2023/04/30 のログ
ご案内:「平民地区 市場広場」にラグナレビアさんが現れました。
■ラグナレビア > (一廻りに渡って続く祝祭の日に入り、常以上の活況を見せる王都市場広場。昨夜から降り続く雨などお構いなしに人々は行き交い、露店商は威勢の良い客引きの声を響かせる。そんな市場の片隅にひっそりと口を開いた狭路地の、影に沈んだ一郭より――――ヌ"ルリ。前触れ無く溢れ出すのは雪の精を思わせる白銀の長髪と純白の柔肌が目を引く長身の美少女。淑やかで蠱惑的なその身を覆うのは精緻なレースを随所に散りばめ、胴部を薄鋼で鎧った扇状的な衣装。元は由緒正しい王立学院の制服だったそれは、今や深々と切れ込みを入れるスリットもいやらしいプリーツスカートにその片鱗を残すのみ。)
「ふふ……♡ 此日もヒト種は活気に溢れていますわね。憂い事、憂い事♡」
(ゆったりとした歩調で路地裏から表通りに歩み出し、頭上に差した瀟洒な傘をくるりと回して漏らす機嫌良さげな独り言。血色良く艶のある唇を綻ばせ、長い睫毛に彩られた切れ長の紅眼も柔らかく細めて市場の景色を眺める様は、人離れした美貌の近寄り難さを幾らかは軽減する事だろう。惜しげもなく豊満な乳肉を晒す突飛な衣装に呆気に取られるばかりであった通行人も、しゃなりとした柔らかな物腰に若干気を緩めたか。おもむろに水たまりを蹴立てて駆け出した一人の少年が、人混みを縫うようにして白銀の令嬢との距離を詰める。薄汚れた着衣。ギラつく双眸と吊り上げた口端が形作る悪相。見るものが見れば一目で分かるスリの常習犯の接近に、黒傘の乙女はまるで気付かぬ様子でのんびりと―――)
■ラグナレビア > (――――斬った。)
『ヒギァァアァァアアアッ!!? う、腕ぇぇえ、オ、オレの腕ェェエエッ!!』
(肘先よりばっさり断たれた腕から夥しい鮮血を撒き散らし、雨濡れた石畳の上で悪童が転げ回る。黒傘の令嬢と少年の交錯は一瞬の事。奇矯な衣装の令嬢に薄汚れた少年がぶつかろうとしたその時、軽やかにステップを踏んだ細身が旋転し、対する悪童はいきなり絶叫を轟かせて血溜まりに沈んでいたのだ。ふんわりと優雅に浮いたプリーツスカートが楚々たる仕草で抑えられるまでの間に、純白の双臀とそこに食い込む黒色のTバックを見る事が出来たのは幾人いたか。)
「ふふふふ♡ いけませんわ。わたくしの身体は斯様に薄汚れた手が触れて良い物ではありませんの。良い勉強になりましたわね?」
(諾々と流れる紅を必死で押し留めようと傷口を押さえ、しかして急速に双眸から命の灯火を失いつつあるスラムの少年。その傍らに立って軽く腰を曲げ、サラリと零れる白銀を耳に掛けつつ下す言葉。鈴の音にも似た音を奏でる唇は、先程までとまるで変わらぬ柔らかな笑みに彩られたままだった。一刻も早く処置せねば、年若い貧民は程なく命を落とすだろう。少年が悲鳴を上げる気力すら失えば、シンと静まり返った市場には雨音ばかりが降り注ぐ。)
ご案内:「平民地区 市場広場」にナータさんが現れました。
■ナータ > 日雇いで働く少女に然程休日の概念はない。
言ってしまえば不定休であり、天候にも左右されるのが当たり前。
つまりは世間が祝祭で、雨が降っていようが―――仕事があれば働くのだ。
生きるために。
「ええと、次は用品店の―――」
少女の仕事は手紙や小さな荷物の配達人。
この市場にもだいぶ慣れた。
雨ざらしのまま、荷物の入った鞄だけ濡れぬように小走りで市場を巡った先、少女の足が止まった。
「あの人……貴族、様?でも、あれじゃ……」
恐らくは平民用の市場に似合わない様相の相手。
自分より―――身長や体格は兎も角―――少し年上に見える。
その扇情的な衣服や肉月は―――「まあ、この街だから」と。
そんなことより、相手を狙う姿が見えた。
小狡賢そうな少年。
見るものが見ればわかる、スリが隙を狙う動き。
少女自身は狙われることはないものの、こうして何度も行き交いしていれば気づくことはできる。
止めないと。
そう思った少女が足を踏み出そうとして―――
悲鳴が響き渡った。
「え、あ……ぁ……」
黒傘を差す相手―――貴族らしき令嬢。
少年とすれ違おうとしてそれは起きた。
少年の腕が切り飛ばされ、悲鳴が上がる。
何が起きたのか理解できず、雨の降る中、少女は茫然と光景を見ていた。
■ラグナレビア > 「―――――あら?」
(じぃ…と死にゆく少年を観察していた黒衣の令嬢が、ふと美貌を持ち上げ紅眼を向ける。その先に佇むのは赤髪の小躯。胸にも尻にも膨らみが乏しく、それ故に嗜虐を煽る身体つき。思わずにっこりと桜色の唇が孤を描く。 ―――そんなやり取りの合間に、失われつつあった命はあっさり潰えた。雨の中、おっとり刀で駆けつけた衛視が程なくその遺骸を片付ける事になるのだろう。犯人探しは下手人が貴種らしいと分かった時点で呆気なく中止される事となる。己が斬り奪った命など無かったかの如く、不思議と濡れた様子の無いローファーが黒ストッキングの長脚で向かう先は、蛇に睨まれた鼠の様に怯え竦む少女の至近。)
「ご機嫌よう♪ お名前、聞かせてくださるかしら?」
(目の前で未来ある少年の命が失われたのだ。ご機嫌など良いはずもなかろうが、長身の令嬢は大層にこやか。細めた紅眼が178cmの高みより下ろす視線には観察の色合いこそ強くとも、先程の少年に向ける物に比べれば余程に温かみが感じられる物だろう。とはいえ、眼が合う前からすっかり萎縮してしまっている少女からすれば、失禁物の恐ろしい眼差しにも思えるだろうが。)
■ナータ > 「ひっ―――!」
目の前で、命の灯が潰えようとしている。
確かに少年は犯罪者であるが、命を落とす程の罪だろうか。
今治療を行えば助かるだろう……誰もが何かしようと動こうとして
動けなかった。
それは少女も同じく。
紅の瞳を向けられれば、睨まれた蛙の如く。
捕食者のそれ―――少女の本能は、逃げることさえできなかった。
結局のことろ物言わぬ骸となった少年の元に向かう衛兵と入れ替わるように歩を進め始めた貴族らしき少女。
視線は外されていない。
つまり向かう先は自分。
少女は、その本能は死を意識した。
「逃げなさい」「逃げろ」「逃げて」
少女の脳内で声が響く。
けれど足は竦み震え、間近に、だいぶ背の高い相手が近づき―――
「ナータ……です……」
相手を見上げるようにした少女の瞳は虚ろだった。
何の力もないただの人間である少女。
その視線、その一言だけで「飲み込まれ」ていた。
失禁も、失神もしなかった少女。
できなかった少女。
果たしてそれが幸か不幸か―――
