2022/01/14 のログ
ご案内:「冒険者ギルド」にクレイグさんが現れました。
クレイグ > 【待ち合わせ待機中】
ご案内:「冒険者ギルド」にフェリーチェさんが現れました。
クレイグ > ある少女からの依頼で一定以上の魔力貯蓄量を持つ魔石の収集依頼を引き受けて、他の討伐依頼のついでにこなすことしばし。
3個必要との事でそれに合わせて討伐依頼を受けて魔石収集を終わらて。

今日はその引き渡しの日で、ギルド員立ち合いの元で少女に確認を頼むことになる。
少女の年齢と戦闘能力がないであろう事を考えて、知り合いのギルド員に頼んっで個別依頼用の部屋を準備して貰う。
代償は今度その職員が持っている所謂、塩漬け依頼を引き受ける事に。

立ち合いのギルド員は知り合いでもない人間で、こういった立ち合いの専門らしい。

「それじゃ、預けた魔石を彼女に、どの魔物の魔石か説明も頼む」

そう声を掛けると、女性ギルド員が話し出す。

『貯蔵量はどれも規定以上、こちら少し大きめの物がエルダートレント、こちらがトロール、最後此方がストーゴーレムの物になります。
簡易ですが魔術師ギルドの貯蔵量鑑定書と、冒険者ギルドの討伐照明、魔石鑑定証明書になります」

少女の前に、布を張った小さな台座に3つの魔石が乗せて、少女の前に置かれる。

フェリーチェ > 本日の装いは、膝下まであるクリーム色ニットワンピの腰回りをワインレッドの幅広リボンでゆるく絞ったもの。
細やかなボトルネックのフリルと袖口のもこもこが冷たい外気を遮断。
ついでに黒ニーハイが肌の露出を許さない。
ローファーと斜め掛けしたショルダーバッグは、どちらも似たような焦げ茶色の革で整えられている。

バッグをやや前に回して片手を添えるのは、詰め込んだ貨幣の重み故か。
兎にも角にも、膨らんだバッグ以外はプライベートな冬のお出かけ仕様となっており、進み出た様子こそ真剣ではあるけれど場違い感がやや否めない。
そんな少女は台座の前で職員に会釈し、軽く折ったハンカチ越しに魔石を転がす。
少女が宝飾品の取り扱いで培った目と指は、少なくとも樹脂製のイミテーションでない事は理解する。
しかし、魔石の質、という肝心の部分は少女の目だけでは判断付かず、証明書に目配せして。

「たしかにーーーー確認しました。
 ありがとうございます、まさかこんなに早く達成して頂けるなんて!
 もしかして、既にお持ちだったものを見繕って来たとかでは……?」

望外の幸運に表情を綻ばせて振り返る。

クレイグ > 冒険者の男は、先日あった時と変わらぬ様相。
頑丈そうな飾り気のない衣服に、硬皮鎧を部分でつけ、黒い大き目のマントを今は外して椅子に掛けてある。

「いや、前の時も言ったけど俺は魔石とか持ってても使えないから、手に入れたものは全部売ってたから。
それは、全部討伐行ってきた感じだ…一個だけ予想外が合ったけど、それに関してはお嬢さんじゃなく、ギルドの問題だったんで、ギルドから保証されてる」

ちらっと職員の女性を見ると、その女性は困ったような顔をして、頭を下げるのみ。

「ま、あとは報酬を俺が受け取ればその魔石は晴れてお前さんの物って事だ。
問題がなければ。報酬を貰ってもいいかな?」

苦労話は約束してた食事ででも話すよと、苦笑しながら、立ち合いの職員へ合図を送る。

『それでは問題がなければ報酬をクレイグ様にお渡しします、大丈夫ですか?」

そう言って、机の上に空の台座を置いて、差し出す。

フェリーチェ > コクコクと納得を強調するよう二度頷いて、再び魔石に目を落とす。
少女の手元に届くのは、常に粗方整えられた品ばかりだった。
こうして全くの未加工品を目にするのは珍しい体験であり、予想外の齎す問題のアレコレは推定出来るものではない。
保証されたなら十分、そんな満足げな顔で口元が緩む。

「問題有りません、お願いした通りのようですから。
 3つ全て買取対象です」

百点満点の依頼達成を宣言し、差し出された台座の前でショルダーバッグを開く。
このショルダーバッグには大きく分けたポケットが2つあり、片方には魔石を入れる緩衝材を詰め込み、もう片方には布と貨幣。
決められた枚数を薄布で包んでまとめた棒を3つ取り出せば、確認のために開いて台座へ、それから手数料分の支払い用に数枚の銀貨と銅貨も個別に取り出す。

受け入れ準備万端、とばかりにもう片方のポケットの緩衝材を押し込んで、待ち侘びた少女は踵をトントンと浮かせながら体を揺らす。

クレイグ > 『それでは、こちらはクレイグ様に…証明書の方はフェリーチェ様の方で必要であればお持ちください。
お二人に依頼達成の証明書をお渡ししておきます、これ以降の交渉などはギルドが関与いたしかねますので、お互いの方でご相談ください。
それでは、私はこれで失礼いたします」

