2021/04/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 海の見えるレストラン」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > その日、メイラは珍しく暴虐な場所にいなかった
戦場から少し離れた人間味のある時間
鉄の音も、悲鳴もない世界

富裕地区でも割りと出入りのしやすいそこは、ドレスコードもなく身なりが綺麗であれば入れるだろう
メイラ自身も、四肢に身に着けている普段の装甲も、この時ばかりは手指は自由にさせていた。
海が一望できる窓辺が自慢のその店

海辺の見える場所がまだ空いていたこともあり、テーブル席にて席を則され、腰を下ろす
適当に大きな肉を一枚ずつ焼いて持ってくるように頼んだのであれば、その日の気分は白麦を醸した冷酒
ボトルが冷水に漬けられて運ばれるものの、食前にしては渋い味だった
最初の一杯は空腹に随分と響くもので、眉を顰めるほど。

「肉に合わせたのは、失敗でしたわね。」

いうや、裏表をカリッと焼いた一枚肉が来るまではちびちびと舐めるように口に運ぶ。

メイラ・ダンタリオ > やがて真ん中を桃色にさせた状態の焼き加減
網目鉄板の上で焼かれたそれが皿の上で出てくる
付け合わせもいらない肉だけの注文 擦られた緑色のそれは辛味根の一種
塩と香辛料を一緒に擦り付け、ナイフと二本歯のフォークで斬り取られた一辺がギザ歯で挟まれ、口内で噛み砕かれる

肉の余計な獣の匂いよりも、肉の味と染み出る肉汁
時折個性的な味のする冷やされた麦の醸し酒
メイラも、肉を食べたいだけで訪れているものの、海辺の景色も相まって機嫌はやや上になっていくだろうか。

「ん、まぁまぁですわね。」

特上肉を食べに訪れたわけでもない
海辺の夜の景色を眺めながら、時折酒場や道行の明かりが見える。
肉を食むたびに、血肉になっていそうな気もして、だんだんと体も気分が好くなってきていた。
満たされる頃になれば、腹ごなしにと少し暴れてもいいかもしれない程度には、萎んでいた胃に落とされていく。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 海の見えるレストラン」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。