2022/09/07 のログ
ご案内:「巨木の洞」にミメシスさんが現れました。
ミメシス > 天高く聳え立つと表現にするには少し小ぶりではあるが、他の木々と比べると十分巨木と呼べる木々がうちの1本に空いた洞である。

今夜は月が輝き星々が空を彩っている……筈であったが、何時しか月は隠れ星は落ち、夜空は闇に包まれて、当然のように大粒の雨が降り始め、気がつけば辺りは大雨に見舞われていた。

「―――。―――――。」

一夜限りとするならば一時的と決めるなら巨木の洞はその大雨を凌ぐのに丁度良いだろう、しかし、大雨から逃れようとするのは何もニンゲンだけではない。

ずる、ずる、ずるりと洞の壁に這いずる魔物が1匹。
灯りもなく夜の闇に等しい暗い暗い洞の中でその壁と体表の色を同化させ隠れ獲物を待ち蠢く……。

降りしきる雨の所為で魔物が蠢く音は掻き消えよう。
特有の腐った果実の如き甘い香りも湿った土と草木の香りに紛れ消えている――…つまりは何時も以上に魔物はその存在感が希薄と為っている。

自然や岩場に身体を似せて擬態し獲物を待つ魔物。
今はその洞を巨大な口に見立て、雨宿りの為に洞に飛び込んでくる何かを狙う心算であった。

ミメシス > 雨音が次第に遠ざかると思われたが、月が夜空に輝く事無く、雨音は逆に時間がたてばたつ程に強く大きくなり、雨が止む気配は微塵も見えない。

これ程の大雨となると洞に逃げ込むニンゲンもいないのか、そもそも外を出歩く者もいないようで、今夜は魔物も大人しく雨宿りをして時を過ごすつもりになったのか、蠢くのを止め、じっと動かない事で体力の消耗を避け、雨が上がり月の輝きか或いは太陽の光さすまで静か誰にも見つからないように、洞の中で過ごすのであった。

犠牲者が出ない事は良い事だろう。
だがそれは今だけであって魔物が消えたわけではない。
魔物の次なる出没場所は何処に。

ご案内:「巨木の洞」からミメシスさんが去りました。