2020/10/16 のログ
ご案内:「王都平民地区 鍛冶場工房」にスピサさんが現れました。
ご案内:「王都平民地区 鍛冶場工房」にアティさんが現れました。
■スピサ > 鍛冶場工房
金属を鍛錬する場所であり、且つ革素材などの作成も行っているスピサの工房
外へ漏れる声はなく、金属を叩く音すらも最小限にされていた。
郊外ならばともかく、地区の中に住まうのであれば、鍛冶師は近隣を考えなくてはいけないものであり
鉄を好きな時間に叩けるこの空間に掛けた時間はそれなりに厚いといえる。
工房内では火明かりのほかに日差しも入っており明るい。
今日という日は金属を鍛える日ではなく、昼間から常連客の装備を弁償、基お詫びとして作成を希望した
そう、スピサからの提案で始まった装備の整えである。
「ん、よし。」
誰もいない空間。
スピサは一人な為向き合っている素材を前に、作業台には革が載せられていた。
それは木の葉型の薄い鱗が連なり、竜を思わせる。
薄い蒼色に染色して元の色合いを消された装甲の革というものは、美しく仕上げられていた。
コンッコンッコンッ
「わひゃっ……ん。」
鱗革の出来を確かめながら、ノックの音に時間通りと日差しを見て確かめる。
切り取り用のネイルナイフや蝋と炭を混ぜて作ったラインペン。
準備も重畳だった。
「……ンッ、ンッ ど、どうぞ。」
スピサは少しどもりながらも、入室を進め。
■アティ > 昼間の王都はどの地区でも人通りは基本的に多く。
過ごしやすい気候や天気となっていれば、行き交う人の波はなおさらである。
そんな人通りの多いほうから、比較的緩やかなほうへと、足を進めていく兎の足取りは軽く。
相変わらず隠すこともない、耳や尻尾をピョコピョコとゆらして、片手に何やら酒瓶のようなものを一つ持って進んでいくが。
しばらくして一つの建物の前で足を止めれば、耳を一つ澄ませていくのが伺えるだろう。
「いない…わけないか」
普通の建物の中なら、人の動く音でも十分に聞き取れる兎の耳である。
居なければこっそり忍び込んで、潜もうとでもしたようであり。
軽くノックの音を響かせれば、返ってくる声に兎は誰に言うでもなくポツリとそんな言葉を零すしていくのだ。
「それじゃ、お邪魔するねースピサ」
何度か足を運んでいる工房だろう。
それでも、多少勝手知ったる他人の家といった様子で、どこか軽い様子なのは、仕事以外でも出会うことがある相手だからか。
扉を開ければ、軽い笑みと共に兎は挨拶を一つ零し。
彼女の姿を確認するとともに、しっかりと扉を閉めてから近づくように足を進めていくのだ。
「今日はありがとねー。
っと、これお土産、スピサ飲めたよね?」
挨拶もそこそこに、歩み寄れば差し出すのは手に持っていた酒瓶である。
食事などを買っているお店に、オススメされた蒸留酒といったところであり。
口に合うかわからないけど、といった様子であたりの様子を見るように一つ視線を巡らせてから、再び彼女へと視線を兎は戻していくだろう。
■スピサ > 入ってきた友人のような、常連客のような。
関係は深まれど曖昧な相手のスピサは顔を出す。
兎耳や鍛えられた両脚が特徴的な、四肢に獣を宿す兎人。
「うん。……じょ、蒸留酒?」
受け取る瓶の中身は、煮詰めて作る純化させた酒の一種。
度数が高いことで知られる酒。
お詫びで装備を作ろうと思っていたものの、土産があると思わず、両手で受け取り。
「あ、ありがとう?」
いいのかな、と革の眼帯が嵌められたままでも読み取れそうな表情でスピサは受け取る。
種族的に酒精には強く、困ることはない。
仕事後に呑もう、と肴も作らないといけなくなるだろうか。
スピサの中では一人で飲むかアティと飲むのかはまだ未確定だった。
割れないようにいそいそと布で大事に包み、片隅に置いておけば戻ってきてはアティの全身を見る。
「ごめん、ね? この前、破いちゃって、るでしょ。」
