという欲。
■ボブ > 「まぁ、一人の女性に囚われず…っていうのは倫理上悪い事なんでしょうけど、
ちゃんと金銭的責任も肉欲的責任もちゃんと取ってるって事である意味では尊敬に値しますね、先輩は……」
(先輩の事に関しては男目線でも色々考えさせられるものはあるという意見を漏らしていけば、
女性の口からこの男の名に関して問われていけば、「あっ!」という声を漏らしていって)
「すみません、こっちから一方的に話しかけておいて自己紹介をしてませんでしたね。
俺はボブっていいます。 今は傭兵は辞めて、この王都の近くの山村で木こりをして、何とか生きてます」
(改めて自己紹介をした上で、会釈をしつつも、女性の手を包み込んだ両の手は放す事はしていなくて)
「あ、あそこですか。 今は時折、あそこにお世話になってますね。
この王都の武芸修練場に来て、身体を動かした際にあそこの温泉に浸かって疲れを取るのが定番になってますから。
そうですか、オデット姐さん……あそこに勤めていたんですね……」
(女性の今の勤め先を聞いた男の視線が一瞬鋭さを増したかのように女性の身体を射抜く)
「そういったら、今のオデット姐さんの服装ってあそこの制服ですものね。
てっきり水浴び場の従業員…という役柄を演じる為の服装かと思い込んでましたよ、俺」
■オデット > 「まぁ…傭兵をお辞めになりましたの?優秀な方だとお聞きしましたのに…。
でも私も当時とは状況が随分違いますし、他人のことは申せませんわね」
聞いた名は、全くピンとこなかった。
常連客の後輩の名である。もう少し、『あ、そうそう。そうだった』と
なってもよかった気もするが、それほどまでに己の記憶力が低下しているのだろう。
「え、ええ…。私は基本的にご宿泊される方のお世話をさせて頂いていますから、
温泉をご利用のお客さまとはあまり接することがないのだけれど…。
安価なお部屋もあるから、また機会があれば是非いらっしゃって」
どことなく彼の言葉の裏に何か察したものを感じると、気まずそうな表情を浮かべたが
彼が日頃温泉を利用しているのなら それこそ今さら誤魔化しても仕方のない話。
宿泊を担当している、つまりは宿泊客の夜の世話もする機会が多い立場である。
この身体は亡き夫に操を立てることさえ許されていない。
隠したい事実であったが、ここまでくれば悟ってくれた方が後々気楽である。
己の手を包む彼の両手を やんわりと解きながら、微笑みかけ。
「今日はオーナーに差し入れを持って参りましたの。
ですからここで失礼しますけれど、ご宿泊でなくともうちの旅篭にいらっしゃったら是非お声をおかけになって。
お飲み物くらいサービス致しますから」
■ボブ > (自己紹介を済ませる男の顔を少し怪訝そうな表情で見つめてくる女性……昔、先輩傭兵から聞いたはずの名前と
何か違ったような……そんな事を女性は思っているのだろう。
腕が良いという事を覚えていてくれたという事は数度顔を合わせていけば、おぼろげだった記憶も戻り、もしかしたら男の捨てた名前に女性が行き着くかもしれない)
「まぁ……人付き合いに疲れまして、自然の豊かな所に逃げたくなったんですよ。
確かにオデット姐さんもいつの間にか身請けされて、勤め先も変わった……時は止まらないものですよ、まったく」
(うんうんっと頷く仕草を数度見せていき、女性の今の勤め先の方に話題を移し、
少年傭兵だった時もそして今現在も女性の身体に興味津々である事を示していけば、
彼女は今ははぐらかすように手を包み込んでいた男の両手を解いていくのを正直惜しいと思いつつも従っていって)
「ええ、また近い内に水浴び場の方には顔を出しますよ。 その時は……」
(今日の所は用事があるという女性を見送る姿勢を示していった男はにこやかに言葉を発していき、
途中で言葉を途切れさせていけば少し屈み込み、女性の耳元に口を寄せていけば、囁くような消えそうな声量で…
『カールの兄さんを魅了したオデット姐さんの性戯、見せてもらいますからね?』
…とこっそりと話しかけ、そっと耳元に口付けをしていくか)
■オデット > 「うふふ…まるでご老人のようなことを仰いますのね。
でもここにまたいらっしゃるくらいですもの。
自然が豊かなだけでは過ごせないということですね」
若ければ若いだけ性欲も溜まるだろう。
共に暮らす女性でもいれば別だが、そうでなければどこかで発散する必要が出てくる。
彼の生活をほのかに想像しつつ、別れの時が迫り。
「………っ」
囁かれた言葉に耳に触れる唇。
彼よりいくつか年上の女は、まるで少女のように頬を染め、そして視線を俯かせる。
「い…嫌ですわ。私はお客さまに毎夜ご教示戴いたようなもので…。
大したことありませんから…あまり期待なされてはガッカリさせてしまいます」
当時はまだ若く、彼の先輩が瑞々しい肉体を欲してのことか、単純に外見が好みに当てはまっていただけなのか、
定かではないが客を手玉にとるほどの洗練された技術はなかったはずだ。
今もやはり、男に翻弄されるばかり。
謙遜ではなく、本気で彼の期待は裏切ることとならないか
心配のタネで頭を振ると無理やり調子を取り戻し、笑顔を見せる。
「―――それでは、楽しい一夜の夢を過ごしてくださいませ」
今から娼婦の誰かを選び、一夜共に過ごすのだろう彼に にこやかに言うと、静々と廊下を再び歩いてゆく。
女は地下へと向かい、数百年生きていると言われるオーナーの部屋へと―――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からオデットさんが去りました。
■ボブ > (別れを受け入れつつも、次に水浴び場などで出会った時の布石は打っておこうと、
女性の耳元で生々しく性交を期待しているという旨の囁きと共に口付けを与えていけば、ビクッと身体を震わせ、
頬を朱に染めていく可愛らしい姿を見せつつも、大いなる謙遜と思える言葉を漏らしていくのを耳にし)
「それに関してはオデット姐さんが判断する事じゃないですよ。
肌を合わせ終わった後、俺がどう感じるかですよ……、百回話し合うより一回の実体験が雄弁に語りますからね」
(彼女の言葉が謙遜か、それとも真意なのかは試してみないと分からないと硬い意志を持っている事を伝えていけば、
オーナーの元へと向かう彼女を見送り……
そして男は受付へと戻り、客を待っている娼婦達を見定めていくが……普段ならどの娼婦でもイケそうな気がするのだが、
少年時代の性欲の象徴たる女性と対面した後だと急に見劣りするような気になってしまって)
「う~~ん? 今日は何となくピンと来ないな……。 日を改めて明日また来るよ……」
(何となくいつもの調子を崩してしまっていると男は実感しつつ、首を傾げながら娼館を後にしていった)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からボブさんが去りました。