2022/08/27 のログ
ご案内:「山中の別荘地」にフィリさんが現れました。
■フィリ > 【お約束です】
ご案内:「山中の別荘地」に影時さんが現れました。
■フィリ > 「似た、よぅな――なかなかに。想像がつきませ――ん。
きっと…ぇぇと、それはもぅどちらが…亡くなっても、ぉかしくなぃよぅな。大事になったのか、と――…むむむ。
はぃ、きっと、生死に関わる――偉ぃ方に、なればなる、程。唯でさぇ、狙われる事もぁり、ますし、その…自分から。
むざむざ、危険を増やすよぅな事は。避けると……思われ、ます。リスク管理なの、です。はぃ。
ぅぐ。…ぃ、一応私――も、ぃぇ。私はそぅ――商会の娘、商人の、娘なの――です、が………っ。
そぅ、そ、ぅです。笠木様にとっての、異国の装ぃ、とぃぅのも。きっと、ぉ似合ぃになりますかと――」
教師と生徒の良からぬ何ちゃらが。今度は違う形で、一瞬なり頭を過ぎってしまうのだろう。
寧ろ過ぎれ。高速で通り過ぎろ。と、頭をぶんぶん。なるたけ急いで脳内から追い払う。
どうせ考えるもとい妄想するのなら。目の前の彼がお洒落を決め込む姿である。伊達で決めるというのも、それはそれでアリだろう。
何でも何処ぞの暗殺者曰く。人間首から下、衣服…格好で相手を見てしまう事が多々有るという。
その場に相応しい、例えば学校なら制服だの。王城ならば騎士装束だの。それに身を包んだ人間であるのなら、見覚え無くとも何となく受け容れてしまう…と。
こういった考えが正しいのなら、確かに。装いと立ち振る舞いを設えたのなら、潜入には大変役立つのだろう。
それはそれで是非見てみたい。…まぁ、潜入任務等という危険な行為に。少女が協力出来るとは思えないが。
寧ろ今はそれ以前。荒事に携わるような立場になる、それ自体にすら程遠い。
――冒険にしろ訓練にしろ。まだまだ、家庭教師もしくは引率教師のお世話になる事だろう。
「は、はぃ。色々…勉強、させて。ぃただぃてぉります――魔術を志す、上でも。大事な事だと思われ――、ます。
呼び名。名付けるとぃぅ行為。それもまた、定義付け…形の無ぃ、捉え所の無ぃモノに、意義を与ぇる行為でぁる…とも、言ぅ、そぅですし。
詰まる所。我々の、誰かの、見てぃる世界なのではと――…ぉ、ぉ。っぉぉぉぉ……そぅでしょぅか。そぅ、なのですか?
ご興味がぉ有りでしたら、是非、機会を作って。その際に――っ」
多分。流石にこういった話は、あまり。真性の少年少女であろう、人間のクラスメート等には通じないだろう。
学校で学ぶ基礎的な事からは外れ。それこそ、師の蔵書やその本人から教わる知識なのである。
頭でっかちの中に詰め込まれた知識を、こうして、誰ぞと披露し合えるというのなら。少女が、目をきらきらさせるのも。当然という所。
…流石に、ならば今からでも!と、我を忘れ時と場を忘れる事はなかったが…ばっちり。近い内に、と。少女の中では決まってしまった事だろう。
…勿論。単なる趣味として、世間話で盛り上がる程度…というつもりはない。
精に、霊に、神や魔に。携わる話題は必然、諸々の奇跡や不可思議に関わる上での必須事項。
今こうして行う合宿に、一定の成果を出せたなら――それに対するディスカッションとしても。再度集まる事は必然だ。
やらねばならない事を考える、意味で。それもまた少女が、責を果たそうとする一環なのだろうか。
「き、嫌いな――方は、ぇぇと…ぁまり、居られなぃ――と、思われます。…この国ですと、特に。
笠木様…と、ぃぃますか、大人の方ともなりますと。其処はご承知かと…ぉ、思われるの、ですが…っ。
ぁ…ぁ、はぃ、漆…植物、と。聞ぃた事がぁるの、です。唯でさぇ、土壌を選ぶそぅなので…国が変わると、なかなか、育たなぃのかと。
漆で貼り付け、金で継ぐ……金の粉や、金の箔も。加工は矢張り、此方では難しく――ぅぅ、ん。
