2020/11/21 のログ
フェリーチェ > 淫語の類は拒絶を生まないようにするためか、行為や詳しい知識から切り離した形で教えられていた。
嫁ぐことを考える年になればいずれ結び付けられたのだろうけれど、その未来は結局訪れることはなく……。
故に、男の物言いはまさに現実と主観が紐付いた新たな見地。
不思議な感覚に「むふっ」という声になり切らぬ息遣いで身体が強張り、ふるふるとウナジの辺りが震えた気がした。

「は、はい……もっと、深く深く、感じるのも、知ってます」

細めた目は男の姿をしっかり捉えてはいなかったけれど、自然に応じた後にしばし目を瞑って改めて開けば視線の先に男の顔。
間違いなく見られていると、意識せざるを得ない中でも一呼吸だけ置いて、乳首を掠めさせる指を止める。
肉棒を掴むよりもよっぽど慣れた仕草で少女は己の臍の付近を撫で、意識できる快感を一緒に撫で下ろすように掌を下腹部へ。
自分から"見せる"ようになってしまうスリップを捲りあげる仕草をするときは、赤らめた顔にほんのりむず痒いような笑みを浮かべる。

「いちばん柔らかいところを、撫でると、気持ちいいのがもっと強くなって。
 少し力を入れて、撫で…ううん、揉みながら…ここを擦ると……もっと幸せな、肉欲が湧いてくるんです。
 ふぅ……んふぅ♪……ふぅ………。
 ちょっと"ビックリする所"があるから慎重に、ぐいって、撫でて、揉んで……割れ目に指をあてて下から上まで」

膝のやや広く取り、徐々に細かく言葉にしながら3本の指を股ぐらに添わせる。
小指と親指は太腿の内側に軽く埋もれるように支えにして、クロッチ部分を狙って揉み込むような指使い。
中指だけ少し強めに押し当て始めれば、しっかり閉じた肉厚な花弁で出来た縦筋がくっきりとショーツに浮かび上がる。

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
少女が自らの躰を弄り、快楽にゆっくりと沈んでいく様を、静かに眺めている。
零す吐息も、己の顔を見つめる少女の瞳も、その紅潮した貌も。
そして――ショーツ越しに露わになった、雄を迎え入れる為の少女の秘部も。

たどたどしい奉仕も、煽り、嬲る様に自慰をさせたのも。
結局は全て、己が少女を弄ぶタイミングを計っていただけの事。
初々しく、無垢な少女に、己の手を伸ばした時。
既に仄かな快楽の焔が灯った少女が、どんな反応を示すのか。
そして、それは少女の"雌"を呼び覚ます事になるのか。
唯、それを愉しむだけの――

「……成程、成程?では、その"びっくりするところ"とやら。私にも愉しませて欲しいものだな。
比べた事が無いのだろう?なら、男に弄られる感触を――精々、愉しめ」

何の脈絡も無く、少女を押し倒そうと手を伸ばす。
それが適ったのなら、ベッドの上に押し倒した少女を見下ろしながら――少女の指を押しのける様に、己の指が少女の下着越しに、秘部に、触れる。
触れるというよりも、それは明確な愛撫。
下着を押し込む様に。陰核を探り、捏ねる様に。
少女に比べて、遥かに性交の経験が多い己が学んで来た愛撫の術を――突然、唐突に、少女に与えようと。

フェリーチェ > 自身を慰める行為を見られる恥ずかしさこそあれど、それが罰だと思えば指は言いなりになって動いてくれる。
指の腹がじっくりと撫でる行為にシーツが引っかかり始めると、自ら膝を浮かせてM字開脚に近い格好になってでも……。
力の込め方が大胆さを増していけば、男の先走りに濡れた掌もショーツを撫でる。
付着した汁は薄っすらと縦筋に沿った桜色を透かし、両端の花弁もまた貼り付いて、白い布地に白い肌の微妙なコントラストを演出する。
同じ色合いが目立たない分、中央部の色付きの悪目立ちは避けようがなかった。

そして、指先を深く押し込みだした少女のせいで、微かな水音が小さな穴の奥から新たに染み出す水気の存在をも示唆する。
さらにはもう一つ……水気を纏ったクリトリスの包皮が飛び出した部分も、貼り付いたショーツの上から形が分かるだろう。
大事な部分をこれ見よがしに曝け出していた少女は、足がやや浮いていた事もあって容易く仰向けに転がされ。

