2017/08/24 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場/露天風呂」にオデットさんが現れました。
オデット > 仕事を終えた従業員の1人、仲居は一糸纏わぬ姿で体を清めていた。
素肌彩る泡を流すと水気含んだ髪をうなじの上で纏めて、手拭いを手に立ち上がる。
濁り湯、ミルク風呂などいくつか種類があるが、まだ客の利用する時間だけあって
従業員としては1番端で1番狭い湯に浸かるのが日課となっている。
狭いといっても九頭竜山脈でしか採取できない薬草を混ぜた湯で、
琥珀色に輝くその湯は体が温まると冷え性の女性には好評だ。
手拭いを縁にかけると、足先からゆっくりと湯に入っていき、
腰を落ち着けてから1日の疲れを吐き出すような溜息。

「――――ふぅ……」

かすかに秋めいてきた風が肌を撫でると体感温度はちょうどよく、この頃長湯気味である。
従業員はマイペースに疲れを癒していた。

ご案内:「九頭龍の水浴び場/露天風呂」にエズラさんが現れました。
エズラ > 「――……ズズッ……んむ……――」

湯気の向こう――仲居が現れる以前から、露天風呂の一番大きな湯に浸かっている男がいた。
男は居眠りをしているらしく、湯の縁に預けている背が、舟を漕ぐ度少しずつ、少しずつ沈み込んでおり――

「……ンガッ――」

そのうち、夢でも見ているのか、一際大きく頭を揺らす。
その拍子に、ずるりと頭の先まで湯の中に沈んでしまい――

「んむおっ、ガボッ……――」

静かな露天風呂に、突如派手な水音と男の呻き声が響く――

オデット > 「…?」

眦まで火照らせて湯を楽しんでいたが、どこぞで聞こえた異音に顔を上げる。
気配には一際疎い己なれど、物音だけで察するに新たな利用客の訪れはなかった。
たしか己が訪れた時には1人、男性らしき背中が湯船に浸かっているのを見たが。

ここでもっと敏い者であれば即座に立ち上がったのだろうが、この従業員、おっとり屋。
ゆるりと立ち上がると琥珀色の湯を滴らせて、手拭いで体の前面を隠す。
それからようやく音の主を探すべく湯から上がり、歩き始めるのである。
各種温泉が揃っているとはいえ、端から端まで歩いても何十分もかかる場所ではない。
すぐに異音の原因を視界に捉えると、小走りに近寄り
飛沫が上がるのも気にせずバシャバシャと湯の中に入っていった。

「お客さま?いかがされました?」

声音は相変わらずのんびりしがちであるが、心配そうな仲居の貌が客を覗き込む。
手はあともう少し伸ばせばその肩へと触れそうな距離まで近付けながら。

エズラ > 「んぶおっ!?ぐプッ……ぶはぁーっ!」

仲居の手が肩に触れるまで、男は無様にも浅い湯の中で溺れていた。
覚醒と同時に湯に沈み込んでしまったので、現状を把握できぬままに両手足をめちゃくちゃに振り回していたのであるが――

「ハァー……ハァー……ハァー……――あ、お、おおう――」

そして――身体にひたりと手が触れ、途端に湯から顔を上げて、ぴゅう、と口から湯を吹きつつ――

「いや、すまねぇ、ちょいと居眠りこいてたらよ、湯ン中滑り込んじまった――」

そこで、ようやく仲居の方を見る――はぁはぁと荒い息を整えつつ、髪を掻き上げ――
すぐに、ほぅ、と喉から声が漏れた。
ほんのりと火照った肌に、とろけるような赤茶の瞳。
魅力的な曲線美に、何よりも手拭いでは到底隠しきれない乳房に、自然と視線が吸い込まれていく。

「……ムオッ……――といけねぇ」

そんな刺激的な光景にあてられたのか、長湯が祟ったのか。
意識はあるが、身体がついていかない。
ゴロンッ、と洗い場にあお向けに倒れ伏してしまう――
その戦傷に彩られた筋肉に覆われた身体の一切を、隠すことなく――