2023/01/18 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場 マッサージ室」にアシュベールさんが現れました。
アシュベール > ―――さて。どうしてこんな事になったかと言えば。

1.とある理由で性能の良い魔具が完成した!
2.いわゆるマッサージの時に使うオイルである。ならば、普段お世話になってる水浴び場にお渡しするのはどうだろうか?
3.お出ししてみたが、そんな簡単に取り入れられない。性能も分からないものをお出し出来るか!
4.なら、性能さえわかれば良いんだね~? 左様。

「いやまぁ……性能どうこう言うが、ぼくがやることになるとはねぇ……。 や、したことあるけどさー……。」

いわゆるマッサージ室。普段と違い、ラフな格好になりながら、其処に着席する小さな影。
近くの桶には、濃厚な魔力を宿したオイル。今回はこのオイルを使い、マッサージをしろ。というオーダーである。

アシュベール > 「まー、臨床試験。実際に使うところを見せる。大事だからなー……。はて、さて。後はお客さんが来るかどーか……。」

きゅぽっ―――。瓶の蓋を開け、中身の確認。薫る魔力は、極上のもの。
触れれば肌はつるっつるになるし、筋肉に魔力を通す事で、肩こり腰痛筋肉痛。様々なものを癒やします。
魔法使いの場合はもちろん、魔法の打ち過ぎで疲れた魔力回路を回復だってお手の物。
人によっては魔力酔いしてしまう可能性があるが―――まぁ、それは、此処ではよくあることだ。

「此処でうまい具合に結果を出せれば……うちでも販売出来るしねぇー……。
 流石に店内で、お風呂場用のオイル、使ってく?なーんて言えないからねー……。」

アシュベール > 「…………。」

確りと保温されている空間は居心地は悪くない。肌寒い時期だが、ぬるま湯のような暖かさのお陰だ。
然し、暇つぶし道具も無ければ、誰かが来るまで何も出来ないという難点がここにある。
ミミックの彼を呼び出せばいいかもしれないが、宝箱の魔物が居たらお客さんも驚いてしまうだろう。ので、却下。

結果。

「……お~……。」

その手に持っていた瓶の中身を極少量。手に取って、指や掌を使って伸ばしてみた。
何せ材料が材料。企業秘密。量産は難しいものを使ったお陰で、指に触れただけで魔力が高まり、指の境目がじわりと発汗する。
そのまま指を重ね合わせ、擦り合わせ――― にゅち、ぐぢゅ、ぬちゅっ!響かせる音。掌全体に塗り込む事で慣れさせる行為だ。

――十数秒もせず。その手には薄い魔力の膜が出来上がる。はたから見ればこう、ゴッドハンドっぽく見える感じの、オーラが――こう。ズオッッッ!!!っと出ている感じ。

「掌だけでこれか……流石は魔族起因の材料だぁね。」

アシュベール > 「さて、とー……場は整ったし、後少し待ってみて……誰も来なかったら……まー。適当にお店に並べてみるかな~……。」

―――なんてふわふわした計画。
結局のところ、高く売る。というのよりも、自分の作ったものを使ってもらえればそれでいいタイプの魔族故に。

少しだけ汗ばむ額をインナーの袖で拭い、はふ。と小さく息を吐き、ゆるりと。お客様を待ち続けるのであった――。

この後、お客が来たか。結局誰も来ずにのんびりしたかは、まぁ、また別のお話―――ということで。

ご案内:「九頭龍の水浴び場 マッサージ室」からアシュベールさんが去りました。