■ラグナレビア > (にぃぃ…。綻んだ桜唇が口端を更に吊り上げる。それは夜空をぱっくりと切り取る黒闇の三日月めいて不吉に感じられようが、完璧に整った美貌はそんな笑みさえヒトを魅了して止まぬ微笑みとして認識させる。)
「ナータ。良い子ね。素直な子は好きでしてよ♡ わたくしの名はラグナレビア。覚えておいて下さいね。よろしく、ナータ♡」
(そうする事が当たり前の様に自然な所作で、黒手袋の細腕が少女の腰に回される。そのままさしたる力を込めた様子も無いというのに抱き寄せられて、雨に濡れた小躯が黒傘の庇護下、濡れた所の無い黒衣の肢体に密着する。触れ合う肌はほのかに暖かく、ふわりと香るのは花畑にも似た芳香。)
「どこが良いかしら……。ねえ、ナータ。貴女どこか良い場所をご存知?」
(具体的にこれから何をするつもりなのかは口にせぬまま、以前からの知人に向けたかの風情で問いかける。小動物の本能がぞわぞわと毛羽立たせているだろう背筋の戦慄が伝えるのは、このままこの女に身を任せればとんでもない目に合わされるだろうという確信。にも関わらず、震える背筋がそのまま溶け出してしまいそうな官能も覚えてしまうのは、ラグナレビアに合う以前から少女が持ち合わせていた歪んだ気質によるものなのか。)
■ナータ > 「ぁ、あああ、ぁ、ぁ……ラグナ、レビア、様……」
名を告げた少女。
返されるのは夜空に浮かぶ三日月のような
それはそれは美しく邪にも見える笑顔。
けれど既に飲み込まれた少女にはまるで聖母のようにも感じられた。
脳は相変わらず警鐘を発しているのに、動けない。
告げられた名を繰り返す声は震えていたが、それは果たして恐怖か感嘆か。
だいぶ体格差のある両者。
その腕を腰に回される。
傘を持たぬ少女が密着すればその濡れた衣服も触れ合うというのに。
意に介さぬようなその肢体から立ち上る甘い香りに、スンと鼻が鳴った。
「ごめ、なさい……わかり、ません……知り、ません……」
怯え切った、申し訳なさそうな、首を差し出す臣下のように震えた声で。
少女の世界は酷く狭い。
貧しく、遊ぶこともなく、ただ毎日の食事と宿のために働く毎日。
そんな少女が令嬢を連れていける場所など思いつくはずもなく。
ただただ腕の中で震えるか弱き小動物のように、叱責を待ち構える幼子のように。
抱き竦められた腰や膝が震えるのは恐怖の為だけだろうか。
少女の本能は別の予感を、声を放ちだす。
「もっと、飲み込まれたい―――」と。
■ラグナレビア > (くすっと忍び笑いが漏れたのは、何を言うでもなく少女が様付けをしてきたから。生まれついての肉奴隷気質にとろりと発情蜜が溢れ出す。)
「―――そう…。予想はついていたけれど、貴女、使えない子ね。 ―――ふふっ、けれども構わなくてよ。貴女、とっても可愛らしいもの。そういう用途であれば、いくらでも使いようもあるわ♡ 安心なさい、ナータ、ちゅっ♡」
(途切れ途切れの返答は、黒衣の令嬢から失望の溜息を引き出した。しかし、不満げに寄せられた眉根は次の瞬間ぱっと明るく持ち上がり、傘から離した黒手袋の繊指がついっと少女の顎を持ち上げて、銀髪に頬を擽られながらのバードキスで唇を啄んだ。)
「雨の中、というのは嫌ね。風邪を引いてしまったら大変ですもの。雨水に流れる鮮血はもう十分愉しませて頂きましたし……。屋内。そうね、屋内が良いわ。薄汚れた廃屋というのも良いかも。ナータにはそうした景色が良く似合いそうだもの。けれど、石組のダンジョンと鉄錆た檻というのも捨てがたいし……ねえ、ナータ、貴女の事よ? これから貴女の四肢を切り落として、その後たっぷり愛し合う場所の事を話しているのよ? 望みの場所があるのなら仰って。 ―――あぁ、そう。そうでしたわ。斬っておしまいという訳ではないのですもの。ベッドは必要よね!」
(手慰みめいてふにふにと少女の薄尻を揉みながら、美顔を傾け零す呟き。どう考えたとて碌なことにはならないだろう場所選定の最中、不意打ちめいて小動物へと向けられた言葉は、具体的に少女の達磨化を確定してのける。そんな無力な少女がただただ流されるままなのならば、二人が"愛し合う"場はどことも知れぬ廃城の、そこだけは今も使用され、定期的に掃除の手が入っていると思われるベッドルームとなるだろう。既にラグナの思考はそちら側に飛んでおり、スリの少年を斬り殺し、直後には赤髪の美少女と乳繰り合う美女に困惑する観衆の視線など気にしていない。)
■ナータ > 「ごめっ……なさっ……」
使えない。
そう告げられ、また謝罪の言葉を向ける。
貴族令嬢―――少女はそう思っている相手―――が平民、寧ろ貧民同然の自分への感想など
そのようなものだろうから。
とはいえその前の笑みの意味は理解できぬままに。
「―――――っ!ふっ、ぁ……」
そして唐突の。
何の前触れも脈絡もない口付。
顎先を持たれ上向かされながら与えられた感触に目を丸くし
次の瞬間腰が、膝が砕けそうになる。
「はっ……ぅ、あ……お任せ、しま、す……どこ、でも……愛し、愛して……私……」
そして唇離されて向けられた宣告。
少女は夢見心地、上の空。
ひどく恐ろしい宣告を受けたというのに、その内容が頭に入ってこない。
文字通り魅入られた少女。
今何かを命じられれば躊躇いなく実行するだろう程に。
死ぬまで息を止めろと言われれば恍惚の表情のまま窒息死するだろう程に。
硬さの残る小さな尻の感触。
その肉付きや体格。
まるで童女に近いような、栄養と成長不足のその肢体を委ね
夢見心地のまま少女はすべてを任せる。
たとえどんな場所であっても「幸せ」が待っているかの予感に。
周囲の目は、我関せず。
関りを避けたいと令嬢と少女を見ないふりをするばかりだったが。
■ラグナレビア > 「ふふふ♡ 本当にちょろい子♡ そんな貴女も好きよ♡」
(今一度寄せた美貌が、此度は少女の唇をぺろりと舐めて―――とぷん。いきなり、足元の水たまりが底しれぬ海と化したかの如く二人の身体が地面に沈む。一瞬の浮遊感に瞬かせた双眸は、直後、景色の変貌に気付くだろう。昼を過ぎたばかりの日の明るさと、それを曇らせる静かな雨音は変わらぬまま。活気と人混みにあふれていた市場広場は消え失せて、大きく崩した壁の一郭が外に広がる森の景色を眼下に臨む古城の一室へと姿を変えていた。床に敷かれたカーペットや、天蓋付きの巨大なベッドは廃墟に捨て置かれた物とは到底思えぬ新品同然の清潔感を保ち、傍らのテーブル上、金杯に盛られた果物などは見るからに瑞々しい。そんな騙し絵めいて非現実的な光景の中)