「きゃっ!?
 も、申し訳ございません、自分だけで楽しむなどあるまじき事でした。
 お許しぅひぅ!?つぁ……ンッ、アッ!?」

開脚した足を踏ん張りきれず、がむしゃらにシーツを掴んで顔だけ上げながら謝罪しようとした所で、小さく鋭い悲鳴。
スプリングのきいたベッドの上で、トンッ、と予備動作なく軽く跳ね上がる華奢な矮躯。
その間は最初から緊張していたためか然程長くなかったけれど、唐突に襲いかかった絶頂に少女の下腹部は無抵抗に戦慄く。
未成熟な少女の膣穴から急な収縮で絞り出された愛液は、元々半分透けていたクロッチに染み出して。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 少女が自分で慰めていただけで、蜜が滲み、ショーツを湿らせていく少女の秘部。
ショーツ越しだからこそ、寧ろ張り付いた布地に浮かび上がる花弁は、幼い少女とのアンバランスさも相まって淫蕩な画となっているのだろうか。

湿り気は、やがて微かながらも明確な水音を立てるまでに。
己に晒す為に開かれた両脚の付け根から、薄っすらと蜜の匂いすら漂う様な。
其処まで快楽の芽が芽生え始めていたからこそ――己の手が、少女に伸びるのだろう。

「何、謝る事など無いさ。そうしろ、と命じたのは私なのだからな。
……しかし私は、自ら慰めて気持ち良くなることは認めたが。私の指によって快楽を貪る事は、許しておらぬ。
……それなのに、触れただけで随分と濡らすものだな、フェリーチェ?」

自慰をさせたのも。少女自身に蜜を滲ませたのも。
全て己であるにも拘らず、少女の咎を責める様に、嗤う。
その一方で、張り付いたショーツの上からでも分かる程に浮かび上がったクリトリスを指先で摘まみ、弾き、時折優しく捏ねる。
ショーツごと、少女の秘部の中に指を潜り込ませようと、ぐに、ぐに、と指先が沈む。
5本の指が全て、唯少女に快楽を注ぎ、更なる絶頂へ導こうと蠢き続け――

「……許しておらぬのだから、もうイってはならぬぞ?
次にイったら、どうなるか。ああ、愉しみだな。フェリーチェ?」

少女をイかせようと、ぐちゅぐちゅと水音を立てながら秘部を弄んでいるのに。
絶頂を禁止する言葉を紡いで、にこりと微笑んだ。

ご案内:「カジノVIPルーム」からフェリーチェさんが去りました。
ご案内:「カジノVIPルーム」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。
ご案内:「未定」にロブームさんが現れました。
ご案内:「未定」にフェリーチェさんが現れました。
ロブーム > 男は、王都では様々な顔を持っている。
例えば、召喚術を活かして様々な人間を拉致し、魔族の国で奴隷として売りさばく奴隷商人としての顔。
貴族や王族の恥ずべき秘密を売り流す、或いは口止め料を徴収する情報屋としての顔。
そして――その中には、魔族の国で取れた宝石(主には魔石だが)とを、王都で売りさばく宝石商人としての顔もあった。

「それで、君がフェリーチェで間違いないかね?
まだ大分若いようだが――」

王都にある男の屋敷の応接室。
応接室と言っても、王都の高級宿より余程調度の整った、立派な部屋――絨毯もソファもふかふか、机は高級なオーク材。照明はランプではなく、魔石を使ったシャンデリアと来ている。
そのソファに、机越しに向き合う二人の姿。
一人は、でっぷりと肥えた男。そしてもうひとりは――王都の基準ではまだ成人を迎えていない、小さな小さな少女。

「さて――事前に知っているとは思うが、私は、独自のルートで宝石や魔石を安く得て、それを卸している。時価もあるが、大体はこれぐらいのレートだ」

そう言って、少女の目の前に置く書類には、様々な宝石や魔石のレートが書いてある。
どれも、かなり安い――特に、魔石については相場の六割、五割の値段が書いてあるものも多い。
この男から取引を引き出せば、それこそ巨額の富を得る事も不可能ではないだろう。
だが、と男はその書類を一度、男の手元に引き寄せる。
まだ、これはお前のものではないと言うかのように。