硬貨を乗せた台座をクレイグの前に移動させ、ギルドからの達成証明書を二人に差し出すと、職員の女性はギルドの仕事は此処までと言う様子で、部屋を出ていく。

「そんじゃ、こっちはありがたく…で、どうする、前言ってた約束通り飯いくかい?
ここら辺で旨い飯出す店はしってるから、案内するけど」

棒状にまとめられた硬貨と証明書をそのまま小袋へしまい込むと、肩をごきっとならし、形式ばったのは苦手だ、と苦笑しながら声を掛けてくる。

フェリーチェ > もう離さないとばかりに一つ一つ魔石を緩衝材の奥へ埋め込み、証明書も端の方へ突っ込む。
対応してくれたギルド職員を深々とお辞儀して見送れば、達成感に頬が赤らむ。

「はい、ぜひご一緒させてください♪」

最後のひと仕事といった受け取り対応が済むと、おめかしした姿に相応しい浮き立った高めの声音で応える。
お腹の前で抱え込んだショルダーバッグは先程よりも萎んでしまったが、冒険者ギルドにやってきたとき以上に大事そうに両手で押さえ、男のもとに軽く駆け寄る足運びには無意識の慎重さが滲む。

クレイグ > 「それじゃいくかね…そうだな、ギルドから少し歩くけど、色々出してくれる店がある。
女性冒険者が甘味も美味いって言ってたし、そこで良いか」

普通の飯も美味いんだけどな、と注釈を入れて、立ち上がりマントを羽織る。

「近くの職人とかもくるし、祝い事で家族なんかでも来る店だからここら辺の冒険者向けよりはフェリーチェの嬢ちゃんも安心できるだろ」

冒険者ギルをを出る二人をぱっと見れば、お嬢様が強面の護衛を連れてギルドから出てきたように見えるであろう状況で。
逆にそう見えるように、男は少女の少し後ろに立って、歩む速度を合わせる気遣いも見せる。
この状況で少女に態々声を掛けてくるような相手もなかなかいないだろう。

言った通り少し距離はあったが、冒険者相手というより一般的な人を相手にしているような、食事処へたどり着く。
看板には、肉料理やスープ、酒の名前の他に、パンケーキ等の腹に溜まる甘味や、クッキーやケーキなどのデザートも扱っているらしいことが掛かれている。

ウェイトレスが案内してくれる席へ着いて、フェリーチェへメニューを渡してくる。
何度も着ているようで頼むものは決まっているらしい。

フェリーチェ > 背丈は年齢と同じく親子ほども開きがあり、かといって顔立ちから親子とは思われそうにない妙な取り合わせの二人は、ギルドから出てきたことに加えて男の気遣いでますます近寄りがたくなっただろう。
ただ少女の方は、父親と接するときのように上を見上げながら会話する。
なんとなくとはいえ妙な気を起こして近づいてくる気配が、周囲に全く無いためかも知れない。

「甘いモノ……覚えててくださったんですね。
 私もお腹好かせてきましたから、ご飯も楽しみですよ。
 空腹は最高の調味料って言葉を知ってますか?
 わたしも少し前に知ったというか実感できたというか……お腹ぺこぺこだから、きっと沢山食べられちゃいます」

自身の狭い歩調でゆらゆら歩く少女のボディラインは、冒険者基準で食べるには細すぎるが、その笑顔には本気の色が混じっている。
食事処の門前でてっぺんがちょこんと赤くなった鼻をひくつかせ、早くも満腹を誘発しそうな香りにため息を吐く。

「あ、ポタージュの小サイズお願いします。
 冷えたオレンジのネクターも、メインの後で一つ。
 それから肝心のメインには……クレイグさんのオススメはどれですか?」

爪先が辛うじて床を擦る椅子に腰掛ければ、さっそく少女自身の定番の形式で頼みながら、オススメ品もきっちり味わおうと問いかける。

クレイグ > 「基本的に離した相手の事は大体覚えてるからな。
…その言葉は俺もイヤって程よく知ってるぞ、冒険者として駆け出しのころは食料の計算とか間違ったし」

人の事を記憶するのは仕事柄得意でな、と言いながらとんとんと頭を指で叩く。
あのときは見つけた薬草そのままくってな、と苦笑する。

「メインでお勧めか、がっつり食えてある程度さっぱりもしてる、ベリーソース使ったステーキとかどうだ。
サイズ選べるからな、自分に合ったのを頼むと良い。
俺は、そのステーキのLと、芋のポタージュ、あとワイン…んー、ベリーのパイも頼む」

問いに応えながら進めたステーキと他の物を注文していく。
フェリーチェはデザートの分も考えて頼めよと、軽く忠告をしつつ。

フェリーチェ > 「食料の計算を……それは大丈夫だったんですか?」

基礎教養を学んでから放り出された少女自身とは随分違った角度から襲いかかった危機的状況に戦慄し、思わずそう問い返してしまう。
本人が目の前に居るのだから、野垂れ死んだ筈も無いのだが。