「服を脱いでベッドにお上がりなさい、ナータ。血で汚しはしないから、安心して。 ―――――ふふふふふ…♡ でも、痛みは……凄くってよ♡♡」
(紅色のヴェルベットも艶やかな寝台前、手際良く鎧の金具を外し、衣擦れの音も淫靡に着衣を脱ぎ落としていく銀髪の長駆。ブラ紐に支えられていた双乳が開放された際にはだぷんっと重たげに揺れ撓む白乳が、楚々としたシェルピンクの色付きと共にぷくっと尖った乳首を晒す。しゅるしゅると長脚を引き下ろされる黒ショーツには糸引くほどの蜜液が見て取れよう。)
■ナータ > 「くっ……んっ……ぅっ……」
唇を軽く舐められただけ。
だというのに、脳髄まで痺れるような甘いそれが流れ込んだ。
戸惑うような、強請るような眼差しは、瞬時に変わり行く景色を
はっきりと認識できなかった。
落下するような、浮遊するような感覚。
地面の中に沈み込んだなど露とも思わぬまま、少女と令嬢は市場から姿を消した。
「え、あ……こ、こ……?」
次の景色は、あちこちの壁が崩れ外の雨降る厚い雲さえ覗ける場所。
幸いにして天井は崩れておらず、雨が入り込むことはなかったが。
そんな様子と、新品同然の丁度の数々。
その対比が通常でないことを知らせる。
尤も、貴族など一生目にかかるはずもない立場の少女にとって
見るもの全てが認識外の存在だったが。
「あ、ああ、ラグナレビア、様……私、私……」
脱衣してベッドに上がるよう向けられた言葉。
そこで初めて、少女は脳にこびりついた言葉と光景を思い出す。
「四肢を、切り落とす」……浮かぶのは先ほど息絶えた少年。
怖い、怖い、怖い。
自分もあのように斬られて死ぬ。
だというのに、震えながらも体は動く。
少々薄汚れた衣服に、自分の手が伸びてしまう。
ワンピースが落ち、何度も洗濯しくたびれた下着が晒される。
目に涙を浮かべながら、けれどその手は止まらない。
少し離れた場所で脱衣する令嬢。
少女とかけ離れたその豊かな肢体。
撓んだ双丘を、桃色の先端を。
普通ならば顔を埋め、吸い付きたいと同性でも引き寄せる場所。
けれど少女は今魅入られるどころではなかった。
斬られ、殺される獲物。
自分をそう感じていたから。
やがて全裸になり、やはり年齢相応ではない貧弱な裸体のまま
ベッドに乗り、立ったまま、歯をがちがち鳴らして怯えた様子を見せたままにして。
■ラグナレビア > (新陳代謝の行われていない人形めいて穢れとは無縁の身体。そんな印象を醸すラグナレビアとは対象的な、ヒトの世の穢れに塗れた少女の脱衣。清潔さこそ保とうとも、繰り返された洗浄に擦り切れそうになっている下着の生々しさは、美貌の麗人をしてその裏布に鼻先を密着させ恥臭を胸いっぱいに嗅いでみたいなんて欲望を膨らませた。震える細身。涙浮く双眸。どれもぞくぞくするほど嗜虐を煽る。思わず見せた舌なめずりは、正しく獲物を前にした蛇のそれ。)
「ふふ♡ ふふふふふふ……っ♡ 良いわ、ナータ♡ よろしくてよ♡ 貴女の恐怖♡ 貴女の絶望♡ そして裏返った被虐の喜悦……ッ♡♡ あぁ……ッ、あっ♡ あぁぁああ………ッッ♡♡」
(――――ギォン…ッ! 重金属を勢いよく擦り合わせた様な異音が空間を揺らした。次いで、ぼと、ぼと、と落ちるのは、かつて少女の四肢であったモノ。断末の痙攣に指先を痙攣させる細腕の薄く日に焼けた肌色が妙に生々しく思えよう。そして、四肢の支えを失って豪奢な寝台にドサリと落ちた芋虫の身体に、激痛が襲いかかった。切られた四肢の断面、骨も神経も剥き出しのそこに赤熱した焼きごてが押し付けられているかの痛みは、少女の意思の介在しない不随意の動きで僅かばかりに残された肩先、腿先のパーツを暴れさせ、健常な胴と頭部をのたうち回らせる事だろう。痛みの余り尿道口からは小水が、場合によっては後孔からも汚れの泥濘を漏出させる事もあるかも知れない。そんな強烈な痛みに関わらず、切られた腕も、残された身体も、どちらも鮮血を散らしはしない。その断面は数年も前に欠損が行われたかの様にいびつに歪んだ肌色を見せつけるのみ。少女自身がそれに気付くのはまだしばらく先となるだろうが。)
■ナータ > 「あ、ぁ、あっ、あ、あ……」
視線を受ける。
互いに衣服は着けていない。
それは残酷なまでの対比。
少女は令嬢が人外であると気づいてはいなかったが
持つ者と持たざる者が向かい合っていた。
「ごめ、なさっ、ごめん、なさ、いっ、あ、あ、死にたく……ないですっ、死ぬのやだよぉ……怖いよ。怖いよ――――」
死への恐怖に直面する少女。
そんな様子を楽しげに嗤う令嬢。
涙が込み上げる。
ぶんぶんと首を横に振る。
少女はその瞬間まで、自分は切り刻まれて死ぬのだと認識していた。
そしてそれは半分実行され―――
「え?あ、あ……ああ、ひっ、ひぎっ、ひああああああああ!いぎいいい、い、あ、あ、あ、あがぁっ!」
瞬きすらできなかった少女。
その瞬間も認識できていなかった。
視線が、視界が変わる。
先ほどのように落下して、今度はすぐ止まる。
少女は仰向けに、文字通り「転がって」いた。
僅かに残された肩先と腿先。
その断面はまるで生まれつきそうだったかのように皮膚に覆われていた。
けれど、与えられる苦痛は、千切れた神経は処置されていない。
少女は獣のように吠えながら。
恐らくこのままなら限度を超える苦痛に発狂するだろう予感を与えながら
身じろぎしかできなくなった四肢のない肢体でもがく。
仰向けのそれは剝き出しの、無毛の股間を令嬢に晒す形となっていた。
幸か不幸か、失禁も失便もしていなかった。
少女はただただ涙を流し叫び、のたうち回る―――ほとんど動けないが―――ばかりだった。
■ラグナレビア > (この期に及んでようやく生物としてまともな反応を思い出したのか、赤髪の少女は恥ずかしげもなく泣きじゃくる。しかし、それを目にして手心を加える様なまともな人間であれば、先の市場の惨劇は起こさない。むしろ、その弱々しい有様にぞぞぞぞっと震えた背筋が太古の悪魔を脳イキさせて――――射精代わりに乙女を斬った。)
「はあっ♡ はあっ♡ はあっ♡ はあっ♡」
(嗜虐の色ででろりと濁った紅瞳が、魔眼を発動させているかに小躯を凝視する。血潮の迸りこそ防いだ物の、与える痛みには何ら小細工を弄してはいない。人間が生きたまま四肢をぶった斬られた痛みが100%の純度で子供めいて発育の乏しい裸体を蹂躙しているのだ。嗜虐性癖を拗らせた変態悪魔に興奮するなという方が無理な話だ。そのまま死ぬか、辛うじて生き残るか。ラグナレビアの見立てでは五分五分といった所。死んだら死んだで体温がすっかり消えるまでは死姦を楽しみ、その魂が崩れ消える前に復活させて、今度は生きた身体で愉しもう。数千年に渡って生き続ける悪魔ならではの思考を回しつつ、白皙の裸身は一心不乱に己が身を慰める。粗相の一つも晒さなかったのは、偶然彼女が市場を訪れる直前にでも用を足していたからなのだろう。そんな所でなけなしの幸運を使い果たした結果がこれだ。)
