2022/01/05 のログ
■竜胆 > 「いらっしゃらない、わね。」
暫くの間、歩き回っていても、目的の人間は見つけることが出来なかった。
仕方がない、と肩を竦める異にする、そもそも、連絡することなくこの町で人を見つけるのは難しい。
普段からふらふらしている人物なら兎も角、だ。
肩を竦めてから、苛立ちのままに尻尾を地面にたたきつける。
目的はすべて達成されたし、今日はここにこれ以上居る理由はない。
少女は訓練所を後にして、そのまま去っていくのだった―――
ご案内:「平民地区 訓練所」から竜胆さんが去りました。
ご案内:「娼館通り」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 酒場や飲食店が立ち並び、服飾店や雑貨を物色する人々や、一夜の快楽や日銭を求める娼婦と客らで賑わう夜の街。
「…そ、それじゃ…っどうも、ありがとっ…! また、きます、からっ。」
その一角の魔物の素材屋や、珍しい香料や精油を取り扱う雑貨店。
素っ裸に桃色シャツという開放的すぎる寝間着のような姿の、小さな薬師が、
今日はその服装やカラダのシルエットがすっぽり隠れるオーバーサイズのフードローブの懐をしっかり閉め、
たった今購入した魔物の皮や牙、内臓の干物や茸や体液の小瓶をつめたバスケットをぶら下げて、
ぺこぺこ店主にお辞儀をしながら退店してきた。
「……ふ~っ…これで、十分かな…? いそいで、治さなきゃ…っ」
その姿を隠している理由は、夕刻に試作していた肉体変化の薬の調合失敗。
フラスコから煙幕のように立ち上った煙を吸い、浴びてしまい、
その肉体は少年に想定外の変化をもたらしてしまったようで、
その姿を隠すためのフードローブ姿であり、治療薬の素材の買い出しあった。
はたして、フードの奥ではどのような変化を遂げていることか。
ミレーのように獣人の要素を得てしまったか、性別や年齢や、体の一部が変わってしまったか…
それはその姿が、誰かの前で晒されるまで一見しては判別できず…。