2015/10/17 のログ
ご案内:「タバコ畑」にフェリルさんが現れました。
フェリル > ……夜も時々、巡回があるだなんて。厳重ね……そうでなければ、護衛のお一人も雇って来てもらったのに(呟く声は、やや高めの女性のものだった。暗闇の中に沈み込む、やや湿気高い林は大きな葉を幾重にも茂らせて声の主を隠している。――いや、元より女性は、自然の中に出て安心すると極端に存在感が薄くなってしまう性質の持ち主であった。それを知っているからこそ、夜間巡回の情報から単独行動の道を選び取ったのだ) ……さて…… (保湿のためか絹を被った林の中心に位置する一際大きな木の前までやってくると、女性はスカートの端を摘まんで緩やかな仕草で辞儀をひとつ。一呼吸おいてから姿勢を元へ戻すと、葉擦れのような音で語り掛ける)

==ごきげんよう。私の声に、応えていただけますか……?

(植物界の精霊言語は訓練を積んでいない一般の人間の耳には森の中の風の音や鳥の声に似て聞こえる。音だけならばほとんど見つかる心配はないが、呼びかけに集中しているため、「存在感」は、やや濃くなる。それも仕方ない――今回の目的は、ひとつにはこの近辺でタバコが自生している場所がないか、情報をもらうため。そして、可能であれば、目的はもうひとつ)

==それとも、人に飼われる御身では、もう私の言葉は届かないのでしょうか……聞こえておいでなら、どうぞお応えください

フェリル > (林の外から、下草を踏む何かの足音が聞こえた。ぴく。と肩が動いて、爪先の向きはさして変えないまま腰から上だけを捻ってそちらへと視線を向ける。――向けたところで、この暗がりで何かが見えるものでもないが。遠い遠い親戚のような、普段は特に心を通わせることのない同胞たちへ想いを遣ってみれば、音の主の足の本数くらいは判別できるだろう。……巡回であれば、2本。そこいらの獣であれば、4本。……それらも、特にこちらへ関心がないなら、そのまま林の外を素通りしていくはず。一旦、問いかけを止めて声を潜めた)…………
フェリル > ?(辿った先の気配は、よく解らなかった。足がたくさんあるような。全然ないような。首を傾げていると、しわがれた老人のような掠れ切った声が響いてくる。驚いたと胸を押さえて身体の向きを元に戻すと、ようやく返答のあったタバコ葉の精霊に再度のあいさつをした後、用件について語り出す。話しかけられたのが随分と久しぶりであるらしく、ひんぱんに問いかけられて話が大脱線するのだが、ひとまずは農場の者が起きてくる前までには必要な情報を得て畑を後にできたようで――)
ご案内:「タバコ畑」からフェリルさんが去りました。