「ふ――…ッ♡ ふ――…ッ♡」
(死と隣り合わせの激痛と、歪みに歪んだ被虐の魔悦。その濁流に飲み込まれながらも辛うじて生を拾った少女が、強烈なエクスタシーから降りて来たかの様に意識を取り戻した時、彼女の死を間近に視姦していた長駆の令嬢は酷く浅ましい有様となっていた。無毛の秘裂に顔を寄せるかの様に長駆の背筋を折り曲げて、ぐちゅぐちゅとせわしなく股間で蠢かせる繊指は痛々しく尖りきったクリトリスを弄り回すのみならず、逆手では3本纏めた指先が泡立つ程に膣孔を掻き回す。ビクンッと曲げた背筋が跳ねて、がくがくと生まれたての子鹿めいて痙攣する白脚の合間で小水じみて多量の潮を噴き散らす。少女がべっとりとこびりつき何時までも消え残ったままの痛みの中で正常な思考を取り戻すのと、背徳的で変態的な自慰行為に浸る凌辱者が落ち着きを取り戻すのと、果たしてどちらが先になるのか。)
■ナータ > (少女がこの運命から逃れられるためにはどうすればよかったのか。
雨が降っているから仕事を休めば。配達の順番を変えていれば。あのスリの少年に気づかず歩を進めていれば―――その全てが哀れな仮定。
恐らくどうあっても、少女は令嬢と遭遇していたろう。
それが、運命だから)
「いぎいいいっ!いだいっ、いだぁあぃっ、いだいいいっっ!」
苦痛と、死へ直面した少女の、哀れで無力な人間の叫び。
切り落とされた四肢は神経の痙攣も収まり最早肉塊と化していた。
その中心にもまた肉塊―――こちらは生きてはいるものの。
このまま苦痛に耐えきれずショック死したとして、令嬢は眉一つ動かさぬだろう。
その後の遊び方を知っているから。
けれど当の少女本人は。
失血死こそないものの、死んだほうがましと言える四肢同時切断の苦痛の中、死ねなかった。
生き続けてしまっていた。
いっそ一度死んだほうが苦痛から逃れられたというほどなのに。
「痛いの、いだいの、イヤァァァァ、たひゅけ、て……くりゃ、ひゃい……いだいの、いだいの、だすげでぇっ!」
そんな少女と裏腹―――むしろ少女がそんな様だからこそ
令嬢は興奮している様子だった。
苦痛に叫び悶える少女を肴に、自慰に耽っていたのだから。
もう身を隠すことも、立つことも叶わない芋虫のような少女。
その裸体を見つめられながら、浅ましいほど卑猥な自慰行為に晒されて。
叫ぶばかりだった少女が漸く人らしい言葉を発した。
脳が苦痛をマヒさせようと脳内麻薬を垂れ流して。
涙、鼻水、唾液。
顔中をぐしゃぐしゃにした哀れな姿で
苦痛から逃れたいと哀願する。
果たして興奮状態の令嬢が聞き届けるかは定かでないが。
■ラグナレビア > (私はまだ生きています。それを死に物狂いで訴えるかの全身運動は、下手な舞踏よりも余程に見応えがあった。痛みの余り臓腑までもが痙攣し、腹中でのたうっているのだろう有様が、薄い腹肉越しに伺い知れた。)
「あはっ♡ 違うでしょう、ナータ♡ 痛くしてくださって、ありがとうございますというべき場面だわ♡ あぁ…っ♡ あぁぁ……っ♡♡ もっと……もっと痛くしてあげたい……っ♡♡ でも………そうしてしまうと確実に死んでしまうわ……♡ 魂まで消えてしまうかも……♡♡」
(『この後愉しめなくなってしまうけれど、もうヤッてしまおうか……♡』そんな刹那的な衝動が淀んだ紅瞳の奥でもぞりと蠢く。出会ったばかりで執着心などほとんど抱いていない相手である。普段のラグナであれば早々に手を下し、最高の自慰絶頂と共に事後の後悔を味わっていただろう。それが回避されたのは、少女自身の可愛らしく被虐的な在り方のおかげ。ここで壊すのは勿体ない玩具としての評価の高さゆえ。ぐちゃぐちゃと己が秘所を掻き回しながらの生殺与奪の選択が行われる間、痛みに泣き悶える少女はおかずとして放置されたまま。先程観察した限り、これだけ歪んだ少女であれば手を下さずとも勝手に痛みを快楽に変換しよう物なのだけど……。)
「―――――ンっ♡ ふんんぅぅうぅ……ッッ!♡♡♡」
(どろっどろの嗜虐興奮に満ちた脳内、その角の方で意外に冷静な状況判断を下す内、おそらくは5度目となる絶頂に再びラグナの背が跳ねた。ぶしゃっ、ぶしぁああっと恥ずかしげもなく潮を散らして、毛足の長い見るからに高級そうな絨毯を台無しにしてから)
「ふぅぅ………♡ 良い、見世物でしたわ♡」
(ねっとりと白濁した糸を引きつつ麗人は恥部から双手を引き離し、絶頂の余韻に柔肌を震わせる白銀の裸身が、きし、きし、と妙にいやらしい四足の所作で、随分コンパクトになってしまった少女の裸体に覆い被さる。濃厚な血臭に満たされていてもおかしくない寝台上で香るのは、発情に汗濡れたラグナレビアの甘香と、その恥部が垂れ流す雌蜜の淫臭。)
■ナータ > (人間とは弱く脆く。しかしながらその肉体は、意識の外にあったとして生きようとする。手足のない少女の内臓までが、細胞までが生に縋りつくかの様子。強者である人外にとっては滑稽にも哀れにも、物悲しくも映ったかもしれないが)
「ひぐっ、ひぐううっ、ごめ、なさっ、ごめんなざぁぁいっ……ゆるじて、ぐだざいっ……いだいのイヤぁっ、死んじゃうの、イヤァっ……!」
あくまでも嗜虐的な物言いを、興奮冷めやらぬ中向ける令嬢に
少女は必死に哀願する。
少女の魂を覗き込んだ先にある「それ」は、切欠がなければ露発することもないだろう。
死を感じさせる恐怖、死んだほうがましかと思う苦痛。
そんな中にありながら、少女はまだ「人間」で居続けていた。
「あ、ああああ、あ、ああああ……」
最早森の中の小動物以下の、弱者になり果てた少女。
それを見下ろしながらの立て続けの自慰。
「たす、け、て……くだ、さい……」
ひとしきり愉しんだ様子の令嬢は
そのままの勢いで手足のない胴体に覆いかぶさる。
むわりと濃密な甘い香りも、今の少女は堪能する余裕すらない。
泣き叫び、やや嗄れて掠れた声で哀願し続ける。
それはあくまで嗜虐の対象か、それとも庇護欲をそそるか。
いずれにせよ、今の少女は令嬢にされるままになるしかないのだけれど。
少女の哀願を無視して殺すことも、それ以外も。
■ラグナレビア > 「仕様のない子ね……。よろしくてよ。救済を与えてあげますわ♡」