「それには、信用が必要だ。
取引の秘密を守り、そして取引をする私の信頼を落とさないであろうという最低限の信頼。
だが――それを無条件で向けるには、君はまだ、若すぎるようだ」

と、じろり、と観察するような、或いは舐める様な目を向ける。
まるで、蛇か、或いは鴉の様な目だ。
ギラリと光っているくせに、何処か湿り気を感じる視線を、彼女に送っている。

フェリーチェ > 応接室に通された少女は、最初こそ自分の見知った実家以上に豪奢な部屋に面食らう。
それでも、驚くほど好条件の販路を得られるという商談の重要性を理解し、表情はすぐに引き締めて取り繕われる。

「はい、ご紹介に預かりましたフェリーチェ・メランドリです。
 まだ12の若輩ではございますけれど、祖国では成人と認められ独り立ちを……」

シスタードレスのスカート部分を軽く摘んでカーテシを行い、一応は一端の商人なのだと主張する。
たとえ摘む指が微かに震えていようとも。
長いプラチナブロンドの横髪を掻き上げながら書類を覗き込めば、紙面に走らせる視線は素早く、それでいて戸惑いがその目に宿る。
この国のレートを理解していなかったのか、はたまた見せられる書類自体が違うものを出されたのかと。
引っ込められた書類に注がれる目つきは、取り繕っていてなお必死さが隠しきれていなかった。
チロリと出した舌先で下唇を湿し……。

「仰られるように、実績を誇れる過去もなければ、堅実さを示す長期の経験もございません。
 けれど、けれどっ!若いなりに弁えております。
 強い後ろ盾まで欲するつもりはなく……容易く切り捨てられるとしても、
 数少ないチャンスだからこそモノにするため誠心誠意に頑張らせていただきます」

なにやら浴びせかけられた視線は不快なものではあったものの、相手なりの圧迫、覚悟を問うものと見た。
そこで、その細い喉を精一杯に震わせ、決して屈していないと見せつけるように普段以上に大きな声で応えてみせる。
その膨らみも乏しい胸元に小さな両手を組み合わせ、一心に祈るように。

ロブーム > 「……安すぎると、そう思っているようだね。まあ、無理もない――というか、これについては経験を重ねた者ほど、最初は戸惑う。
だが、誓ってその書類に嘘はない。
商談が上首尾に運べば、その情報も開示するが……このコストの低さこそ、私が王都で一財産を築いた理由なのだよ」

と、断言する。
勿論、此処には彼女と自分の二人しか居ない。
口約束に本来的には意味がないが……それでも、商売について迂闊な嘘はかえって自分の首を絞める事にはなりかねない。
それは、ロブームの方もよく解っていて、だから男は嘘はついていない。

そして、少女が自分の疑いに対して必死に応じるのを見ると、男は満足そうにうなずく。
齢12で、此処までの覚悟が出来る人間がどれほどいるか。
それは、言うまでもなく美徳――美しい心の持ち主であるに相違ない。
だから、男は今日はじめての笑顔を少女に見せる。
温厚な、優しそうな笑み――それでいて、何処かに狡猾さを感じさせるような。

「そう固くならなくても良い。元より、最初から断るつもりであるならば、私も君を我が屋敷に呼んだりはしない。
数少ないチャンス――君はさっきそう言ったが、正しく。
君にチャンスを与えるため、私は君を呼んだのだ」

そう言うと、男は手を二度叩く。
すると、扉の外で控えていたメイドが入室し、男が読みやすいように、何かが書かれた紙と万年筆を置き、また退室する。
それは、先ほどとは違う書類――契約書の様なもの。

「さて、私が言う信頼とは、経験や実績、それに能力の事ではない。
それらは、強い心を持つ者であれば、直に身に付くものだ」

と、静かに語る男は、その書類を読むと、うむ、と頷きそれを回して少女が読める様にする。
それはにはこう書いてあった。

『フェリーチェ・メランドリとロブーム・ゴールドマンの賭けについて、次の条件を合意する。

一.フェリーチェ・メランドリが敗北した場合、以降、五年間、その身柄をロブーム・ゴールドマンの第二種奴隷として認める。
二.ロブーム・ゴールドマンが敗北した場合、別紙に記載するレートで、フェリーチェ・メランドリと取引をする。この取引は、最低十年は続けること』