人と話すことに余り慣れていないスピサ。
鉄と語り合うよりも舌は雄弁とはいかない。
先日アティの愛用している履物を駄目にしてしまった経緯があり、お代不要で造ると胸を叩いたのだ。
今日は代わりの短パンを履いているらしいものの、どうせならと戦闘用の一張羅を提案した。
アティを連れて作業台の上に行くと、染色を終えて整えられた小さな木の葉型の鱗が連なる革。
鱗革の開きがそこにはあった。
「こ、これね スカイバイパー(飛翔蛇)っていうやつの、革。
蛇龍の一種、だけど獣寄り……かな。」
兎人に蛇の革という選択をチョイスしたスピサ。
色合いは蛇の色は抜け、アティの愛用する色に染め直されている。
普通の革に比べ、鱗の先が浮いており、木の葉型と相まって生物的、いや、竜を思わせる造形が強いことだろうか。
バイパーと呼ばれる蛇種に多いのだろう、その鱗の形状。
薄くも強く見えるものであり、アティの短パン素材としてはむしろ過保護にすら見える。
スピサはといえば、蛇でよかっただろうか、とチラッとアティを見つめていた。
もし入手を聞かれれば、獲ってきた、とサラリと述べるだろう。
■アティ > 兎としては、気軽い友人といった感じなのだろう。
彼女に比べれば幾分あけっぴろげなところがあるのは、それだけ気安い仲だと思っているからのようである。
元々の性格も少なからずあるだろうが。
「そ、蒸留酒。
まあお店の人が進めてくれただけだから、私も詳しいことはわからないんだけどさ」
買った兎本人も、酒飲みというわけでなければ、詳しくないのだろう。
お土産に詳しくないものを渡すのもどうか、というところはあるかもしれないが。
お店から勧められたいい品だから、間違いはないだろう。
といった善意からの選択では間違いないようである。
彼女の丁寧な瓶の扱いを見れば、じっとその様子をみているのは、丁寧に扱うべきものだったということを、今更知ったといったところなのだろう。
「どういたしましてっと。
あー、確かにそうだけど、別に気にしてないよ。
冒険にでも行かないなら、下着一枚でも最悪大丈夫だし」
話は聞いていた上で来ている兎である。
それでも彼女がそこまで気にしているとは思っていなかったようであり。
兎は軽い笑みで返していく言葉は、本心から本当に気にしてないという言葉なのだろう。
もっとも、羞恥が薄いとはいえ、そんな恰好で歩いていれば、憲兵に注意の一つでもされそうなのは、そこはそれかもしれないが。
何時もの物に比べれば薄く、動きやすさ重視のパンツは以前の物より確かに安物の薄皮である。
それでも十分と思っている兎にとっては、彼女が本気で作る装備というのには興味自体はあるのだろう。
胸当ての調整なども彼女にやってもらっているために、その腕は身をもって知っており。
その上で装備に関しては常連というべく訪れているのだから。
「へー…見た目は、普通の皮の装備っていうより、うろこの装備にみえるけど。
むしろ豪華すぎて、もらっていいの?ってくらいのありがとうなんだけど。
アレはお互い様だったし、悪いものでもなかったしね」
兎が普段身に着けていたパンツと比べれば装飾的な美も感じられるものである。
ちゃんと動きやすさも重視してありそうで、蛇とはいえ竜とも呼ばれている種類のものであれば、耐久性もお墨付きのはずだ。
触っていいのなら、兎は手を伸ばし。
軽くその手触りを、毛並みに包まれた手を滑らせるようにして確かめ。
改めて良すぎる防具ともいえる、その彼女燻製のパンツに目を丸くして見せるだろうが。
破かれたのは不可抗力であり。
お互いにいい思いができたと思っていれば、兎はちょっとだけ小悪魔っぽい表情を彼女へと向け。
ペロっと唇を舌で舐めるようなしぐさをして見せるだろう。
■スピサ > 革の素材的に、パンツルックよりも装甲、鎧に使われそうな見た目。
バイパーという鱗がやや目立つ蛇の種類は見た目をとげとげしくさせるかもしれない
