2020/12/23 のログ
ご案内:「平民地区 ギルド区画 戦士ギルド」にシロナさんが現れました。
シロナ > 戦士ギルドの一角にある、武具訓練所、戦士はいつでも自分の実力を発揮できるようにしなければならない。
 新しい武器を手にすれば、その武器を手に馴染ませる必要があり、そのための訓練の場所と言うのがある。
 ただ、闇雲に戦って居れば良いという訳ではないのだ、とその創設者は言っていたが、さて、その理念をどれだけの戦士が覚えているものなのだろうか。
 華々しい戦場などに惹かれた戦士たちは、冒険者たちは、訓練をすることはそこそこに、出ていくのである。
 故にだろう、その武具の訓練所は人が少ない、他の模擬戦場と比べてみれば、良く判る位に人がいない。

「……しっ!」

 そんな訓練所の中で、一人の少女は武器を振っていた。
 白い髪の毛、褐色の肌、紅い瞳の幼い子供、未だ、成人と言う年齢に達しておらず、性別もユニセックスな年頃の子供だ。
 男の子と言えば、男の子にも、女の子と言えば、女の子にも見えるその少女は、その両手に、斧を持っていた。
 両手に斧、服装はレザーベストに、レザーのパンツ。冒険者を夢見る子供といって良いだろうその少女。
 右手に持った斧を振りかぶり、訓練所に置いてある打ち込み用の木人に袈裟切りで切りかかる。
 ズドン、と言ういい音が響いて、木人が倒れていく。

「ふぅ。」

 しばらくの間ずっと訓練していたのだろう、寒いギルドの中に居て、少女の方から、湯気のように熱気が立ち上り、消えていく。
 褐色の肌にも、幾つもの汗の珠が浮かんでいて、ほんのりとした、汗の匂いを周囲に撒いていた。
 近くに置いてあるカバンに近づいて、タオルを手にし、己の頬を、額を、汗をぬぐっていく。
 紅い目は、倒れている打ち込み台に向けられている。
 自分の攻撃の結果を、確認するように眺めて、むう、と難しそうに、唸る。

シロナ > 「やっぱ……一寸軽いよね……。」

 人竜だから、人と比べ物にならない筋力を持つ少女はそんな感想を漏らす。子供のように見えて、実際に子供なのだが、その手に持っている斧は軽い、と評する。
 元々、投擲用に作られているトマホークで、持って殴ることは出来るがそれは副次的な利用方法だ。
 柄を握り、分、と大きく腕を振って投げれば、ひゅんひゅん、と回転しながら的にぶつかり、木人を一体倒す。
 がしゃぁん、と大きな音が静かな訓練所に響いて消えていく。

「まあ、予備の武器、だし?」

 これはこれで、と思うのだけれども、メインの武器がポールウエポンであるハルバードなのでそれと比べれば火力に落ちる。
 ただ、魔法が上手く使えないが、遠距離攻撃の手段もあった方が良いと教わっている。
 なので、苦肉の策としての投擲武器、そして、トマホークだ。殴った感覚がないので、ダメージがどれだけか判りづらいな、と言う感想。
 桜色の唇をツンととがらせて、不満顔。
 と、言ってもまあ、良いか、とすぐに思いなおす程度。

「ぁ。」

 そして、一つだけ、厄介なことを思い出して周囲を確認する。人は居ないようだ。
 人が居ないのは、元々人気の無い場所だからなのだけども、一寸安堵。
 シロナとクロナの双子は母親の血を受け継いでいて。そして、母よりも、血の影響が色濃く表れていた。
 竜の方ではなく、淫魔としてのほうだ。
 姉は、それを当然と受け止めて、淫魔のように暮らしている。
 別にそれが嫌だ、とかそういう訳ではないのだけど、こう、そういう気分の時と、そうでない気分の時がある。
 訓練している時は訓練に集中したいと、言う程度だ。
 今は訓練も終わったし、良いのだけども、無意識のうちにフェロモンばらまいてなかったかな、と。

 でもきっと、可愛い子がいてフェロモンに充てられたなら手を出す。
 それは淫魔としての正義だと、姉は言うし、自分も、そう思う。

 ナンパ、行こうかな、とか。戦士のシロナはもう終わりの時間。

ご案内:「平民地区 ギルド区画 戦士ギルド」にソラムさんが現れました。