手間暇、材料――結果として。必要経費が、大変に、高く付くのが困り物…です。はぃ」
そろそろ耐えきれなくなってきて。国のせいにした。丸投げ万歳。
…まぁ実際に。性に対するおおらかさ、と呼ぶには少々行き過ぎた国民性が。往々にしてこの国の特徴である、というのは。紛れもない事実だろう。
この国で暮らし、この国の誰かと結ばれ…結果として、竜と呼ばれる者達も。得てしてそんな風潮に。すっかり適応しているのだろう。
寧ろ人間以外の動物には当たり前、という事も多々含まれていそうだが。その辺りは取り敢えず、置いておく事として。
異国の品々が高価なのには、矢張り入手難度が大きく関わってくる。
まして壊れ易い品ともなれば、維持にも修復にも亦、外つ国の諸々が必要となってくるのである。
確かに、大変だ、と。少女は口にしてみせるのだが――こうやって話のタネに出来るだけで。無論技術として実践出来る訳ではない。
素材も必要だし、それを活かせる技術…職人や、それを育む伝統もまた重要なのだ。
そういった人々も誘致出来れば良いのだが、それはなかなか難しいだろう。…結果として。今はまだ、多くの品が。輸送費人件費その他を上乗せされてしまうのである。
「何れにせよ。…実践出来るのが。観測を重ね、て、練習出来るのが――大変。有難ぃぉ話、です。
監督してぃただけると、矢張り。私だけでは、不測の事態が起きる…のが。大変恐ろしぃですの…で。
…ぅ、ぅん……流石に。流石――に、学校の会談は、遠慮したぃの――です、が。
そぅでなくとも、学校ですと。…若輩の人間の方、等ですと。魔力を根刮ぎ、吸われてしまぅ…結果、体調不良等、起こりかねません、し」
トイレに生息する少女の霊だとか、段数が適当になる階段だとか、何処にでも有るお約束の話題。
実際何処の国でも聞くというのなら、まるで世界中に散見する洪水神話のような、人類の遺伝子に刻まれた記憶なのかも云々。
とまぁ、そんな眉唾はさて置き。即死はしないが、影響は有る。それだけで、第三者への注意は必然なのだ。
斯くして、実際に試して見る第一歩――周囲から吸い上げる力。魔力、生命力、等に関しても。なるたけ影響を押し留めんと。
「―――― は――ぁ、 …やはり…力その物、ですと…影響も大き……… っ、 くぅぅ、ぅ、ぅ!?!?」
そうして実践する事で解るのは、矢張り。力の塊であろう分身達へは、実体の有る動植物等よりも、影響が大きいという事か。
出来得る限り僅かに。極短時間に抑えたつもりなのだが…それでも。大半の分身達が、その存在をかなりの勢いで目減りさせられている。
実体化していようともこれであるなら。先程の仮説は矢張り、的外れではなかったらしいと頷き――かけて。
思いっきり少女の声が跳ね上がった。歳近い白黒の双子やら、一緒に通学する妹等が見たら。それはもう驚く事だろう…この少女が、こんな声を出すのかと。
が、まぁ。仕方ないと思って欲しい。
目に見えない怪異。身近な怪談。そんな物を想像してしまった直後に、死角外の背後から。誰かの手で尻を撫でられたのだ。
すわトイレの亡霊が引きずり込みに来たか。山河の怪異が何たらいう玉を引っこ抜きに来たか。
其処まで想像が炸裂してしまうのは、仕方がないと思って欲しい。
――さて。ついでに思い出して欲しいのは、少女が相談を持ち掛けた、最初の件。
曰く「馴染みすぎて軽すぎて感じてしまう」、という点だ。
跳び上がりながら振り返るという、自身の運動性能を振り切った少女の動きは――無自覚に。
背後に対しての、握った侭の魔鎚による横薙ぎめいた動きになってしまう…筈。
■影時 > 「そもそも、使い手自体が故郷でも多数派――じゃねェからなぁ、忍びという奴は。
実例が少なければ、考えるのも難しいだろう。もとより、忍びの仕業と容易く露見してしまうのは、仕掛ける側としても……な?
