2015/12/08 のログ
ご案内:「金糸雀の巣」にアンジュさんが現れました。
アンジュ > ポケットの中に手を入れて、鍵に指先を触れさせながら空を見上げる。
そろそろ、夜の帳の降りる刻。
橙から紺のグラデーションは、何度見ても不思議なものだ。

「……パレットで混ぜても、こげなふうにはならんよなあ…」

ほう、と吐いた感心の息は、まだ白くは染まらなかった。
それでも、あまり厚着とは言えない娘には十分肌寒いもので。
身を縮めながら、肩に掛けたショールを空いた片手が握り締める。
空が完全に夜色に変わってしまう前にと、鍵を抜き出し、扉の鍵穴へと挿し込んで。

アンジュ > 回す。開いたことを示す金属音。
抜いた鍵もそこそこに、開いた扉の隙間から身を滑り込ませ、後ろ手に扉を閉め。
薄暗くはあるものの、外と比べれば幾分暖かな空気に、先程とはまた違った息を吐き出した。
鍵を入ってすぐの壁にあるフックに掛けながら、ブーツを些か乱雑に脱ぎ捨て、隅のほうに避けてから、柔らかな絨毯を踏む。
タイツが邪魔だ。思うや否や、ブーツと同じよう、すぐに脱ぎ捨ててしまおう。
そうしてようやっと、部屋の中心にある大きめのクッションのうちのひとつに雪崩れ込む。ぼすん。

アンジュ > 扉の鍵は開いている。
入ろうと思えば、入る意思があるならば、扉は歓迎する。
開ける勇気がなければ、ノックでもしてくれたなら、主である娘はきっと反応するだろう。

「―――今日は誰か、遊びに来てくれるかなあ…?」

ぽつり。クッションに埋もれながら呟いた言葉は、娘と同じよう、クッションに埋もれてゆく。
…ああ。もしかしたら来てくれるかもしれん誰かさんの為に、暖炉に火、くべてやりたかとに。
どうにも、睡魔さんが先に遊びに来てしまったみたい。
うと、うと。瞼が落ちる。

アンジュ > そのまま、朝まで。おやすみなさい。
ご案内:「金糸雀の巣」からアンジュさんが去りました。