「そして、正しき心とは、克己と、リスクを恐れぬ心の二つを以て成す」

と、少女の目を、男の視線が射抜く。
第二種奴隷――それは、解りやすく言えば『社会的身分や移動の自由を残した奴隷』と言うもの。
奴隷化した事実は周囲には公表されず、職業や財産の自由は脅かされないものの、それに関わらない範囲でロブームの命令を遂行する必要がある。
『ロブーム専用の、時間さえあれば何時でもヤれる娼婦になる』と言い換えても良いだろう。

「理不尽な契約かもしれないが、しかしこれから行う取引で得られる利益を思えば、しかし安いものだろう?
君のような年齢で、十分な実績と利益を挙げようと言うのなら、これぐらいのリスクは喜んで呑むべき――そうではないかね?」

にちゃり、といやらしい笑みで少女を眺める男。
元より、男はまともな商談などするつもりはない。
彼女を蕩けさせ、そのひたむきな意志を挫き――そして最終的には下僕にするつもりでいる。
その第一歩目としての、この"商談"なのだった。

フェリーチェ > 知らず識らず緩んだ少女の唇の隙間から、安堵のため息が溢れる。
胸元に組んだ手は、ゆっくり力を抜くと汗ばんだ感触があり、緊張の強さとそれが今解けたことを自覚する。

「わたくしなど一体どうすればアレを実現できるのか、想像すらつきません。
 本当に得難く、逃せないチャンスを頂けたようです」

少しおべっかを混ぜつつも、口にする言葉は心底からの本音。
まだ軽く両手を握ったまま俯くように一瞬目を瞑る様子は、その格好と相まって神に祈る様子にも似ていた。
狡猾さは商人にとって決して悪い面だけでなく、幼少期の教育のおかげでそう割り切れるからこそ、讃えた笑みを真正面から信じてしまう。
故に万年筆を手に取る所作には迷いがなかった。

嬉々として契約書に目を走らせる少女は、渡航してきたばかりで法に疎く、第二種奴隷をこう理解していた。
"ひどく条件の悪い雇用契約"
つまるところ好条件を得られぬ自分にとって結果はさほど変わらない、小さなデメリットであると。
しかし、それでも気になるところが無いではなかった。
汗のせいで触りの悪い万年筆を何度か握り直しながら、やがて最初の文面に戻って万年筆のお尻を一点に向ける。

「あの、ここにある"賭け"のことが書いてある資料はございませんか?
 こちらの慣習にまだ疎く、覚えがないものですから。
 わたくしに出来ないことで無いと良いのですけれど……」

口ではそんな、契約の隅を突っつく目ざとい商人みたいな事を言う。
しかしその実、非常に目立つ部分であってそれを咎めたからといって何程の有意もない。
一度ひっくり返した万年筆にインクを付け直してもう署名の準備をしている辺り、心は決まったも同然だった。
元々柔和な目元は押さえきれぬ笑みで目尻が下がり、ぷにっと厚みのあるほっぺは緩みきっている。
最初の緊張の反動で警戒心が緩みきったままの問いかけは、退けぬ勝負でカードかルーレットかと尋ねたようなもので。

ロブーム > 「(ふむ……意外と、と言うと何だが、騙しやすい性格をしている)」

利に敏いが、悪意に弱い。
寧ろ、敏い分だけ判断が早く、熟考する時間を自身に与えていない。
勿論、その敏さは大体の場合は有益に機能するのだが――その相手が悪意を持っている時には、それは弱点となる

「ああ、賭けと言うのは、あくまでも形式の話でな。
実際は試験、というか試練と言うべきものだ。
カードだのルーレットだので勝ったり負けたりしても、君の何が解る訳ではないしの」

と、頬肉を揺らして苦笑する。
賭け事は嫌いではないが、しかしこの状況下でやるつもりもなく。

「リスクに飛び込む心を試すのも試練の一つだから、詳しくは言わないが。
君の意志や克己心を試す内容――言い換えるなら、君が勝つという気持ちを揺らさなければ、絶対に勝てる内容にしてある」