「じゃあソレのM……ん〜Sお願いします!
 合わせには赤カブ、なければ他の根菜を」

少し迷った末にデザート用の胃袋を残すことにした。
メニューを置いて椅子に深く座り直すと、ついに足が届かなくなってぶらつかせる。
だがバッグを抱え込んでいることもあってか、その辺の町娘よりよほど綺麗に背筋が伸びた格好で落ち着く。
魔石の確認に使ったハンカチを広げ、子供の割に高い視点で店内を見回す。

「ふぅ、えっと、改めて……魔石の調達有難うございました。
 最近他国から輸入品が入ってきてるって聞いたのに安くならなくて、ほんとうに困ってたんです」

フェリーチェ > 【あっ!?他国=シェンヤンのつもりで発言したけど記憶違いでした。ごめんなさい、何処か見知らぬ他国ってことで(苦笑)】
クレイグ > 「薬草の知識とかはあったし、水は現地で汲んだから…あのときほど小さいながら鍋を持っててよかったと思ったことは無いな。
水を沸騰させられたから、腹壊さずに済んだ」

ようは食っても死なない薬草と水だけでしのいだらしい。
注文が済んだのをみて、思ったよりは食べるんだなと考えながら。

「魔石は大体魔道具系使う師団とか傭兵団なんかが買いまくるからな、そこそこのでも値段が下がらないよな。
こっちは依頼として受けて、報酬も貰ってるんだから、あんま気にしないでいいけどな」

それに可愛い子と縁もできたしと、冗談ぽく笑いかける。
強面が笑うとある意味怖かったりもするのだが。

フェリーチェ > 「…………」

戦慄は、助かった説明を聞いてからの方がより深く少女の胸に刺さった。
冗談めかした表情が少し強張りを帯びる。
この話題は食事処で相応しいかどうかと脳裏で必死に考え、新たな話題を捻出しようと記憶を掘り出す。

「やっぱり組織だった買取先があると安定しますね。
 個人利用したいと思ったときに困るんですけど、かといって普及しない物になっても困りますし。
 そうそう、困るといえばギルドの人がなんだか途中で困ったような顔してましたね」

他人を出汁にすることにして、いかにも気になりますという風に手を叩く。
覚悟していった冒険者ギルド内ではともかく、この和やかな雰囲気では流石に男の厳つさが気になって努めて笑みを浮かべながら。

クレイグ > 「あれか…渡した魔石にエルダートレントのがあっただろう、あれな…依頼ではトレントのはずだったんだよ。
調査不足だったのかは、知らないが倒した後近く調べてもトレント種他にいなかったし、目標がそいつなのは確かだったんでな。
トレントとエルダートレントじゃ脅威度が違いすぎるんで、ギルドの不手際って事になって、報酬が増額」

増えた分はギルドの持ち出しになったし、依頼の情報が違ってたって話は漏らせないんで、困り顔してたんだ、と説明。
かなり危険だったのだが、その話はそれこそ食事の時にする者ではないし、ギルドからの増額には口止め料も入っているので、他の冒険者にも言える物ではなく。

「他の冒険者にはいってくれるなよ、俺が困るから」

説明してから、顔を少し近づけて、小声で頼み込む。

「そうだ、口止め料としてこれ貰ってくれ」

小袋を少女の前に置く、中を見ると渡された三つより小振りで傷が少しついた魔石が一つ。
予想外の魔物が魔石もちで、ぶったぎったら傷がついて売れないって言われてな、と苦笑。

フェリーチェ > 納得したというような顔で頷く少女は、実際のところ脅威度の差異がどれほどのものか判然としていない。
単純に情報に間違いがあったことだけ理解して、分かった気分で首を縦に振っただけに等しい。
けれど、黙っていたほうが良いことは身に沁みて本当に分かっている。
テーブルに身を乗り出し、傷のある魔石を自分で理解できる範疇……宝石と同様にどれだけ削れば使えるかの視点で眺める。

「まあ……頂いておきます。
 小振りのものでも使い道は一杯ありますものね」

敢えて口止めという話に触れないことで察した事を示し、手早く魔石をショルダーバッグへ入れる。
少女の見方ではもはや表面が多少傷つこうが構わず、剥き出しのままの魔石を雑に貨幣の上へ……。

クレイグ > 「今夏の魔石収集は討伐依頼が運よくあったのと、それが手に負える相手だったからこれだけ早く揃った感じだな。
下手すればもっと期限ぎりぎりだったかもだし」

机に置かれ始めた注文の品を悪にしながら、少女に言いつつ。
飲みの語がそろったのを見ると。

「それじゃ、お互いの幸運に、ってことで」

コップを持って、少女の方へ軽くかざす。
軽い話もしたし、乾杯して食事としようか、とそんな感じらしい。