2021/07/02 のログ
ご案内:「夜更けの森の中」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 冒険者は全ての責任を自身で担う個人事業主でありながら、
依頼を受ける際には一時的にせよ、継続的にせよ、徒党を組む事が多くある。
得意分野の役割分担による効率化に加え、生存率を格段に向上させる事が出来る為だ。
尤も、それは飽く迄も、経験や才能が近しい者達が組んだ場合の恩恵となる。
熟練が足手纏いの新米と組めば、当然、効率も生存率もへったくれもありはしない。

その不公平感を解消する唯一無二で、一番分かり易い方法が金、即ち、報酬の取り分だ。
他人の足を引っ張る半人前には、文字通り、半額の報酬しか支払われず、
熟練者や特殊技能持ちには二人前として、1.5倍や2倍の報酬を分捕る者も存在する。
そして、半人前同様、報酬の分け前を減らされる事が多いのが女性冒険者である。
これは性差別等ではなく、筋骨隆々の女は別として、怪我を負った際に自分を背負ってくれる男と、
まともに担いで走れない女、どちらと組みたいかと言えば普通は前者であり、需要が変われば値が変わる。
だが、そんな女冒険者でも等分の、或いは、それ以上の好条件の分け前を得る方法もあり――――。

「――――さて、飯も喰ったし、明日も早い。……そろそろ良いか?」

夜更けの森の中、焚き火に当たりながら、革袋の酒を呷っていた中年冒険者が傍らの女に声を掛ける。
相手は高額報酬の魔物退治の依頼を受ける際に分け前の等分を約束して一時的に行動を共にした女性。
その条件は、疲労やストレスを体で癒す事、即ち冒険中に肉体関係を結ぶという極ありふれたもので。

トーラス > そのまま夜は更けていき―――
ご案内:「夜更けの森の中」からトーラスさんが去りました。