2017/07/14 のログ
ご案内:「魔族の国 古びた屋敷」にルインさんが現れました。
ご案内:「魔族の国 古びた屋敷」からルインさんが去りました。
ご案内:「魔法具店『ビルスキルニル』」にトールさんが現れました。
トール > 平民地区大通りから少し入り込んだ細い路地。
そこに構えられた小さな魔法具店。
少し傾いた看板には『ビルスキルニル』の屋号と『何でも承ります』の文字。
ドアの横、たったひとつだけ備える小さな窓から覗き見える店内には所狭しと並べられた商品棚の数々。
しかし、乱雑な印象を与えないのは手入れが行き届いているからだろう。
その奥、カウンターでは足を組んだ銀髪の少女が少しやさぐれたように身体を傾け本を読んでいた。

ご案内:「魔法具店『ビルスキルニル』」にピングさんが現れました。
ピング > 似た様な、と言ったら失礼になるのかもしれないが。
自身の店と売り出す品としては似通った物がある魔法具店。
近場を通りかかった際にそう言えばと思い出し、そのまま細い路地を通って店の前にやって来た。

「おおーい、トールちゃんやーい。
 分けたげたスライムちゃんの様子………を……?
 おぉ、なんだなんだ、景気の悪い顔してんのぅ。何ぞあったんかぇ?」

足を踏み入れ、開口一番ご用件を口にするも、カウンターにて読書をしている相手が何だかむっつりとしている様な。
尚、前回会った際に色々やらかしている己ではあるが、大して悪びれても居ないのは毎度の事。
故に、どうしたどうした、とばかりにカウンター越しにご機嫌を伺うのだった。

トール > ドアに吊り下げた鈴が軽やかな音を立て来客を告げる。
視線を向ければお馴染みの雑貨屋店主の顔。
あからさまにため息を吐きつつ視線を本のページへと戻す。

「君かね。今は君の相手をしているような気分ではないのだよ。」

足元には件のスライム。
片足サイズのひんやりとしたそれを素足でむにむにと踏んで涼を取っていた。

ピング > 相手の対応と、第一声が非常に冷たかった。
しかしてその程度、気にする様な性格でもなく。
カウンターの前に立つと、いやいやそう仰らず、と呑気な態度で会話を続けようと。

「随分とまぁブルーになっちまって。そんな連れない態度取ってくれるなよぅ。
 んでまぁ、それはそれとして。スライムちゃんが……おぉ、ちゃんと構ってくれてんだな」

何の本を読んでいるのかと無遠慮に覗き込んだその際に、足元でうにうにしてるスライムの姿も見て取れた。
良い扱いか、酷い扱いかの感覚は人によって違うのだろうが、己も似た様な事をしているし、何より美少女に足蹴にされているのだからご褒美だろう。

戯れに、ピングおじちゃんだぞー、と足元に向けて呼びかけてみた。
反応するかどうかは非常に微妙だけれども。

トール > 「何かご入り用かね?」

ツンとした態度にも構わず馴れ馴れしく話し掛ける雑貨屋へとじとりと上目遣いに半眼を向ける。
読んでいる本は薬にも毒にもならないような恋愛小説。
それを不機嫌そうな座った目で一ページずつぺらぺらと眺める。

件のスライムはかつての飼い主に無反応どころか、犬が懐くように少女の足へとすりすりと身体を寄せた。

ピング > 「いや、この子の様子見に来ただけなんだがのぅ。
 ……おぉう、すっかりそっちゃに懐いていやがる。ちゃあんと可愛がって貰ってんだなぁ」

元飼い主として株分けしたスライムから忘れられているのはちょっとばかり寂しいけれど。
それでもまぁ、良くしてもらってる様ならと満足げ。
うんうん、と頷いた後に、改めて相手の手元の本へと視線を向けると、ふむぅ?と口を開く。

「…時にトールさんや。そういう恋愛ものってなぁ、そんな仏頂面で読むものだったかね」

よっぽど外れな内容だったりするのだろうか。
興味、と言うか好奇心が大半だが。そんな視線を相手に向けていた。

トール > 「今や可愛い家族だよ。」

足を組み、肘を突いたままページをぺらり。
素足でスライムを撫で回し、足を組み替え逆の足で踏む。

「君は他人のきゃっきゃうふふ話を読んで楽しいかね?大体こんな上手く行ったら苦労はないと思わないかね?」

かつて恋に恋して恋愛小説を読み漁っていた少女はすっかりやさぐれた様子で大きくため息を吐く。
黒いドレスで強調された豊かな膨らみがこれみよがしに揺れた。

ピング > 「踏みつけながらその台詞を言う事を突っ込むべきかどうか…。
 まぁ家族ってんなら上等か。ちゃあんと良くしてくれとるかぇ?」

中々に夜のお供にも上等だろうと。
そんな下世話な会話を差し挟みつつ。
何というか、思春期かと言いたくなるような台詞を仰る相手に、目を瞬かせた。

「…んぁぁ?なんだなんだ、どうしたどうした。乙女なトールちゃんらしからぬ発言…!
 これはあれだな。何かあったな!おっしゃおっしゃ、此処は恋愛の達人たるオイラに、どーんと話してみよ!」

恋愛の達人であるとか、どの口が言うものか。
ポジティブさだけは確かにありそうなその態度で、相手の肩をパンパンと叩いて先を促す。
いそいそとカウンターの内側へとお邪魔するくらいには、厚かましい。