2022/01/23 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院/修練場」にファムさんが現れました。
ファム > 「ここかー。」

王立コクマー・ラジエル学院、その武技を鍛える為の修練場にその黒衣の少女(?)は立っていた。
静かな空間に間の抜けた声だけが響くのは他に誰もいないからだろうか。
しかし、その少女(?)の姿はあまりにも肉体を鍛える場であるここに不似合いに見える。
引き摺るほど長いドレス、無理矢理寄せて上げたと思われる薄い胸の谷間、お尻がわずかに覗くほど開いた背中。
そして、何より少女(?)の瞳は閉じたまま、一歩歩く度に蒼髪やドレスにに装飾された鈴やベルが軽やかな音を奏でる。

「ふむー、少し狭いけど悪くない……かな?」

瞳を閉じているにも関わらず、迷いなく手近な木人に右手を当てる。
そして、不意に轟音と共に弾け飛ぶ木人。

「強度足りないのでは?
 ってか……あれ?もしかして壊したら怒られる奴では……?」

簡単に弾け飛んだ木人へと瞳を閉じたままの顔を向けてのダメ出し。
そして、いきなりの始末書案件疑惑に冷や汗を垂らす。

……誰も見ていないはず。
確かめるべく軽く身を揺すると全身の鈴が鳴り、修練場の内部のすべてが手に取るように分かる。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院/修練場」にトワさんが現れました。
トワ > 鈴の音による感知に、思ったよりも近くから気配が帰る。
相手も鈴の音で気づかれた事に気づいたのか、鈴の音のすぐ後に声がかかる。

「ファム様、それ生徒用の木人ですけど、何してるんですか。
貴女の軽い一撃に生徒仕様の木人が耐えれるはずないでしょう?」

王国貴族の3男で、街で甘味処を開いている、女性と同じく王立コクマー・ラジエル学院で教員として登録されている一人。
東方風の顔立ちに、浴衣と言われる東方の衣装が特徴的な、青年。

呆れたような口調で、声を掛けてくる。

「というか、その調子だと、生徒教える時手加減重ねても生徒無事では済まないんじゃ?」

木人の破片をみながら、大きくため息をつく。

ファム > 「み~た~な~?」

背後から掛けられた声におどろおどろしい声を上げて振り返る。
そこにいたのはいわゆる忍と呼ばれるクラスの青年だった。
エコーロケーションで察知した輪郭と声音から、何度か身辺警護に着いていたことがある相手であると分かる。

「そうは言うけどさ、トワー。
 触っただけデスよ?ホント。」

不満げに唇を尖らせ、青年の元へと歩み寄る様子はまさに拗ねた子供。
幼い見た目に見合っているとは言えるが、その実年齢は24歳。
ツインテールと合わせて痛いと言われてもぐうの音も出ないお年頃だ。

「生徒相手は撫でるだけだから大丈夫ですぅー。
 っていうか、トワはこんな所で何してんの?」

まるで気安い友人へと話しかけるような口調は、その身分の高さを感じさせない。
もっとも生真面目な者には堪ったものではないだろうが。

トワ > 「見ましたとも、全く…いやファム様の触ったは、俺がかなりの強化入れた一撃とどっこいじゃないですっけ?」

普段は刀を使っているが、どちらかと言えば体術の方が強いという、普段は実力を隠すような青年。
身体、物質の強化系魔法を使う事で、それなりの相手までは対応できるはずだが、目の前の女性とは数合持つかどうか。

