2022/10/17 のログ
ご案内:「港湾都市 ダイラス 船着き場の一角」にイスルスさんが現れました。
イスルス > 人という者は “いけない事” をする場合 二つの道理がある。
絶対に見つからないように努める事
見つかってもどうにかなると思っている事

例外として、見つかるかもしれないというスリルを味わう事柄もあるものの
大きく分ければこの二つでしかない。

ならばこそ、そのいけない事というものが、誰かの琴線に触れることを嫌がり、隠れて行うのならば
見つかった場合は お仕置き されることになる。
それが己の体重を軽くする行為であれ 重くする行為であれ
見つかった瞬間 秘密の上を更に大きな秘密が塗りたくり
無かったことにされていく。


―――『ギャアッ』


一つの苦鳴と共に、胸元を背中から
連なる肋骨の隙間を通り抜け、平突きに与えられた投擲の剣
慈悲や鎧通しに使用されるような肉厚且つ 鋭い中短剣

戦場とは違い用心棒 手勢は動きやすい革が多い
海側の人間は、下手に金属を身に着けるよりも
身軽さと潮を跳ね返す装備を身に着ける者が多い。

故に革貫き 肋骨を通り 肺を貫通し 切っ先を胸から生やした姿
息は泡に 泡は赤に染まり、息で溺れる姿。
嗚呼、下手に動いたせいで大きな動脈を傷つけ、泡はとうとう
赤い流れをゴボリと沸せて倒れ伏しさせる。


カツ コツ カツ コツ


港側の舗装された地面
革のブーツ 厚みのある踵が鳴らす足音と共に
半月の夜 頼りない明りの中で灯台だけが遠くの上で機能している場所にて
長袖 エプロンドレス ロングスカートスタイル
両手には二本ずつの中短剣 慈悲 を手にするイスルスが、その鮫のような黒い瞳を向けている。

始まるのは気付かれたことで逃げる獲物か
抵抗をしようとする獲物かの二択に対する

恐怖も後悔も憐憫もない
目の前の獲物をただ喰らい 自身の主の命を忠実にこなす澄んだ獣の所業。

イスルス > 船着き場でのやり取り
やんちゃな10代の半グレが集まる事もあれば
薬をばらまく小悪党
女を適度に攫って行く屑など

マフィアという立場と共に
いくつもの危険を自身という危険で退ける役割を果たすマフィアが
やんちゃな行為をそのままにしておくはずもなかった。

自由と欲望 その裏では力と金が徹底的に支配を築いているように
なにかいけないことをした末路は 潰せ 奪え 唄え この三つ
イスルスが命令という殺害権利を与えられるたびに
その両手はボスに紅茶を注ぐことも 室内の埃落としも
ボスが行く先のドアを開け、道を作ることもしなくなる。
全部 殺し だけに代わる。


悲鳴 悲鳴 悲鳴
それに鉄が混じる音と共に
一人きりの狩場は羊を群れで追い立てるそれに比べて
散らかすかのように行われていく。


イスルスの無表情 無言を徹底的に構えたスタイルで
二本の柄を握りしめ、中短に今この瞬間延びた切っ先
それを目の前の筋肉の肉塊に対して容赦なく貫く行為

1 2 3 4 5 6 7 8 9回

連続的に突き刺されたそれは的確に臓腑を砕き
見えない後ろ側で逃げようとする二人を、一本を突き刺したままに手透にさせ
腰から握り抜いた、金薔薇の彫刻が施された水平二連
空いている左手で向こう側に伸ばしたのなら、後ろも容赦なく射殺する。


―――ッ!
―――ッッ!!


二つの開放的なフリントロック銃声が鳴り響く。
鉛玉は貫くどころか、内部で暴れまわり、動きを止めるもの。


半月の夜の海風と潮の香
今夜の狩りは、一段と血潮の香りが立つ。

ご案内:「港湾都市 ダイラス 船着き場の一角」からイスルスさんが去りました。