2021/10/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にランバルディアさんが現れました。
ランバルディア > 香ばしい焼き菓子やパンの匂いが鼻を擽る通り。
活気良く呼び込みする店も多い。
片腕にはもうパンパンの紙袋を抱えているのだが、その男はまだ買い足すつもりのようで。

「……んー、此方も美味そうだな」

口元に手を当て悩む姿と白衣を合わせ見ると深刻な病のカルテでも見ているようだが。
目の前にあるのは、菓子類のショーウィンドウである。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にファリエルさんが現れました。
ファリエル > 平民地区の商店街に、給金を握りしめたメイド服姿の少女が姿を見せる。
お遣いで何度か訪れているために、足取りに不安なところはなく、真っ直ぐにお目当てのお店にまでやってくる。
焼き菓子が人気のこのお店は、よく店先に行列ができていることで有名なのだけれど。
今日ばかりは、普段は見かけないような長身の男性がショーウインドウを覗き込んでいた。
見れば手にはパンパンになった紙袋を持っているにもかかわらず、まだ買うつもりのようで。
どこかで配りでもするのかな、と首を傾げ。

「……ここのお店なら、アップルパイが一押しです。」

普段から足繁くと言えるほどではないけれど、店主に一応顔を覚えて貰える程度には常連の少女としては
お店の売り上げに貢献しようと、悩んでいる様子の男性にそう声をかけ。

ランバルディア > 直ぐ側から、声が聞こえた。
オススメの焼き菓子に視線をやるより先に振り向いてみると、少女がいた。
男好みの瑞々しい魔力を感じる。
周囲には甘い香りも香ばしい匂いも満ちているからか。
声をかけられる距離にまで近づかれて気付かなかったのが不覚だ。

「……それじゃ、嬢ちゃんのオススメに従ってアップルパイを」

店主の方に向き直り、どうも顔馴染みらしい少女とみれば声掛けに応じることにした。
自分で試しに喰う分と、持って帰る分と、おまけで少女の分を。

ファリエル > 「そんなに簡単に決めちゃって大丈夫なんでしょうか…?
 どこかに配ったりするのでは……いえ、美味しいのは間違いないので、その点のご心配は不要なのですけれど……」

悩んでいた様子にも拘らず、あまりにあっさりとこちらのオススメに決められてしまうと、それはそれで少し心配になってしまう。
美味しいのは間違いない。
それはしっかりと断言できるのだけれど、時と場合によってはもうちょっと日持ちのするものであったり、
見た目に気を使ったりも必要かもしれないと心配そうな表情を向けて。

「え? あ、あの、自分の分はちゃんと自分で……っ」

慌てて刺繍の入った可愛らしい財布を取り出すと、自分の分を払おうとする。
それでも押し切られてしまいそうになると、店主の方へ助けを求めるような瞳を向け。

ランバルディア > 「そこはオススメした以上自信持ってもらわないと、なあ?」

取り出し、包みを始めようとしている店主と視線を交わして、共に笑う男。
香りだけでも美味しいだろう事がわかるからこそ叩ける軽口で。
大きく見下ろす位置にある表情には、ゾクゾクと嗜虐欲を煽られてしまう。

多かれ少なかれ店主も似たような気分なのか、『毎度』と過剰なくらいの笑顔を少女に向けて。
男が差し出した代金を受け取り、丁寧に男の分と少女の分とをわけた包みを男に差し出した。

「軽い情報料だよ、情報料。男に恥欠かすもんじゃねえの。
 ……メイドさんは買い出しか?お休みなら、こいつで茶でもどうだ」

少女の分を男の手から差し出しながら、仕立てのいい身なりに視線を移す。
可愛らしい財布を持って買い出しというわけでもないだろう。
気に病むというのなら、代価として付き合うようにと求める。