2020/12/29 のログ
ご案内:「じっけんしっぱいの薬屋さん」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 王都の一角の空き地に許可を得て薬屋として設置しているテント。
その室内ではいつも小さな薬師がぴょこぴょこ駆け回って薬の調合や接客・販売に勤しんでいるのだが、
本日の店内は様子が違っていた。
「ぅな~~~~、ふ、 ふな~~~~っ!
にゃう、やっちゃった…ちょっとまずい、かも」
素っ裸の少女のような幼児体型に桃色のシャツ一枚の出で立ちは変わらず、
しかしその艷やかな黒髪からは黒猫めいた毛色の猫耳が、
小ぶりなお尻からは同じく黒の猫の尻尾が生えていて、
真紅の瞳の瞳孔は縦長に、口元からは仔猫らしい牙が生え、
困ったような声色は甘ったるくたどたどしい。
冒険や戦闘、あるいはある層に向けての夜のお供として提供している種族変化薬。
生成したそれを小瓶に詰める際に誤って少年自身の手や太ももにふりかけてしまい、
心身が猫の要素を取り込んだ獣人…ミレー種に近い変化を起こしてしまっていた。
「ぅなう…あう、どぉしよっ…。
まず、効果を消すおくすり、とらにゃきゃ…
でもでも、おきゃくさん、来ちゃったらタイヘンだから、閉店のかんばんにかえにゃいと…でもでも…」
猫らしいの奔放さや集中力の無さがどんどん思考を塗りつぶしていき、
右往左往するうちに、ころんっと少年の意思に反し、
その場で仰向けに寝転んで肉体はくつろぎはじめ、毛繕いのように己の手の甲を舐めはじめてしまった。
「にゃふ、んにゅ~~~っ…♪」
(ち~~~が~~~~ぅ~~~~~っっ!!! でも、ころころしたぃ~~~っ!)
そんな、切羽詰まりつつも間の抜けた薬屋の看板はまだ「開店中」のままで、
来客者は入店するなり、床で転がるとびきりくつろいだ猫耳尻尾の店主と鉢合わせることになるだろう。
■タン・フィール > その日は一日中、店の棚や椅子、空いた大釜の中などに丸まって入り込み遊んでいて、
来客者が保護や宥めようとしてもいたずら猫のように縦横無尽に店内を駆け回ったりの大騒動。
数時間後、薬の効き目が切れた頃には疲労困憊となった客達に陳謝し、
お詫びの薬を提供したとかしないとか。
ご案内:「じっけんしっぱいの薬屋さん」からタン・フィールさんが去りました。