(ほっそりと整えられた眉尻を下げ、失望の声音を漏らす白銀。とはいえ、このまま痛みの残滓に戦慄くばかりの芋虫では、この後の行為を十全に愉しむ事は適うまい。そんな、どこまでも己の欲望を優先させた思考の結果)
「――――ぁむ♡ ちぅ…っ♡ ちぅぅぅうう~~~ッ♡♡」
(銀髪を耳に掛けつつ紅眼を細めた美貌がゆっくりと四つん這いの裸身を沈ませて、ふにゅりと先の尖った魔乳の柔らかさで少女の薄胸を覆い尽くし、次いで開いた桜唇がきらりと光る八重歯で脂汗の浮くうなじに噛みついた。ぶつりとあっさり肌を貫く尖牙。そこから溢れる血の温かさが、にゅりょにゅろと卑猥に蠢く舌に舐め啜られる。この先一生続くのではないかと言う四肢断裂の痛みに比べ、痛みとして認識することさえ難しい淡い感覚。それが徐々に、徐々に、少女の身体に浸透していく。最初に感じられるのは熱。少女にも覚えがあるだろう。膣や尻孔での行為の最中、絶頂に向かう際に感じる淫熱の膨らみが、食み啜られる首筋を中心に身体全体に広がっていく。次いで感じるのは尖りきった乳首をそっと羽毛で撫でられたかの喜悦。ヒトを狂気の霧中へと落とす激痛の中、蛍光めいて淡く灯ったその悦びが、じくじくじわじわはっきりと官能を形作っていく。破瓜の激痛が、執拗に繰り返される抽送によって和らいで、気付けば自慰行為を凌駕する肉悦と化す様に、四肢の激痛が得体の知れぬ悦楽に塗り替えられていく。)
■ナータ > 「ぁ、ああああ、ぁ、あ、あ……」
受け入れられる返事に、涙が溢れ出る。
もし、もっと慈悲深き者ならば、少女を一思いに殺しただろう。
こんな肉体ではだれかに依存せず生きることなどできぬのだから。
街角であれば或いは、だろうが、ここは転移された廃墟なのだから。
令嬢の与える救済それは果たして―――
「んぁっ、ひっ、ぅっ……あ、ああああ、ああああ……」
(たっぷりと重たげで柔らかな令嬢の胸が少女の胸で潰されるように撓み、その感触を伝えられて。続けて感じるのは、首筋への硬い感触。それが相手の犬歯と判断できただろうか。容易く肌を貫通し刺された場所から少女の血が溢れだす。血を吸いつくし、木乃伊のように殺す―――普通であれば、そうなるのが常だろう。少女は知らぬが、悪辣な吸血鬼などそうして当たり前だったから。しかしながら―――)
「ぁ、あああ、ぁ、んぁ、あふ、っ、ぁぁ……」
耐え切れず、狂ってしまった方が、死んでしまった方が楽に感じられる苦痛。
その闇の中でほんの僅か灯された明かりのように、首筋に沸いた感覚。
それは大きな熱となり、全身を駆け巡る。ひくり、ひくりと平らな腹筋や僅かに残った内腿が痙攣する。肌に覆われた切断面が快楽神経を持ったかのように感じられる。あれだけ苦痛に泣き崩れていた少女の顔は、くしゃみをかみ殺すような、快感を耐える表情に変わり。その声色は悲痛な叫びから一転、艶を帯び始めた)
■ラグナレビア > (長々と続くトロ火による絶頂。ポリネシアンセックスめいてどろどろと垂れ流しにされる官能が)
「―――っぷぁ……♡ どうかしら、これくらいの塩梅だと思うのだけれど……?」
(赤く色付いた唾液糸を引きつつ乙女の柔首から引き抜かれた。その首筋には少量の血のぬめりこそ残されていても穿たれていたはずの牙孔は残っていない。芸術的に美しい尊顔が、小首を傾け少女に問う。首筋に埋めていた頭部を持ち上げてなお、重量感たっぷりの魔乳はもったりと少女の薄胸に伸し掛かったまま。そこから伝わるとくんとくんという胸の鼓動に、得も言われぬ安堵が湧き上がる事だろう。似たような行為で幾度、加減を間違え望まぬ下僕を抱えた事か。今回狙ったのは短期的に―――といっても数週間は持続するが―――痛みを快楽として認識する体感覚の歪曲。少なくとも今のナータは、先程までの沸騰した油の中に全身を浸しているかの激痛からは開放されて、失われた四肢の断面に生まれた秘所をねっとりと舐め回されているかの甘悦に浸っているはずだ。もしも加減を間違えていたのなら、少女はこの先一生痛みからは開放されて、痛みの量に比した肉悦を感じる極まったドMとして生きて行くこととなる。その状態を更に越え、ヒト種を大きく超える寿命を手に入れる代わりに、ラグナの命令には決して逆らえなくなる強制的な種族変化までもが引き起こされている可能性も無いではない。)
「ふふ♡ ナータは存外可愛らしいし、下僕として飼ってあげるというのも悪くありませんわね♡」
(にっこり。少女の血紅で艶を増した唇を柔らかく綻ばせ、細めた紅眼が優しく見下ろし汗ぬれた額から赤髪を撫で除ける。)
■ナータ > 「ぁ、ぁ、あああ、ぁ、ん、ぁ……――――て、ください……」
(堪能するかのようにして離された口元。首筋には既に傷跡はなく、元の肌に戻っていた。首をかしげながら問いかけられた言葉への返答、はじめは聞き取れぬほど小さかった。恐怖が、狂気が、溶かされていく。トクトクと安心を、安らぎを伝えるような心音に心奪われていく。何を施されたか、少女は知らない。知る必要すらないのかもしれない。すでに少女の肉体は、精神は、魂は、令嬢に委ねられているのだから。果たして少女に与えられた変貌がどこまでかは、今すぐ判断できるものではないだろう)
「して……ください……気持ちよく、してぇ、ください……」
(消え入りそうだった少女の声はやがて伝わる声量までに。
先ほどの怯え切った声とも、苦痛に叫ぶ声とも違う、甘えたそれ。
元々実年齢よりも成長の乏しい体躯であったが、手足を失ったことでさらに小さく軽くなった。覆いかぶさる令嬢の顔を見上げる少女の顔は、甘えた表情だった。あれほどの苦痛を与えられたのに―――否、与えられたからこそ、少女の本能は快楽を求めた。苦痛を上書きした感覚を。もう、痛いのは嫌だから。少女は甘え始めた。動けないから。少女は「何をされても受け入れる」存在になった。苦痛すら、快楽に成り代わるのだから)
■ラグナレビア > 「――――ん?」
(お見下ろす少女が震える唇を開いて何事か呟いた。はっきりと聞き取ることの出来なかった白銀の悪魔は、存外に可愛らしい所作で小首を傾げて聞き返す。)
「ふふふふふふ……♡ 安心なさい、ナータ。痛みだけを与えておしまい、というのも悪くはないけれど、わたくしは少女の望みは断らなくてよ。 ………7割方。」
