2022/12/01 のログ
ご案内:「自然地帯・森に囲まれた澄んだ泉と小さな墓地」にカルヴァさんが現れました。
カルヴァ > 名前も特産物もない森
その獣道のような林道の先に泉がある。
不思議なことに清らかさを常時保ち、血や体液、土どころか毒ですら放置すれば浄化されなくなってしまう泉だ。
とはいえこのような泉の存在など王国の住民もほとんど知らず、清らかではあるが汲んでしまえばただの飲料水。 その浄化能力はこの泉からはなれれば亡くなってしまう。

そんな泉のほとりの草が綺麗に刈られ、土がむき出しになっている。とはいえその土には小石、砂利、砂がかけられ何者かがここを掘り、そして――墓碑をつくっている。
墓碑の数は2桁以上。墓碑とはいっても十字架もなく名前もない墓碑もある。子供の頭より小さい御影石を削り墓碑にしているようで、その墓碑はきれいに磨かれている
名前のあるもの、無いもの、全てにはこう書かれている

『どうか、安らかな眠りを』

―――一人の少年が、土を被せた場所に砕石を撒く。砕石、その上に砂、そして砂利。さらに重い砂。
新しい墓碑をその上に積む。木とゴムでできたハンマーで墓碑を上から叩き、埋める。
――すべて、吸血鬼の墓だ。この行為は少年以外には誰も知らない。もちろん彼の組織はこのような事を赦さない。
吸血鬼は悪であり人類の敵であり王国の害虫。神にとっての悪だ。その悪に憎悪と嫌悪を抱かせることで不満や疑問を払拭する。そんな吸血鬼に墓碑はゆるされない

――しかし、少年は黙々と墓碑を積み、その前にひざまずく。 手を組み頭を垂れ祈る。
安らかな眠りを。痛みも苦痛もない眠りを
吸血鬼であろうと――殺された苦痛を死しても持たぬように、祈る