2016/11/11 のログ
シド > 盗人というにはあまりに世慣れしてない。浮浪者というには媚が足りない。
正体定まらぬものに巡らす思慮が顎先をゆるりと指で撫でていく。
やがて訥々とつぶやかれる言葉にぴたりと指の動きを止めて。
纏う外套の裳裾が震わせてしまう……合点がいったとばかり殺そうとしても押し殺せぬ笑みが沸いて。

「ああ、なるほど。そういうことか。家がないから寝床探し。
 こんな薄ら寒いところで夜を明かすつもりだったのか……うん。」

この見目なら体を売って一晩明かせるだろう。教会の保護の元で一宿一飯にありつけるだろう。
そういう知恵が無い不器用な身だと分かったからこその笑声。
そして伸ばした指先でゆるりとその綻ぶ頬を撫ぜていく。猫を可愛がるというより肌艶確かめるような欲込めるもの。

「ならば、私が一晩買ってやろうかい?朝飯もサービスしてあげよう」

シャルレ > 笑われた…

見えてしまった口元の笑み。
人間の街の暮らしがどうとか常識がどうとか…知るはずもない。
猫で入り込める隙間よりも
せっかくの手があるのだから暖かさを求めた場所を探してただけ

単純な思考が何かに頼るということもしたことがない
彼の申し出の意図もわからず

「一晩買う?」

頬に触れられて、サラリとした柔らかい頬のラインを指先に伝えながら
見上げる金色の丸い瞳。

シド > 撫でた指を離していく。本気と戯れ半々の仕草にも関わらずに得てして雌の本能でたじろぎもしない。

「そう。一晩買う……温かいベッドにありつける代わりにその体を差し出すという意味だ。
 とまぁ、言った私がいうのもなんだが、冗談で試しに言ったつもりだ。
 お前、もしかして最近生まれたばかりなのかい?あれだ、えーっと。ホムンクルス、だっけか?」

追憶手繰り寄せるように額に指を宛てがい、閃いたように指を立てて尋ねる。
見目相応より知識があまりに追いついてない姿は今さっき生まれたばかりのようで。
どうだ、と少々前屈みに顔を寄せて尋ねる。そうしながらもじっとその相貌除いて眉を寄せていく。
純粋な顔立ちに性欲沸かずに庇護欲が勝ってしまったから。

「ま、お前が何であろうと、一晩くらいはとめてもいい。会話をするにしても、ここは寒すぎる。」

シャルレ > 「ほムンクする? 」

聞いたことのない言葉を反芻しょうとして口が回らなく別の言葉になる
少し温まった指先で頬を温めて

「ホムンクルスじゃないと思う、誰もいってなかった
 私、…いいの?」

魔族の国以外で初めてマトモに人間と会話した。
猫が紛れ込むには慣れてるけど、招いてくれることは初めて
伺うように本当にいいのかと、気にしながらその言葉に誘われるなら受け入れる返事を返した。

冷えていく夜に壁と屋根と囲まれた場所で眠れるだけで有り難くて
伺いつつも嬉しそうに表情は緩んで微笑みを浮かべる。

シド > 「私もよく知らないが、大人のような姿で生まれたばかりのホムンクルスと呼ばれるものがいるらしい。
 ホムンクじゃあ、ない。
 そうであっても、違っても、お前が誰かに害するような
 輩じゃなければ構わないさ。」

少女の思慮はわからない。それでもはにかんだ笑みを
見るは心が洗われるようで。
我知らずコートの裳裾を開いてその矮小な身を包み込むように前にと寄せて抱きしめた。

「構わないさ。窮鳥招き入れるが領主たるものの証。
 ここからさほど遠くない。歩いていこうか。
 ところで君の名前は?」

此度は幼子慈しむようにゆっくりと頬を撫でて尋ねる。
長駆たる青年の外套の暖かな中で。

シャルレ > 「んふー……暖かい」

招かれる大きなコートの内側。人の暖かさを感じて
つい嬉しそうに笑う
今しがた怪しまれる行動をしてたとこなのに、親切にしてくれる人。
抱きしめられるのには、慣れてなかったから少しの緊張してしまうけど

名を聞かれて顔をあげると
頬を撫でられてはくすぐったく、クスクス笑いながら
以前つけられた名前を告げる

「シャルレ…」

シド > 「お前の体は冷たいな……よくもまぁ、こんな華奢な体でこの寒空の下過ごせたものだ。
 それにしても、女の子を拾ったというよりは、捨て猫を拾ったみたいだな。」

良くも悪くも朗らかで艶がないその顔と仕草に、小さな頭を撫でながら独り言。
共にゆっくりと歩みを進めていく。己の胸下にある小さな頭から名前が聞こえたのなら
指先で髪糸を好きながら低く囁く。

「シャルレか。私はシドニウス。シドと呼んでくれ。」

闇の帳更に下りて裏路地を包み込む中、2つの陰が消えていく。
向かう先は鬱蒼とした夜街からやがて仄かな明かりに包まれた青年の領土へと。

ご案内:「平民地区 」からシャルレさんが去りました。
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シャルレ > <私書箱エラーのため一時的にお借りします>
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