(そこそこの頻度で少女の望みを断っていると小声で告白しつつも、この後やることは何も変わらない。太古の悪魔の吸血による体液の交換が少女にどの様な影響を及ぼしたのかさえも関係無い。四肢の断裂はそれがクライマックスになるほどに特殊な行為ではあったけれど、ラグナレビアにとってのそれは単なる下準備。自由になる四肢を失い、何をされても言葉と身悶え以外の抗力を無くした乙女の凌辱――――もとい、そんな少女との愛交。それこそが此度の主目的なのだから。こちらを見上げる彼女の視線。そこに浮かぶ無条件の従順もまた、この子をたっぷり愛で回し、狂わせてやろうという心地にさせる。重量感とどこまでも沈み込むような柔らかさをころりと除けて、純白の裸身が少女の傍ら、片肘で頭部を支えた横臥を作る。)
「ねえ、ナータ。何からしようかしら?♡ わたくし、やりたい事が多すぎて、困ってしまうわ♡ ええ♡ ええ♡ 勿論全て、余すこと無くさせてもらうつもりでしてよ?♡ でもね、ナータ。何から始めるかは大事なことでは無くて?♡」
(何だって出来てしまう。やれてしまう。なればこそ、何から愉しもうかと考えを巡らせる事の出来る贅沢。うっとりと細めた紅眼が見下ろすのは、栄養不足の華奢な裸身。双腕は二の腕の、双脚は太腿の半ばからそれぞれに切り落とされた無防備でコンパクトのオナホール。ぴんと伸ばした人差し指がつぅぅう…っと乙女の裸体を撫で降りていく。鎖骨、腋下、薄胸、乳首、肋、へそ、子宮、太腿、恥丘、クリトリス、膣、会陰、アヌス。この後の淫行を強く認識させながらも、与える刺激は淡いものばかり。そんな愛撫とも呼べぬ指戯は、少女の童顔の元へと舞い戻ってちゅぷり。その口腔に潜り込み、にちにちちゅくちゅく、指先と舌とのディープキスで口内を可愛がる。)
■ナータ > 「は、い……ラグナレビア……様ぁ……」
(安心しろ、そう告げられる。つい先ほど有無を言わさず連れ去り何の躊躇いもなく手足を斬り落とした相手に。けれどそんな相手に告げられれば、返すのは心酔しきったような声色の返事。果たしてそれが吸血の効果の派生なのかはわからないが、最早少女は令嬢に負の感情を抱くことはなかった。四肢切断という、人間にとっては伊野津を失うこと以外最上級の悲劇を与えられながらも、それはまだ始まりだと。軽い体を抱えるようにされ、姿勢を変えられた先で)
「んっ、ふあっ、あ、ひあ、んんっ!あ、あああ、ラグナレビア、様ぁっ!んっ、ふああ、ひう、んんっ!あ、ふっ!」
(楽しげに笑みながら問いかける令嬢。先ほど告げられた7割方と冗談めいた言葉。すべてにおいて余裕を感じさせる態度の令嬢の人差し指が、肉塊と化した少女の肌を撫で下ろす。鎖骨から腋下へと擦れば顎が持ち上がり喘ぎ。薄い胸や先端の乳首を撫でれば痛々しいほどに尖らせ反応し。脇腹から臍、下腹部へ、そして秘所と会陰、菊座へと擽られれば感度よく無毛の縦筋や菊座が戦慄きを見せて)
「あ、むっ、んふっ、ん、んぅ、んぷ、ん、んぅぅ……れんぶ、ひれ、くらひゃい……きもひいこと、れんぶ、ひゅき、らからぁ……」
(やがて舞い戻る指先は口内に沈められ、舌先が捏ねられる。それに抗うでもなく、指を追いかけるようにしながら少女は言葉を紡ごうとした。その瞳は、ドロリ、と潤み始めていた。死をも想起させる苦痛を与えられ、それを上書きする性感を与えられ、指先で撫でられ。少女の本能、見定められた魂の濁りが表面に浮き上がってきた。少女の本質、本性。あくなき快楽への欲求。少女は理解してしまった。手足がなく、されるままになる悦びを。一切の自由のない歓喜を)
■ラグナレビア > 「ふふふっ♡ 良いみたいね♡ すっかり気持ちよくなって♡ ここかしら?♡ それともこっちが好きなのかしら?♡ 今ならこんな所も気持ちよくてよ♡」
(踊る指先に合わせ、あられもなく跳ねる少女の甘声。先程までの激痛に晒されて正気も定かでは無くなっていた弱々しさとはうって変わった雌反応に、麗人は美貌を蕩けさせ、少女の裸身のあちこちを擽って回る。その中でも特に、ぐにりと押された四肢の断面。その奥に骨の硬さが存在する辺りを強く圧迫された際に生じた悦楽は、そこに子宮口でも生じたかのポルチオにも似て重い物として少女を驚かせた事だろう。)
「まぁっ、ナータは欲張りね♡ でも、いいわ♡ 叶えてあげる♡ まずは……そうね。最初だもの。キスから始める事にするわ♡ ほら、ナータ。唾液でぐちゅぐちゅのお口を開いて受け入れなさい♡」
(にゅち、にちゃと口腔で舌を弄んでいた白指が引き抜かれる。糸引くほどの唾液に濡れたそれを躊躇いなく己の唇で食み舐めた令嬢は、一方的に宣言すると長い睫毛をそっと閉ざし、絹糸めいて艶やかな銀髪で少女の頬を擽りながら)
「―――――ん……♡」
(少女の唇を奪う。凌辱者とは思えぬ丁寧で繊細な接触が、まるでファーストキスの如く互いの粘膜を触れ合わせた。上唇を食み、下唇を挟み、ちゅぱっと軽い吸引でそれを震わせる。一旦紅眼を薄く開いて、伸ばした繊手が少女の頬を優しく包み)
「んちぅぅ……っ♡ れる…っ♡ ちゅむ…っ♡ ちるるぅぅ…っ♡♡」
(唾液と共に舌を挿し入れた。甘く、サラリとした唾液はしかし、当然ながら人肌の生暖かさを孕んでいて、同性同士の背徳的なディープキスの倒錯を際立たせる。だというのに、ぐちゃぐちゃと淫猥な水音を響かせ絡みつく舌は口腔の弱点を熟知しており、キスだけで絶頂しかねぬ程の甘悦を生じさせる。ふーっ♡ ふーっ♡ と熱帯び乱れた鼻息が少女の頬を擽り、何時までも離れる事のない吸引が酸欠でその思考力を奪い去る。大きく開いた壁穴からは降り続く雨音と共に夕刻の迫る肌寒い風が入り込む廃城の一室。その上、未だに体温を残した四肢がごろごろと転がる寝台上と異様な状況。にも関わらず、裸身を重ね、互いの呼吸を奪い合うかに唇を密着させた美女と美少女の絡みは、絵師で無くとも思わず筆を握りしめるほどに美しい光景だった。)
ご案内:「平民地区 市場広場」からラグナレビアさんが去りました。
ご案内:「平民地区 市場広場」からナータさんが去りました。
ご案内:「中庭」にフィリさんが現れました。
■フィリ > 【お約束待ちです。】
ご案内:「中庭」に影時さんが現れました。
■フィリ > 「――実用性故、とぃぃますのも。世に広まるには、充分な理由なのでは…と?思われるの、です。
ん、んっ。…こほん。ともぁれ、はぃ、何れの芸術も。基本はノータッチでぁるべきと、ぃぅ事で――っ。
つぃでに宗教と芸術も、また。切っても切れない関係にぁります、とぃぅか。
信心とぃぅのは、どぅやら…直接、人の心に関わりますので。それだけ、流行にも繋がりがぁる訳で。
はぃ、身も蓋もなぃ言ぃ方をしてしまぃますと――ブームの牽引役としても。見る事が出来るのです。
――カレーなど、その代表例、ですよね?