と、抽象的で、それでいて何だか解ったような気持ちになる様な事を言う男。
実際、これだけでは解らないだろう。
だから、敢えてちょっとだけ具体的な情報を与えて、その知識を求める欲求を満足させる――嘘をつかずに、しかし彼女にとって想定外の状況に叩き込む為の、ちょっとした情報制御だ。

「まあ、要は我慢比べの様なものだな。
一定時間、"あること"に我慢してもらえば勝ちだ」

フェリーチェ > 分かるようで分からない、そんな男の説明を相槌を打ちながら聞く少女。
実際のところはもう署名する気で居ても、情報があるに越したことはない。
そこで自分が試される側だと思い出させられれば、当然というかその目元は改めて引き締められる。
能力的な部分を見ているのでないと言われたため、とにかく今できることとして真摯さをアピールする狙いだ。
もっとも、口元の緩みはまだまだ引き締めが足りておらず、大人として見れば令嬢としても商人としても愛嬌というには抜けがある。

「気持ちだけは人一倍です。
 そういうことでしたら迷いもございません。
 この機会を与えてくださった、えぇと、アルヴェスタ様…にも良いご報告ができそうです」

自信があるのだと、敢えて強気で言い切って気持ちを奮い立たせ、微笑みをもって本気で紹介してくれた男に感謝する。
平常時であればこんな場面での克己心など、正義を振りかざした蛮勇がよく言うことなどと考えていたことだろう。
そんな心持ちは、男の抽象的な誘導によって見事に罠へと歩みを変えていた。
なにせ"一定期間"ではなく"一定時間"、それは長期の酷な労働で先に元を取ろうとしているのではないと確信して。
金銭的な損得だけに着目している時点で、見た目通り視野の狭い子供でしかなかった。

サラサラと最近は書き慣れてきた名前を契約書に記入する。
その顔はもう既に成功を納めた者の顔だった。
まだ見ぬ達成感に華奢な双肩の力を抜き、微笑みを讃えながら、契約書を向こう側へ差し戻して。

「ご確認ください。
 わたくし、フェリーチェ・メランドリは、ここに契約を成し、提示される賭けを全霊をもってお受けすることを誓います」

ロブーム > 「そうだな。彼にも、改めて礼をせねばらん……。
この様な気骨のある少女を、私の元まで導いてくれたのだから」

しみじみ言って、男の方も契約書にサインする。
これで、公的な書類として完成。
そして、その上で、何かを成し遂げたかのような笑みを以て、宣誓まですれば、男はそれに称賛の拍手を送る。
勿論、それがただの無謀だとしても、この即決ぶりは大したものである。

「素晴らしい。それでは、早速賭けの内容について説明しよう。
まあ、ルールと言っても大した事はない。
要は、私の命令を、三時間聞き続けるだけの事なのだから」

三時間。やや長いが、逆に言えばたった三時間でもある。
この賭けの結果によって得られるものを考えれば、まるで取るに足らない時間と言えるだろうか。
そして、その上で。

「君が、三時間の間に与えられる命令全てをクリアすれば、試練はクリアだ。但し、命令については幾つかの制限を設ける。
一つ、物理的に不可能である、或いは生命に関わる命令は無効。
二つ、苦痛を与えてはならない。これは、命令に依らないあらゆる手段を含む。
そして、三つ。命令に依って、他の命令を破らせてはならない」

例えば、右手を上げてはならないと言った後に、右手を上げろと命令を上げれば、どちらかの命令を破る必要がある。
そういう命令は、無効である、という事だ。

「まあ、まずは試しに一つ、命令をしてみよう。
『立ち上がり、足を肩幅に開きなさい』」

まずは、簡単な命令で、命令されるということに慣れさせる。
その上で、徐々に羞恥の伴う命令をしていくつもりである。

フェリーチェ > 契約書に二人のサインが並ぶのを注視する。
そして、膝に握りこぶしを置いて垂直に強張らせた腕で肩を怒らせ、拍手によって明示された結果の大きさに身震いまでする。
ルール説明が始まれば、相槌と言うより納得の頷きを何度も繰り返しながら、いっそ申し訳無さすらこみ上げてくる。
相手の言う制限は概ね命令者に対する制約であり、覚悟を問う上では黙っていれば良いことだ。
紹介者の男の稀に見るお人好しな顔立ちを思い出せば、不憫に思って助けてくれただけではないかとすら思えた。

