2021/10/05 のログ
黒曜石 > からん――ぼしゃ――。

空になった桶が、誰も使うことのない井戸に落ちていく。
水音に重なるのは木材が水底にぶつかる音。
きっと、もうこの井戸は使い物にならないだろう。

でも、きっと気にする者は誰もいない。
だってもうその村には誰もいないのだから。
夜啼鳥を従えた男ですら――。

ご案内:「王都郊外 滅びた寒村」から黒曜石さんが去りました。