かける、混ぜる、後から併せる――色々な、食べ方が御座ぃますが。
別盛りせず、そのまま、ワンプレートになさぃますのも。其方のぉ国ではなかったか、と。
むー…ぅ。ぉ強請りしてみる、と言ぃ表すには商売っ毛が強ぃので、こぅ――直ぐには。
それこそじっくり考ぇるのでしたら、先ず、下調べからとなりますので。実際に軌道に乗せられるとしますと、次の春か――
もし、実行するとぃたしましたら。笠木様にも是非、参考となるご意見を頂戴出来ましたら――はぃ。」
実用性と芸術性という奴は。得てして対極になりがちである。一挙両得、華美にして剛健、というのは。少なくとも物理的な観点からは難しい。
……ひょっとすると。これだけお金持ちでありながら、トゥルネソルのお屋敷が基本、華美さよりも質実さに重きを置くのも。
少女自身と同様に、脆く儚い品々に苦戦する竜の種達が居たのではないか――と。何となく考えてみるのだが。
残念ながら恐らくそれは、母の性格故、というのが大半だろう。無意識に共犯者を求めてみても。賛同は得られ無さそうである。
さて、商売の規格に於いて同じく賛同を募るというのなら。
それこそ正しくプレゼンテーションという奴は必須であり、相手を納得させられるだけの情報が必要であり。
目に見える形でのプランを組み立てるには、どれだけ現実味を感じさせられるか――即ち、どれだけ現実を踏まえて企図出来るか、だ。
下準備に念を入れるとすれば、今回のような、遠い異国についての知識を仕入れるには。是非とも、現地の意見を貰いたい。
またこの先じっくりと。彼には色々と教授を願う事となるだろう…と。小さく頭を下げてみせただろうか。
「ぁーっ。ぁー、ぇー、ぁ――ーっ。そ、それは、はぃ、次の機会に…っ!
…どのみちとぃぃますか。ぇっと…やはり。大きく動く事が。…本来ご指導してぃただぃてぃる、事案の方が。
どぅ考ぇても、ぉ世話になると思われるの――です、はぃぃ…」
思い出してしまう、というより。寧ろ忘れる方が難しいというべきだろう――特訓開始、初日早々の失敗談やら何やらは。
色々な意味で、少女の脳裏に焼き付いてしまっているし…彼という人物に対するイメージも。其処から幾つか変更点を生じさせている事だろう。
これで余計に想像…もとい、妄想が加速してしまったら。
さしもの樹上棲動物達も、身悶えの勢いで振り落とされていたかもしれない。
ぜはぁ、と軽く息を荒げる錯乱っぷりに、頬を真っ赤に染める、脳内ピンクの漏れ出し具合を露呈しつつも…どうにかこうにか。
周囲に被害が及ぶ前に、頑張ってそれを静めるのだった。
それから気が付いたかのように。目を回しかけている栗鼠やモモンガを掌に載せ。飼い主へのそれと同様に、ぺこぺこと頭を下げてみせたりと。
小動物達の方が何やら偉そうに見えない事もないのだが。
師に仕える立場としては、二匹の方が間違いなく先輩なのだから。間違ってはいない筈である。
「河川が短く、広大な作地が確保し辛ぃ。そんなぉ話も、聞ぃた事が有るの…です、はぃ。笠木様のぉ国では。
輸入から、自作が始まってもなかなか――大量に確保、とは。ぃかなかったのでしょぅか。
――ぇぇはぃ。帝国の流行で、東の方の情報につぃては。若者のニーズも御座ぃます、かと。
…そんな中で。身近な異国人でぁる笠木様が、生徒の興味を擽ってぃただける、とぃぅのは。
ぇぇと…言い方としては難なのですが、大変、ぉ手頃ではなぃのか、と。…学生の懐事情からぃたしましても。」
王侯貴族が趣味を高じさせると、王都内に桜並木を発生させる位、無茶な事もするのだが。
ハイコストな分ハイリスクでもあるそれを、いきなり提供するのは難しい。
将を射んとすれば何とやら。そのご子息御息女辺りから、探りを入れていくのは。決して悪くない筈だ。
…あくまで学内での活動という事であれば。それこそ部活費用か、良いトコのお小遣いの範疇で。
――其処で足りなくなる予算くらいなら、少女の方でもどうにか、お手伝い出来るのではないかと。そこそこに打算も挟みつつ…ともあれ。
巡らせる頭へと補給する糖分として、彼よりも少し早く。羊羹も食べ終えてしまうのだった。
■影時 > 「流行り廃りは世の常とはいえ、その火付け役、導火線となるのも……勝手の良さだわなァ。
まー、そうだな。俺も特にこの国とかの芸術云々は門外漢にも等しい。
知っていたら何か使えそうな、役立ちそうなトコだけを拾ってるのも同然よ。
宗教も芸術も、人の拠り所になりうる点についちゃぁ……傾向云々は兎も角、どちらも間違いはない、か。
成程。頷ける処はある。噂を撒く、流言を走らす、騙るにしても、それなりに名があるものを使う方が間違いはなかったからな。
……待て待て。かれぇは、あー、どうだ? ありゃ別の国、南国よりさらに西……だったような。」
馴染みの事物として、装飾を施した美麗な刀剣類がついつい思い浮かぶのは、最早生業故の悪癖だろう。
この国で見かける貴族たちが佩く剣は如何にも細くて不安になるが、装飾が妙に凝っていた。そんな印象がある。
貴族の子女たちが護身用と銘打って帯びるのも、似たようなものだ。
だが、剛健である――とは一口に言えない。名剣の類がないわけではないとしても、実質竹光同然のものもあるはず。
ともあれ、すぐに駄目になってしまう、儚さが過ぎるものは好まないというのは、よくよく分かった。
論じ方も“実体験”がある以上、頷けてしまう面はある。
まことしやかに語り、広めるための牽引役、切り口、とっかかりと云うのは、やはり有力者の名前である。
しかし、カレーと聞くと、どうだろう。目を瞬かせる。
故国を出て、西に、西に。険しい山脈に沿って進む中、独特の香辛料を使った料理をする国を通過した記憶がある。
その国のものではなかったか? だが、あの形式は、どうだったろうか? 思わず記憶をひっくり返すように考え込みつつ、
「そういう強請り方、切り込み方もあるってだけだ。そこまでも今は、ふかーく考えなくたってイイからな?
学院で何かその手のぷれぜんてーしょん、とやらを求められたら、という程度でも良いだろうよ」
続く言葉と思案には肩を竦め、その時には、と頷こう。
かくいう己が言葉も思いつきの度合いを出ない。とは言え、発表や依頼、お願いをするにあたり、理路整然と整えるのは大事なことの筈。
あいまいな語句だけでは、動きづらい。動かないのが世であり金の動きなら、それを整えるのが筋道立った論であろう。
「さよか。……確かにそりゃァそうだ。
今は基礎、急がず慌てずの心持ちだが、もう少し粗め、強めの加減の方がそろそろ良いかね? ン?」
初めてのことほど、善くも悪くも残る。印象付けでも教訓としての意味でも、深く強く残る。
己もそうだ。弟子の弟子だから、こうであるという予測はあったが、その通りでもあり、並列する留意点も得た。
促成的にどうこうできるという方策は捨てているが、ぬるま湯で解すような事ばかりでも居られまい。
月一回程度でも強度を上げるべきか、と思いつつ、顔を真っ赤にしながら息を荒げるレベルの錯乱気味に、おーい、と声をかけよう。
しがみつくのに慣れた毛玉たちが、振り回されっぷりに目を回してしまうのは、初めて見た。
落ちかけた帽子を二匹で器用に掴み、被り直す。
そうして、とったかたー、と相手の肩口に上り直せば、気にするなとばかりに前足をぺちぺちと頬に伸べていく。そんな仕草を眺め。
「土地にもよるが、砂糖はそもそも、気候が合わない――のが見立てとしての所以だろうな。
ありゃ、南国でなきゃうまく育たんらしい。後は絞って精製する時の手間も、か。
……侍じゃねェ筈なのに、刀持ってるのも何人か見かけた気もあるからなあ。その手の趣味の子女も居るか。
いい具合の米じゃ無けりゃ、粉に挽いて練って、団子にして……んー。黒蜜でもこさえてかける、でもアリか?」
桜並木までは流石に望みようがない。いくら何でも大仰すぎる。
とはいえ、異国趣味にかぶれた親が居ればそれに倣う、倣わされる子も居るのが世の常。
大きく時間をかけず、さりとて、雑にというのは、他者に供するのは良いことではない。
そして何より、入手できるものの質が常に一定と言えない。ある程度妥協しつつ、良さそうに見えるものだと何があるだろうか?
