2015/12/28 のログ
ご案内:「ドラゴンフィート・商業地区・中央館」にリーゼロッテさんが現れました。
■リーゼロッテ > 戦争が終わり、祝日も過ぎて年越しとなった頃。
九頭竜山脈の麓に、傭兵達が築いた集落が完成した。
竜の足元、ドラゴンフィートと名付けられたそこには、山越えをする者の準備場所であり、越えてきた者たちにとっては一息つける丁度いい休み処。
活気づく市場の奥側、中央館と名付けられた建物の周辺には馬車が入れ替わりに走り、色んなところへ通じる足場としても機能する。
建物の中に入れば、組合員が大忙しに走り回り、来客に対応していく。
馬車の乗車受付と一緒に、傭兵や冒険者へ仕事の斡旋をしているのだ。
そんな中、一際高い声と可愛らしい衣装が目につく少女は仕事の斡旋を手伝っている。
「探検のお仕事ですね、ちょっと待っててください!」
新米の冒険者へ柔らかに微笑み、後ろにある棚へと向かう。
駆け出しの冒険者に出せる仕事といえば少ない、棚に積まれた書類をめくっていくと、丁度よさそうなものを見つければ、それを手に戻っていく。
「えっとですね……」
森の中で変な声がするから調べてきてほしいという、簡単な調査依頼。
仲介料を引いた金額やら、想定されるモンスターについてなどを子供っぽい口調ながらに頑張って説明していく。
時折舌をかんでしまい、冒険者に笑みが浮かぶと頬を赤くしながら早口で言葉を続けていたけれど。
「じゃあお願いしますね~!」
商談成立、若き冒険者を満面の笑みで見送り、両手を振った。
無事に帰ってこれますようにとお祈りも込めれば、仕事の波がいったん引いたらしく、周りに来客の姿はない。
少し疲れた吐息を零しつつ、ぽすんと椅子に腰を下ろすと、視線は出入り口のドアへ。
馬車についてでも、仕事についてでも、何かあればそこから人が来るから。
テーブルにぐたんと突っ伏しながらも、視線はそこを見つめていた。
■リーゼロッテ > 時間は日中、昼時も忙しさに過ぎた時間帯。
今の今まで空腹という言葉も忘れるぐらいの忙しさだった。
「疲れた~…こんなに人が来るなんて…」
集落を構えた場所はただ開けているだけではなく、街道に面して人通りがあるところでもある。
金を落としてくれるであろう客を見込めるのも重ねて、ここに開いたと組合の主は言うが、手伝いをお願いされた少女の予想をはるかに超えていた。
ほかの組合員の人たちは昼食を買いに出るという、少女もいこうかなと顔を上げるも…疲れのほうが強い。
それほどお腹が空きに空いたというわけでもないしと思えば、苦笑いを浮かべる。
「私、ちょっと休んでます。皆さんで行ってきてください」
そっかと苦笑いを零す組合員はぞろぞろとドアの向こうへと向かっていく。
何か軽く食べれそうなものを土産に買ってくるといわれれば、お礼の言葉とともに微笑み、手を振って見送った。
「……ぁ!」
一人しかいない今、来客がどっときたら死んでしまいそうだと今さらに気づいた。
はっとした後は、困ったような笑みがひきつっていきながらパタリと机に伏していく。
誰も来ませんように、疲れの中、悪い言葉が浮かべばそのまま苦笑いにゆがみながら瞳を閉ざす。
■リーゼロッテ > この後も忙しいのかな…と思いながら、体の力を抜いていく。
今は少しでも休もうと思っていると、いつの間にか眠りへ落ちてしまう。
買い出しから戻った組合員が起こすまで、微睡の世界に沈んでいった。
ご案内:「ドラゴンフィート・商業地区・中央館」からリーゼロッテさんが去りました。