が、それはそれとして、命令には従わなければならない。
姿勢は元々良い方だが意識して背筋を伸ばして居住まいを正す。

「えぇ、宜しくお願い致します。
 なんなりと……」

踵が床に届いていないソファから、ちょっとだけお尻を滑らせるようにして降り立つ。
それから、足元を見ながら間違いのないようにと肩幅と同じ位置へ爪先から移動し、踵を置いて重心をゆっくり下ろす。
机の影で見えないかも知れないことも考慮して、シスタードレスを軽く払い、手で押さえて膝が左右に離れた輪郭を自ら見せる。
満足気に、そして自信満々に、うつむいて垂れてきた髪を払い除けて伺うような目を向け。

ロブーム > わざわざ、スカートを抑えて、自分が足を開いたのを証明する少女。
流石というべきか、その姿勢も随分と様になっている。
付け焼き刃ではまず習得し得ない、育ちの良さというべきか。

「うむ。わざわざすまないな。それでは、『その姿勢を保ったまま待機せよ』――と」

そう言うと、男は彼女の後ろのソファを引く。
見た目に反して軽いのか、それとも意外と男の力が強いのか、摩擦を感じさせずにす、と椅子が引かれて。
少女の後ろに空間が空いた。

「良いかね?その姿勢を維持するのだぞ――何があっても」

そう言って、男は彼女の、その綺麗に立った背筋を、上から下につぅ、と爪を立ててなでおろす。
恐らく、混乱しているであろう彼女に、畳み掛けるように、今度は首筋を両指でこちょこちょと擽る。
少女の身体では、どう考えても擽ったさが勝るものではあるが――しかし、まずは触られるという事に、彼女の身体を慣れさせる方が先。

「まあ、少しはどういう趣旨か解っただろう?
要は、痛みではなく、こういった刺激を与えて、耐えさせるという訳だ」

と言いつつ、ふぅ、とか細い息を彼女の小さな耳の穴に送り込む。
ぞくぞくとする、擽ったさ――しかし、ぞくぞくとした感覚は、快楽とよく似ている。
男は、焦らない。じっくりと少女に快楽を感じさせるための前準備を行う。

フェリーチェ > 次の命令を受け、大きく頷きかけて慌てて止める。
姿勢とは言うが自ら下手に頭を動かすのも、なにやらと咎められるかもしれない。
わざわざ不評を買うこともないと、しっかり顎を引くだけにして直立不動を保つことにした。

疲れるのを待つにしては楽な姿勢のまま念を押されれば、多少は疑問が湧いて琥珀色の瞳がキョロキョロと彷徨う。
後ろに回って見えないとはいえそれも何度か瞬きをして止め……と、そこで喉奥に生じた呻き声を噛み殺す。
喋るなとは言われていない、が、喚き立てるのも憚られるというもの。
唇の端を小さく震わせつつも、少女はその場を動かない。

「んっ…ふっ、な、なんとなく、わかりました。
 多少の理不尽さは、付き物というということでしょうか?
 お客様のワガママにしても、物流の事故にしても……」

背中や首筋には小さな鳥肌が立ち、喋りながらもまだむず痒い感触が残っている気がするけれど、やっぱり動かない。
一旦気を許したせいで、随分と好意的な解釈をもった問いかけ。
そして、耳に生きが吹き掛けられると、明確な言葉にならない小さな……それでいて子供っぽい高音域の細い悲鳴。
小刻みに頭が揺れているのは、ポニーテールが共振して大きく揺さぶられている様子で丸わかりだが。
少女は変に意識を向けて気にしないように、双眸を細めて拳を握りしめながら耐えることにした。

ロブーム > 「うむ。その年齢にしては、中々察しが良い。
この試練の本質を、直ぐに把握するとは」

そう。確かに、理不尽に対する忍耐は、この試練の本質の一つではある。
だだ、唯一ではないだけ。
その辺を隠して、男は良い子良い子と頭を撫でていると――突然、ドアを叩く音が聞こえた。
女性が一人、扉を開けて、中に入ってくる。
銀髪の、スラッとしたスレンダーな二十歳ぐらいの女性である。