「まぁ、見ていたので触っていたという言葉に嘘が無いのは知っていますけど」

苦笑しながら、はいはいと、頭をポンポと撫でる。

「あぁ、入ったばかりですし、挨拶周りですよ、店の饅頭の宣伝がてら。
そういえば、臨時とはいえ同僚になるんでしたか、良かったら食べますか?」

その口調には警護中になれたのか、軽く返しながら。
挨拶の帰りなので、数個しか余ってませんけどと、言いながら袋に入った饅頭を、女性の手に持たせる。

ファム > 「風評被害広めるのやめてもらえますぅー?
 こーんなにか弱い乙女捕まえて化け物みたいに。」

年下の青年に頭を撫でられ、むっすーと頬を膨らませる。
それでいて両手は無理矢理作った谷間の前で組んでか弱い乙女ポーズでアピール。

「あー、もらうもらう。
 トワんとこのお饅頭結構美味しいよね。」

手渡された饅頭を小さく齧り、嬉しそうに頬を緩ませる。
軽い口調で隠されてはいるが、その仕草は生まれの良さを感じさせるもの。

「同僚?同僚なの?
 私たまに適当に鍛えてやって欲しいとしか聞いてないからよく知らないんだけど。」

心身の問題で嫁に出せない王女ではあるが、遊ばせておくだけでは風聞が悪い。
何か仕事を……と言う王宮の思惑。
そして、学園としても魔王討伐を果たした勇者であり王国の姫が教鞭を執るとなれば箔がつくし生徒も呼び込める、そんな思惑が合致した結果の非常勤講師の立場である。

「トワは何教えんの?
 やっぱりあやしい術?にんにんって。」

両手を組んで人差し指を立てて、にんにんと所謂娯楽文庫のテンプレート的忍者ポーズ。
もっとも子供が見れば、その手の形はカンチョーだと喜ぶだろうが。

トワ > 「いや、事実に基づいた言葉なんですけど。
はははは、ぱっと見はか弱い乙女なのは認めますよ、はい、可愛いと思いますし」

警護に付く時に腕試しという名目でボコられた記憶があるんですが、と遠い目。
可愛いという言葉は嘘ではないらしく、結構本気な声音で。

「そういって貰えると作る甲斐がありますよ。
いや、側仕えの人何してんの?
とりあえず、王立コクマー・ラジエル学院の教師という意味で同僚ですね」

説明をきちんと受けていない様子に、此処にいない側仕えの誰かに突っ込み。

「流石にそっちは教えられないので、身体強化、エンチャントの魔法と、模擬戦の相手ですかね。
斥候系の生徒に不意打ちの仕方やら、虚の付き方なんかも」

忍術なんかは、家の問題もあるので表に出すわけにいかず。

「ファム様は、聞いている所だと神聖術と体術、ですよね。
生徒には、手本見せるだけでいいんじゃないですか?」

神聖術はまだしも、体術は心配しかない、もう一度見えない側仕えに突っ込みを入れつつ、提案してみる。

ファム > 「えー?何ー?ナンパ?
 私王女なんですけど?軽い女じゃないんですけど?」

この年になると綺麗と言われるより可愛いと言われるほうが嬉しい。
思わずにまにまと笑いながら、照れ隠しに手近な案山子を叩いた、爆発した。
まあ、もっとも不老の呪いで見た目は少女時代のままだから、綺麗と言われる機会のほうが少ないのだが。
さらに言えば、この王女、スカートの中ではお尻から宝珠を連ねたモノを垂らしているわけだが。

「いやー、メイとかもうあんまり小言言わなくなったのよ。
 やっと私もちゃんと出来るってことを理解してくれたのかしら?」

顎に手を当てて、出来る女のポーズ。
もっとも真相は側仕えの侍女が、行きずりの男の上で腰を振っている王女に巻き込まれて気持ちよくさせられてしまって以来、王女に仲間を見るような目を向けられるようになってしまったせいなのだが。
婚約間近な恋人がいるのに、彼より気持ちいいと言わされたことがよっぽど気まずいらしい。

「あ、模擬戦の相手いいね。
 授業やる時手伝ってよ。」

つまり、砕け散った案山子の代わりを勤めろ、と。
瞳を閉じたまま、満面の笑顔を向ける。

「神聖術はまあ、ある程度理論だって教えられるんだけど、体術は難しいんだよね。
 実際、私ほら、天才だから?
 殴られて覚えろとしか言えないのよね……。」

いかに王宮と学園が客寄せパンダとしてしか見ていないかがよくわかる発言である。
困ったように頬に片手を当てて嘆息ひとつ。