2021/12/11 のログ
ご案内:「布に包まれて」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 「んんっ……―――んぅ…すぅ…」
寝息を立てながら、長いまつげの目元は安らかに閉じ、
深く眠りに落ちていた意識は徐々に目覚めへと向かっていく。
すっかり冷え込んで聞いた外気に比べて、少女のように華奢な幼子が眠り、くるまるこの布の中は、高めの代謝でぽかぽかに温められていて、
なかなか外に出難い誘惑の人間こたつ状態。
毛布の中で丸出しの太ももを、すべ、すべ、とこすり合わせて、心地用に口元をむにゃむにゃさせていた。
黒髪をすっぽり布の中に突っ込んで、子猫さながらにぬくぬくと暖を取る薬師の子が目覚めるのは、
自分の自宅であるテントの寝所の毛布の中か、
あるいは王都のどこかの宿泊施設の一室か、他人のベッド…
そのどれとも違う、思いもよらぬ目覚めの場所かもしれない。
ご案内:「布に包まれて」からタン・フィールさんが去りました。