2015/12/10 のログ
ご案内:「酒場兼娼婦宿・Collar less」にリーゼロッテさんが現れました。
リーゼロッテ > 今日も探索を終えて、クタクタになりながら戻ってきたところ。
ここにやってきたのは報告もあるのだけれど、当の命令主は今日も居ない。
店員の娘に聞けば、山の方のお仕事に行ったよと明るい声で返され、そうだよねと苦笑いをこぼす。
ともあれ、カウンター席の隅っこで突っ伏しながら料理番の女の子へ視線を向ける。

「……オムライス、食べたいです」

子供っぽい料理のオーダーのせいなのか どうなのかはわからないけれど、クスクスと笑う娘は頷き、料理を始めていく。
目を閉じて、今日の探索エリアを浮かべながら待つことに。
あそこと、ここはいったから…次はここと、そこで…。
なんて一人考えながら、突っ伏す少女。
騒がしいテーブル席がいくつもある中で、このぐったり具合は異様な光景かもしれない。

リーゼロッテ > テーブル席で騒ぐ男達は突っ伏す少女に気づいたようだ。
あれもここの女か? なんてミレーの娘に問いかけるも、違うと頭を振っている。
娼婦宿が一緒になった酒場で女がいれば、そんなふうに見られるのも無理は無いのだろう。
そんな会話が交わされているなんて気づくこと無く、少女はカウンターに沈んだまま今後のプランを整理していた。

「……わっ、すごい…!」

出来たよと呼びかける声に顔を上げれば、綺麗な黄色に包まれたオムライスの皿が目に映り、目を輝かせる。
トマトソースもかかったそれを少女の前へ差し出すと、一緒にスプーンを渡す。
早速と食事前のお祈りをしてからスプーンで黄色の山を崩す。
とろりとした半熟の卵と、少し大人っぽく仕上げたバターライスの風味が広がり、飢えた体には堪らなく食欲をそそる。

「……ん~…っ!」

一口掬い、口へと運ぶと声にならぬ歓喜が響く。
美味しい、とても美味しいけど後でお腹周りが不安になりそうである。
そんなことは今は忘れようと、夢中になってオムライスの山を崩していく。
がっつくという程はしたなくはないが、お行儀よく食べている割にペースは速い。

リーゼロッテ > 「ごちそうさまでした…凄くおいしかったですよ」

あっという間に完食し、スプーンを皿の上へ。
それを料理番の娘へと返し、紅茶も一つお願いする。

「これだけご飯おいしいんだから…料理だけでもやってけそうですけど…」

たまに料理目当ての客も来るが、大概は女目当ての方が多いと料理番の娘が語る。
やはりここはまだ淀んだ世界であり、欲望が濃く渦巻く場所なのだ。
食事を楽しむなら富豪が住まうエリアのレストランに行くだろうしと、世の中の流れを聞かされ、何となくしかわからないけれど、そっかと頷いている。

「アーヴァインさんは山ですよね、ヴィクくんは?」

弟だけ君付けの呼び方、その不意打ちに娘が吹き出すように笑いながら皿を落としそうになる。
きょとんとしながら少女は彼女を見つめるあたり、よく分かって無さそうだ。
その理由を問われれば、あぁと納得したように微笑み。

「だって、お兄さんって感じじゃないんです。だからヴィクくんです」

彼も嫌とはいいませんでしたしと、微笑みながら答えると料理番の娘は店主の言葉を思い出す。
ティルヒアから来た娘は、どこまでもお花畑娘だから面食らわないように気をつけろと。

リーゼロッテ > 「ヴィクくん酷いんですよ、私よりちょっと年上だからって…子供だ子供だって、そうやってからかうヴィクくんのほうが子供だ~って言い返したら…鼻で笑ってどっか行っちゃったりとか」

愚痴の内容に溢れる子供扱い。
むすーっとしながら紅茶を受け取ると、一息つくように喉を潤す。
程よい甘みと心地よい香りに頬を緩ませる素直さに、料理番の娘も「だから子供っていわれるんじゃないのかな」と思ったんだか何だとか。
ふと、酔っぱらいの一人が厠から出てくると、雑談に花咲かせる二人を見やり、リーゼロッテの方へと近づいてきた。

「……ゃ、わ、私違いますからっ!?」

お嬢ちゃんもここの女だろう?なんていいながら肩に触れられれば、びくっとして逃げるように体を引いてしまう。
訝しげな視線を向けられれば、少しだけ怖くなり体を震わせる。
料理番の娘がこの娘はマスターに用事があってきたのと説明すれば、そうかとすごすごとテーブル席に戻っていく。

「び、びっくりしました…」

安全な酒場とはいえ、酔っぱらいのこんな行動までは守ることは出来ないようだ。

リーゼロッテ > あのオジサンも悪い人じゃないんだけどね なんて苦笑いをする料理番の娘。
そうなのかなと、再度彼を見やれば他のミレーの娘と楽しげに騒ぎながら、宴を楽しんでいる。
気分を害さなかったかなと心配もあった分、ほっと安堵の息をこぼす。

「……?」

そんな中、ふと外の喧騒が気になった。
このクリーンな環境を保つ為に、貧民地区にしては珍しい警備員が門番のごとく外に立っている。
どうもそこから声がするのだ、なんだろうと娘と目を合わせるも…何か危ない人がいたら怖いと思いつつも、席を立つ。

「見てきますね、ほら…凄くおっかない人だったら大変ですし」

出来れば乱暴はしたくないけれど、万が一に備えて様子は見えておこうということだ。
こそこそっと出入り口付近の窓へ向かうと、そこから外の様子を見やった。