2021/04/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 公開図書館」にアウル・リブライアンさんが現れました。
■アウル・リブライアン > 外は温かくなり、不揃いな雨や風が無い日は外に足を延ばしやすい
たとえそれが、閉鎖的な魔女であったとしても同じ
しかし日光浴が目的ではない 書物の保存に適した、一部に木造を取り入れた空気の流れがいい図書館へ
奥へ行けば行くほど、一般人には用のない、作者がわかるものにだけわかればいいというような
そんな書物が点在していく 逆に、入り口から近いものほど
絵物語や伝記 人が目を通しやすく、手に取りやすいものが並ぶ
日の明かりから遮られ、空気の流れがあり、紙と木の匂いが漂う此処は公開図書館
魔女が用もなく訪れ、目に入った題名本の頁を捲るだけで十分な時間を提供してくれる場所
故に今日も魔女は、首と腹部に体を巻き付かせる使い魔蛇と共に、書物の中を静かに歩く
ランプが点々と存在し、見える人の背は時々見えるだけ
時々、この場所が本と自分しかいない そんな気分にさせてくれる
自分以外の誰かを思い出させるといえば、棚と棚の間の通路
そこで存在する足場兼腰を下ろす、正方形の革張りで一緒に書物を眺めながら
何度か読み返すように頁を捲る指が動かないでいると、二股道になった蛇舌で
魔女の滑らかな頬を ぺろり と数度なめ上げて急かす愛蛇くらいなものだった
「急かさないで。」
涼しい図書館内 適度な暗がりもあり、蛇は黄色い眼で捲る頁の分をともに読む
魔女が手荷物で携える肩から下げたポーチから、時々水筒が取り出され
まだ熱いコーヒーが水筒蓋のカップに注がれ、魔女の口内に飲む時が、本から離れた一時だろうか
■アウル・リブライアン > ランプの明かりしかない光源
本棚に挟まれてできる通路
人の気配が、少なく、マナー上会話も少ない、独り言のようにささやく場所でしかない
故に、インドアな魔女や学者 新たな材料を求めた煮詰める者 まだ若い学びの徒が集まる
こんな腰を下ろすだけの場所では、本を読みながらコーヒーを傾ける
そんな危ない真似はできないでいる
故に、一冊一冊が読み終わるか 瞳が字と挿絵 それ以外を求めるようになったらしおりを挟んで閉じ、傍に置く
魔法瓶とはよく言った、水筒に満ちている熱いコーヒーを、取っ手付きの銀の蓋カップに注がれ、静かに吹き覚まし、啜る
片手は青い肌の、首から顔を出す愛蛇の顎を撫でながら
『シーシュルシュリュ?』
「シュルシャー シュル」
互いに、ささやくそれは蛇の言葉か 内緒話のように、秘密の会話を交えてコーヒータイム
値段が高いほど、労働と対価の基準から反して作られているかのように香ばしく黒い味が続く