2020/10/23 のログ
ご案内:「まれびとの道 ゾス村ータナール砦中間地点」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ > 王都からゾス村へ ゾス村からタナール砦へ
本来ならば少なくとも人数での隊を組んでの移動が主な拠点への道のり
現在タナール砦は人間側 つまりこちら側での占拠と維持を続けており、奪い返しに行く道のりではない
それを知っているメイラは、単身軍に加わるため王都での休息の時間に飽き、得物と旅路での荷物を纏った馬を一頭
潰すことはせず、しかし旅路のような鈍らでもない速度で駆けていた。
今日という移動を終えた現在は既に夜間 メイラは街道沿いの適当な目印になりそうな木の傍で火を焚く
おなじみの地図を取りだし、道のしなりからして、大体の位置は馴染みの道ゆえか把握していた
この調子ならば、明日には砦に着ける
石で囲んだ焚火とÝ字型の突っ立て 中心には刈り取ってきたのか、肉塊が突きさされたそれが脂を滴らせている。
パチンッと音を立てる脂の音 燃える薪が割れる音 王都では味わえない外の空気
傍らには愛剣を突き刺したまま、灼けた表面から厚いナイフでそぎ落とす。
「よし、良く焼けておりますわ。」
干し肉?干果? 食事の制限を破壊するならば狩ることこそが最適解
そう信じて疑わないメイラの狩り肉と、背もたれ代わりに後ろで横たわる牛型の魔物
「あんむ。(ザクッ!)」
そのギザ歯で食いちぎられる、やや硬めの野生を生き抜いてきた肉の味
噛み切りながら、モリモリと食しつつ、乾燥物では味わえない味を呑み込み堪能
そしてその煙と匂い、火明かりがこの辺りで気づかれようとも気にしない暴力的な意志を秘めていた。
■メイラ・ダンタリオ > 肉以外は胃袋に入れることを拒む貴族令嬢
生きてくる時代を数世紀間違えているかのような恐れる竜的思考
口元をハンケチで拭きつつ、塩をまぶしただけの肉の塊をナイフで削ぎつつ、灼けた順から食べていく
外側はカリッと 内側は桃色に染まるところが好いものの、このような肉では白くなるまで灼けていても変わるまい
脂を滴らせたそれをモリモリと食すままに、周囲には肉の匂いを嗅ぎつける者がいたとしても、まるで意識の外
おこぼれに預かろうとする獣ならば、既に遠巻きにいるだろう
目先には横たわる牛の塊
その肉が削げ切ろうと、中の臓腑や骨の髄は必ず残ると、野生の勘が告げているのだろう
そんな野生の流れを全く気にせずに、向かってこないのならばそれでいい
夜間、一人きりの街道の夜
危機と肉を肌と舌で楽しみながら、令嬢の食事は鋭利に整ったギザ歯で何度も何度も、綺麗に噛み切られ、咀嚼されていった
「ふぅー……一頭は流石に食い応えがありすぎますわね。」
口元を拭いつつ、なるべくいい部位を切り取って食事を堪能する最中、葡萄酒の革袋を傾ける
残りの肉は適当に切り分け、熟成させながら砦へ持ち込むのもいいかもしれない
スープの肉片になる程度だろうが。メイラが十分に堪能した後なのだから何も未練はないだろう。
ナイフで削いだそれのまま、ミヂリッと喰らう姿はアマゾネスか女バーバリアン
内心の思考でも、骨際の肉もこの際……などと、次の肉を思案しているだけである。
■メイラ・ダンタリオ > メイラはひたすら、旅路でのある意味での欲や飢えを、肉で解消していく
腹が減れば幾つもの欲が目を出す ならば一つを満たせば他は潜まる
我慢や耐えというよりも、勝手に潜み、勝手に落ち着く
そういった流れに身を任せるままに、肉を喰らい、力を満たし満足するように笑みをこぼすメイラ
片腕を握りしめた拳で流れる血の量が増えたのを感じる
目の前で残っている残骸が炭となる前に、遠くへ抛った。
「とっておいきなさーい。」
其処へ飛び向かう獣らを見つつ、火を絶やさないように集めておいた薪を放り込んでいく
食べ終えた骨が数本目の前にはあり、カリカリとナイフで鋭利に削るなどもしていた
暇をつぶしながらの、ある意味での自衛行為といえる
躯のソファーは想ったよりも心地よい
馬が傍で草を食むのを見やりながら、尖り切った骨を見つめ、ニィッと三日月型の口元
噛み揃えたギザ歯のジグザグが正確なこと。
「よし、これでいいでしょう。」
手元にはいくつかの石ころもあった。
突き刺している愛剣以外の潜む凶器を蓄えながら、葡萄酒を流し込み。
「さて、砦までは肉と乗馬だけの時間ですわねぇ……。」
あふ、と欠伸を一つ
食事を終えたからか、口の中に柑橘の葉と呼ばれる草を入れて噛みだした
まるでガムのように齧るそれは、一種のハーブのようなもの
腸詰めに入れるなどして臭み消しに使える柑橘の香がする代物で
肉料理を貪った後のメイラからすればぴったりな清めの噛み物
無論噛み締め終えたら吐き捨てる辺り、肉以外は胃に入れない精神は健在
■メイラ・ダンタリオ > やがて眠りにつき。
ご案内:「まれびとの道 ゾス村ータナール砦中間地点」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「寝室」にムラサキさんが現れました。