『失礼します。この子が、礼の……?」
「うむ。中々、見どころのある少女だ――ああ、紹介しよう。彼女は、この屋敷でメイド長をやっている、リーザだ」

宜しくお願いします、とロングスカートを手で拡げて挨拶。
そして、男が彼女の前に周る代わりに、彼女が少女の後ろに来る。

「『スカートから手を離し、手を後ろで組む』『私、並びに私の部下であるリーザや他のメイドに対し、一切抵抗してはならない』――では、リーザ」
『畏まりました。それでは、フェリーチェ様、失礼します』

そう言うと、少女は一度、手でゆっくりと彼女がスカートの生地をつまみ上げる。
それは、彼女が先程やったのと同じカーテシーの様にフレアスカートを広げるものではあるが……しかし、彼女と違い、彼女のお臍ぐらいまでスカートの生地を上げていく。
そうすれば当然、その中身をロブームに晒す事になる――

フェリーチェ > 出会い頭に成人していることを説いた少女ではあったけれど、多少子供っぽくても褒められるのは悪い気がしない。
やや気の緩んだ表情で入室してきた女性にも顔を向ける。
ただし、礼儀に反して身体は正面を向けたまま直立不動で、瞬きと小さく首を縦に振るだけの会釈で挨拶を済ませる。

「こんにちは、フェリーチェです」

仮にも商談相手のような形で来た自分と、立場的な上下関係が判別しづらく、メイドに向ける挨拶の言葉は簡素なもの。
黙々と男の命令を優先し、まずは腰のあたりで後ろ手を組む。
レースを留めた背の細かいリボンがやや邪魔なものの、両手首を相互に掴まえてやや胸を反らした格好で姿勢を安定させることが出来た。
反らした胸は年相応に控えめで、膨らみかけの乳房は上等なドレス生地の上にあまり主張することもなく。

「ひゃっ!?あぁ、あ、ごめんなさい。
 おっ驚いてしまって……でも、大丈夫です」

思わず悲鳴を上げてちょっと素を出しながらも、トーンを下げた声で必死に謝罪する。
羞恥と不安で眉根を寄せた深刻そうな表情で下をチラ見しても確認することの出来ない下半身は、白タイツに包まれている。
プライベートでお出掛けに行くときのドロワーズと違って、タイツの邪魔にならないハイカットショーツが薄く透けている。
そして……その曝け出された下腹部の、少しスリップの裾がかかった恥丘の盛り上がる少し上には、淡い青色の光が灯っていた。
複雑すぎて解析が滞っている加護の術式、それも長年の経年劣化で時々子孫に現れては歪んでいった、呪いに等しいものが……。

ロブーム > 『いえ、誰だって、この様な事をいきなりされれば驚きます。私も最初はそうでした。
しかし、これも試練に必要な事ですので。ご寛恕を』

耳元で優しく囁くリーゼという女性。
どうやら、印象に反して心配りが出来る女性のようだが、しかしぽつりと漏らした「私も」というのはやや意味深に聞こえるかもしれず。
ともあれ、目の前で少女の下半身を眺める男の方は、彼女の目の前にしゃがみこんで。

「綺麗な下半身ですな。白タイツに包まれた脚が何とも柔らかい曲線を描いている――」

そう言うと、太ももを掌で優しく撫でる。
そして、今度は彼女の下腹部の加護の紋章の、その線を人差し指でなぞる。
つつつ、と撫でるそれは優しいものだが、しかし先程のくすぐりとは違い彼女にとってのある意味での弱点をなぞるもの。

「ふむ、これは……加護の術式ですな。肉体を保護するもののようではあるものの、やや歪んでいる様だが……おっと失礼。こう見えて、魔術を少し齧っておりますでな。つい」

と、お恥ずかしいとばかりに濁した笑いを。
実際の所、男は魔王であり、既に解析も済ませてあるのだが。
とはいえ、今は特に手を出さずに、

「それでは……試練はこれからが本番。
フェリーチェ嬢、どうかご辛抱して頂こう」

そう言うと、男の指が下着越しに彼女のクレヴァスに触る。
優しく、殆ど触れるか触れないかという所で。
男は、そのまま、つぅ、と彼女の会陰当たりまでをなで降ろしては、またなで上げてを繰り返す。
そして、リーザの方も、スカートから手を離す――ロブームをスカートの中に閉じ込める形になるが、全く意に介すことなく。