そう考えあぐねつつ、ゆっくりと羊羹を口に収め、思考を巡らす。茶にあいそうだが、程よい甘みというのは加減が難しい。
■フィリ > 「ぉ国柄とぃぅのは、どぅしても。全てに関与して来ますでしょぅし――好き嫌ぃと言ぃますか、美的感覚と言ぅか。
笠木様から見ると、何やら不思議――とぃぅ物も。きっと多々御座ぃますの…かと。
我々の方も、はぃ、異国の品につぃては、どぅしても。物珍しさが付加価値の一つとなりますし。
――その流れで。自分達の知らなぃ、遠い異国から来られたぉ方の言葉…と申しますのも。
宣伝とぃぅかキャンペーンとしては、非常に有用だと思われまして。
その上で笠木様は、こぅ。…学院の生徒からぃたしますと。教師という、正しく――自分達の世界に於ける、偉ぃ人、に当たるのではと。
ぇ、っ。ぁー…申し訳ぁりません。ぁくまで、その、カレーその物ではなくて。それに対しての。…米、ライスの使ぃ方、でしょぅか?」
質実剛健というのは。特に得物については重要事項となるのだろう。無骨で頑丈な代物の方が、実際に戦う上では有利に決まっている。
…そういえば義母となるゼナの大剣など、その代表例ではなかろうか。
逆に細く華美な剣等は。実際に戦闘で用いる事を…多分、あまり想定していないのだと思う。
儀礼用だとか、抜くとしても号令の為だとか。肉を裂き骨を断つ…存外に頑丈な、人体をどうこうするには向いていない。誰の目にも明らかに。
では何故作られるのかというと、それこそ芸術としてでもあるし――貴族に相応しい装飾品たり得るという、一種のステータスとしてだ。
貴族が刷くに相応しい、と見なされるなら。正しく偉い人のネームバリューが、制作者にとっても良い宣伝となるのではないか。
人脈。伝手。それがどれだけ大事であるかというのは…きっと。こういった方面にも絡んで来るのだろう。
と、いう事を考えた上でも。学内で振る舞ってみてはどうかという提案が出て来たのかもしれない。
実際、生徒達にとって最も身近な「偉い人」。それが教師であるというのは、紛れもない事実なのだろうし。
此処で彼をその気にさせる事が出来たなら。ひいては行く行く将来的に――在学中の体験を社交界で語る卒業生等も含め。良い宣伝が出来る筈。
今後のプレゼンを考える上で。先ずは、彼を口説き落とすのが。最も近道に違い無い。
――が、基本が口下手な少女である。恐らく肉親と…それに次いで、彼と以外では。こう口達者にはなれないだろう。
その上で喋れたとしても、上手い事言いたい事が伝えられるとは限らないというのが。正しく、カレー云々にも顕れて。
「――まぁその。流石に今から大急ぎで、企画してみたとぃたしましても。
残念ながら此方の…花の移ろぃはどぅあっても。追ぃ付けなぃと思われますので…必然的に。一年越しとなりそぅ、なのです。
学院で。……ぅぅ…正直を言ぃますと。笠木様にはこぅして、家族ぐるみ的に良くしてぃただぃてぉりますので――ぁる程度。慣れ、がぁるのですが。
……此処まできて今更ながら、私が自分で……ぇぇ、ぅ、一人で、は。難しそぅで……何方か。
何方かもぅ少々。引っ張り込んでみたぃ、もので――す…」
一先ずその時には、きっと。彼は手を貸してくれると思っておこう。
但し、例えるなら――お約束の。顧問が見つかったが、部員の数が足りないので認められない、とでもいうような事になりかねない。
理屈を付ける事は出来そうだが、いざ具体性が増してくると、実行する上でこうやって。問題が出て来るのだった。
…寧ろ、年を跨ぐ程に時間が掛かる、その要因としては。少女の慣れ云々の方が大きくなるのかもしれず。
「そぅ、そぅなのです、はぃ。
この所は割と…割とそぅ、日常的に。私、頑張ってぉり…ぉります、ので。
ぁの際に比べますと、動けなくなったりするのも……少なぃと思われまし…て。
さ、流石に実戦――とぃぅのは、遠慮願ぃます、が…ぁぁぁ――」
どういう意味で粗いのか強いのか。其処を考え込むというか、錯覚してしまうと。ますますドツボに嵌る事は自覚しているので。
掌の上から再度肩へと、上がってくる栗鼠達に指先を伸ばしつつ。どうにか話題を、訓練の方向へと持っていこう。
――という事で、其方の話としては。
日常的な体力持久力作りを優先していこう、という方針が前提として出来上がっており。それを実行しているのだが。
ある程度そうやって基礎に勤しみ続けていると。目に見える形で、効果が出ているか否かを知りたくなってしまうのは。当然の事だろう。
何時ぞや。ラファルのように、彼の仕事に同行出来るかどうか。思案した事も有ったが――どうだろう。
アウトドアなフィールドワークになる事は想像出来るのだが…さて。果たして本当に。荒事とならずに済むのかどうか。
「……北方で作れる…野菜?根菜?由来の物も、御座ぃましたが――やはり。材料が違っては、味も大きく異なります――ものね、はぃ。
…ぅぅん……ダイラスの方ですと、もぅ少し温かくも出来そぅ…なのです、が…っ。
はぃ。流行り廃りを、逃さず取り入れるのは。女子の嗜みだ――そぅです、はぃ。君主に教祖に、女子生徒――が。流行を、形作りますのかと。
彼女達を取り込むのは必須でして……む。…メープルシロップ等は、大変、ウケが宜しぃので。
そぅぃった方向性は、宜しぃのではと思われるの――です」
親が子に影響するのと同様に。子から親へと、作用する場合もあるだろう。
そもそもステータスが重要になるという意味でなら、一般市民よりもずっと、流行にも敏感な筈だ。
一時期シェンヤンのあれこれが王城界隈に溢れていたのが良い例ではないか。
社交界の中、より上の貴族家に見初められる――その為の、謂わば個性としても。
先ず親世代にそう思わせるには子世代から。そして、少女達の心を掴むなら――甘い物は鉄板だ。確かに。
糖蜜の甘さは割と、今回食した菓子類に比べると濃い気もするのだが。最初に胃袋を掴む為ならそれもそれで、一考に値するだろう。
…いや。強い甘味や乳製品に慣れてきた彼女達に。美味しくとも健康志向、という売り込みの方向性もアリかもしれない。
彼とは違う側面から考えに考えてしまいつつも…一先ず。茶器を手前に戻し、手を着いて。改めて…結構なお点前でした、と。