2023/03/07 のログ
■スピサ > ◆
形を思い描いていきながら、木材にインク壺から細い筆に浸して線を描いていく
又は、削りたい範囲を筆で黒く塗れば其処を中心に削っていけばいい。
削ぎ落し
鑢掛け
最後に艶を出す為に細かな鑢砂を半練りにしたクリーム状の穀物糊に混ぜる
これを布に馴染ませ、全体的に磨くと滑らかな肌になる。
先端をやや細くし、斧と合わせてから楔を打ち込むために作っておいた鉄板を差し込む。
槌で打ち込み、しっかりと固定できたなら後は金鋸を使って楔の先ごと切り落とせばいい。
表面を仕上げの保護塗装を塗りこみ、数回振り回す。
スピサがゴトリと目の前の台に並べた手斧は合計四振り
後頭部にピックを備えた好い具合に仕上がったハンドアックスとなった。
剣を振るう際に注力が高まり、無音を生む剣士のように
スピサもまた単眼は戸惑いも躊躇いもない。
震えの無い瞳でジッと仕上がりを眺めるそれは落ち着いたもの。
やがて好とするなら、金属部位に油を薄く塗って綺麗に拭き上げてから
店先に二つ 手元に二つ並べて保管するだろうか。
「ふぅー…、…。」
作業が綺麗に終わると、気分がいい。
薄青い肌の両腕を頭上に伸ばし、指を絡めて伸びをしながら、ググッと力を籠める。
無人故に心乱れることもなく、一度お茶でも入れようと小さな金属製のポット
それをランプ台の上に置いて火にかけながら、木製のカップでも用意するだろうか。
納品予定も依頼も今のところない。
冬場を終えればまた増えるだろうけれども、今は急な武器の損耗でもなければ少ないだろう。
ご案内:「王都マグメール 鍜治場工房地区」からスピサさんが去りました。