『それでは、私の方も失礼させていただきます』

そう言うと、彼女の耳をはむ、と食み――かと思えば、その細長い舌でぴちゃぴちゃと水音立ててフェリーチェの小さな耳の中を舐める。
両手は、首筋と背中を、つぅ、と人差し指で撫で続けて、再びあのぞくぞくとした感覚を与え続けて。
それは、まるで擽ったさと快楽を、一緒くたにするかのような――

フェリーチェ > へにゃりと、何とも頼りない弱々しい笑みでメイドに応え、その内心は誰にでもこんな事をしているのかという思いが渦巻いている。
更には男からも声を掛けられたことで、見られているという意識もより強くなる。
足元はしっかりとその場に踏ん張るものの、そうして意識した上で際どい部分に触れられれば、少しだけ膝が内側に寄ってしまう。
やや内股気味に、しかし足を閉じれば異なる姿勢であるのは明らかなため、少女にはそこで踏ん張るしか無かった。

「ふぁえっ!?あぅ、あ、はい、そんなに役立つものじゃ、無いですから……」

大声を上げたのは失敗だったけれど、大したことのないものと、極力何事もないように呟く。
事実、作用させなければほんのり光る程度で何の意味もなさず、ただ心配事を引きずるだけのものだ……人生を狂わせる程度に。
ともあれ今は"試練本番"だというその行為のほうが一大事。
細い喉で音がするほど露骨に唾液を嚥下すると、深呼吸して。

「覚悟はできております。
 誓った以上、今更弱音を吐くわけにも、ふぁ、んっ!
 えっ、あっ、そんな……ひゃ……うぁ」

少女の無毛の秘部は、恥丘の土手からぽってりと肉厚な大陰唇が押し潰れたマシュマロのように鎮座し、綺麗な縦筋を作っている。
上半分が包皮に覆われたクリトリスのとんがりからお尻まで、割れ目に邪魔になるような襞もない。
薄布越しに滑らかに撫でられる感触は、オナニーとも違ってむず痒さが強いような、けれど自分の意思でない分変な感触だった。
そっちに気が向いている間に巧みな舌技が耳を襲えば、泣き出しそうに目元を歪め、その瞳が輝きださんばかりに潤みを溜め込む。
好き放題される状況、擽ったいのに逃げられない、下腹部が勝手に震えてしょうがない。
色々と少女の意識をかき乱す事柄はあるけれど……こんな場所で思いがけぬ恥辱を受けた不安が、少女の涙を誘っている。

ロブーム > 少女が不安そうに涙を流すと、リーザはその涙を舌で舐め取る。
そして、ぽん、ぽんと優しく頭を撫でてやる――まるで、姉の様に。
耳舐めをやめた事で、先程の様な執拗な快楽は一時的に消えて、また性器への愛撫もまた止んでいた。
代わりに、優しい声が彼女の耳朶を擽るだろう。

『大丈夫ですよ。これは、あくまでも試練。
これも試練に必要な事――ロブーム様は、公平な方。
貴方が第二種奴隷になる前に、貴方の操を奪ったりはしません』

だから、安心して感じてください、と今度は右の掌で目隠しして、左手で顎を擽って。
愛撫と言うよりは、触れ合いに近い感じだが、しかしこれは飴と鞭。

リーゼの事は信頼できないとしても、それでも操を奪わぬと言う言葉で不安を幾ばくでも解消すれば、そこには隙が生まれる。
そこを、狙うように、男の指の動きが変わる。
今まで、触れるか触れないかぐらいの触り方だったのが、人差し指の腹を押し付けて、少しだけ押しながら撫でるものに。
撫でる速度も、徐々に徐々に強まっていく――

「(さて、そろそろ彼女も、この試練の要を知るべきときだ)」

男は、慎重に見定める。
彼女が絶頂する――正にその直前のタイミングを。