雇われる側としては、命がけになるより雇って使ってくれる方が現実的かつ合理的だ。
――そうだな。箱入り、というのが頭に付きそうだが、お勧めでもあるなら本も一緒に教えてくれ」
暗殺や潜入工作にしても、直ぐに露見しては意味がない。そして下手人が捕まってしまうことだって避けたい。
だから、自分から忍者である。忍びであると口にするのは、頭がおかしいか聞いた人間を永遠に口封じできるかのいずれかだろう。
このあたりの意見は多種多様だが、己の意見としてそう考えている。思っている。
分身術の応用で幻術の類を仕掛けることもできるが、何処かに潜入する際は――だいたい身なりを変えるのが常道だ。
術を凝らした仕込みよりも、化粧で少し顔の印象を変えて行き先に応じた服装の方が、やはり何かと手っ取り早い。
だから、身なりには何かと気を遣う。聞ける人間でも、意見を貰えるならば、耳を傾けてもみたくなる。
「大変結構だ。……名に括られるとも云う奴、か。
人間の行為、目線の上での行いでもあるが、神の所業の縮図――とか何とか、何かの入門書だかに綴られている記憶があったなァ。
まあ、落ち着け落ち着け。こういうのは、な。茶か酒でも飲みながらゆっくり遣るのが一番だ」
故郷の任務――否、忍務として妖怪変化の類とも相対することなどあれば、対抗策として魔術的、呪術的な知識も身に付く。
自分から使うことはめったになくとも、少女が熱を上げる知識の類にも、おのずと通じてしまうものだ。
名づける際、名付け親になるようなことがある際は、熟慮してせよ等も、己に手解きした者もそう語ってたかと。
長めの前髪の合間から、きらきらとした眼差しさえ見えるかのよう。そのような仕草に落ち着け、とばかりに手を動かそう。
寝物語か、茶か酒を手元に置きながらの対話か。
「――まァなァ。知らんわけでもないが、それを敢えて問うてみたりするのも、愉しいもんだ。
その手の欲動やら何やらは排せよ、禁じよとか頑なに云う道義が何やらが長かったのかね、多分。
然り然り。鉱物じゃなく、植物由来のものよ。気候と土壌が合わないとな、どうしても交易に頼るしかない。
ラファルに頼めば、ひとっ飛びなんだろうが――甕を担いで買ってこい、とさせるのもなぁ」
国民性なんだろう、やはりきっと。恐らく。それに引きずられるように染められるの己も大概か。
故郷に由来するものがひょいひょいと容易く、気軽に手に入ることほど、恐ろしいことはない。土地や国の境目もあって無きが如きだ。
入手と維持の難易度の高さ故に、高くつく品というのは、諸外国の交易の経路と密さにどうやっても依存するしかない。
鍛冶や金工、裁縫や革細工の類は生活の手段として覚えてはいても、匠の技の粋とされる品々には太刀打ちし難い。
もとより、加工前の材料、製品とする前の中間材の類が手に入らない場合、技術があっても如何ともしがたいのだ。
故郷に由来する品であれば、弟子をはじめ飛翔に優れた竜をおつかいに行かせるという手立てはあっても、運搬力では限度があろう。
「そのために時間を取っているわけだから、な。
このあたりも請け負っている家庭教師の業務だ。――他の誰かに相談しづらい、頼みづらいってなら、ある意味うってつけだろう?
ははは、怪談……沙汰になンのか?こりゃ。怪談のネタであってもナニかしそうな気がしなくもねえ、お国柄なんだが」
吸われる若輩者も居れば、吸われても動じない、どうとでもしてしまいそうな猛者の卵がかの学院では犇めいている気もする。
何せ、かの商会の血縁者以外で腰に帯びた太刀が震える――というのは、幾度もあった。
竜種、または竜の血を引く何者かがやはり他にも幾人もいるという証左だ。そういったものは、急激な魔力の減衰にも耐えられる可能性がある。
怪談の源になる悪霊やら生霊の類が居ても、手籠めにしてしまいそうな気がするのは、国民性であろう。そう思わなくもない。
――さて、それでもなお、槌の能力、特質は強力だ。此れまで試したのは把握している限りの"基本"の機能である。
少なくとも入手した、獲得した段階ではそれ以上の機能特性はなかったのだ。
それらの機能の所以となるのは、材質たる魔骸鋼石の使用量、そして純度である。
己が保有する防具、そして武器と比べて、柄から槌頭までまるまるすべてが魔骸鋼石で構築され、心金、芯となる個所は最高純度の材質である。
かの材質が最高純度での使用が基礎とならないのは、恐らく特質を生半に御し得ないからであろう。強力過ぎるのだ。
強度はそのままで御しやすくできるなら、精錬も含め手間暇かかる最高純度の素材は主ではなくなる。それでもなお――。
「……――加減している筈でも、かぁ。やっぱり恐ろしいなぁ……っ、は!?」
練度、そして氣の量も卓越している筈の己でさえ、それなり以上の消耗を強いる。強いられている。
術を解けば氣を引き戻せるはずだが、損耗した分、戻らぬ分とはやはり軽く見ることができないレベルのものである。
だが、一体まともに無事でいられるのは、講義内容としても用意した備えのお陰だ。
件の槌を手に入れた際、持ち帰った装備を加工したものである。魔力収奪に対抗できる防護服とも云えるローブを着物に仕立て直したものだ。
使い捨てではないレベルで魔化されている特質は、仕立て直されてても損なわれてはいない。だから、茶目っ気を出して分身がお尻を撫でに行くということもできる。
できたが、その反応、リアクションとは激烈のひとことである。
反射的ともいえる動き、速度で振り返り、槌の横薙ぎの一閃が――文字通り唸りを挙げる。軽く振るえるがゆえに、速度がある。
白い着物を羽織った分身が、身体をくの字に曲げて吹き飛ぶ。すっ飛ぶ。その感覚に術者たる己が、思わず声を上げる。
すっ飛んだ分身体は地を二度、三度バウンドした果てに、ばふっと煙を上げて消える。他の分身たちもまた然り。