しかし色染やサイズからくるそれは、びっしりと生えるトゲではなく、一枚一枚の大きな鱗が重ねて張られたもの。
革を触り、見た目や質は気に入ってくれた様子である。
元はと言えば互いに不祥事で裏路地で破り捨ててしまった自分のせいであり。
四肢胴体が基本であるアティに向ける手向けにはちょうどいい装備と思えていた。
舌を出し、その不祥事を逆に余韻がまだあるような笑みには、頬を染め、スピサ本人の周りに
汗のアイコンが出そうなほど。
気を取り直すように、革の説明をはじめ。
「ンンッ、そ、空を飛ぶ生き物って、ね いくつかに、わかれ、るんだよ。」
そう言って、鱗を撫でながら、それは本職としての知識を含めているのか
素材や鉄を語るときは少しだけ、舌が軽やかになる。
「翼が強い、者 浮袋がある、者 あとは身が軽い、もの。」
翼が強い者 間違いなく上げられるのは竜種
浮袋とは、体内に浮袋を持ち、ガス状の気体を精製、溜めることで浮力を得る者
最後に身軽なもの これは一般的に翼の浮力に合わせて体の重みを限りなく堕としている者
「このバイパーは、身が軽い、んだ。」
そう言いながらも、グローブ五指に触れる鱗は硬い。
指先で叩くと、コンコンとノック音がする。
「丈夫で、しかし革も、鱗、も軽いの。
浮き蛇の翼だけ、じゃ浮けないから軽、いんだよ。」
そう言って、拡げた革の説明を終わる。
空を飛ぶ蛇竜の一種
身体の翼だけでは賄えない浮力を身体を軽くすることで補い
且つ蛇の牙、蛇の締め付ける筋力のなせる業を支える革の強さが証明できる。
「歳もね、重ねるほど強い、よ?」
脱皮を重ねることで生まれる結果。
これの粗悪品やレベルを落とした物が抜け殻を利用した装備である。
敢えて本革を持ちているのは、友好の意志とスピサの戦力としての高さがあるのだろう
その開きになった胴体は太く、腿を包み、臀部を守り、両足を使う技に耐える柔軟さ
そして守れる装甲を担うだろう。
「そ、それじゃ、測定、しよ?」
説明が終わり、納得してもらえたと思う。
メジャーを取りだし、改めて胴回り ヒップ 足の幅を測ることを提案した。
■アティ > 固そうでいて柔らかそうな、鱗の滑らかな質感は彼女の職人仕事のたまものだろう。
遠目で見ればただの今まで通りのパンツのように見え。
近くでじっくりと見れば、鎧の装甲のように見えるのは、不意打ちを防ぐ意味でもいい具合かもしれない。
「気にしない気にしない。
それともスピサとしては、よくない記憶だった?」
彼女だからこそ素手で破り捨てられたといえる、元々の皮のパンツである。
その彼女のお墨付きの強度であれば、兎としてもやはりむしろ歓迎でしかないのだろう。
もっとも、ちょっと思い出させるようなことをしてみれば、焦るようにも見える様子を見せる彼女に、兎はそんな言葉をまた楽し気に紡いでいくのだが。
「あー、私もいくつかは聞いたことある気がする…。
鳥とかは、骨の強度まで落として軽くしてる。
とかだったもんね」
素材に関してはエキスパートな彼女である。
説明が始まれば、しっかりとした口調で紡いでいく。
そんな職人モードと普段のギャップは、それはそれで兎にとって面白いものなのだろう。
彼女の言葉を聞いては軽くうなずき、知識を兎もまた蓄えるようにしていくが。
軽いからこその鳥の仕組みを思い浮かべたところで、その疑問に対しての答えは、すぐに説明に乗せられたようである。
「なるほど…軽いけどしなやかで強靭、ってところかな。
だから、具合のいい大きな鱗とかが、高い値段で取引されるわけね」
軽いからこそもろいのではなく、それを補ったうえで主としての長所は残している。
そんな説明を受ければ、時折手に入る道具としての、鱗の価値の正確性も勉強になったのだろう。
冒険の中でしった、大体の範囲ではなく。
職人としての素材の観点や価値の観点ともいえる、そんな話を聞ければ、兎としてはそれだけでもまた収穫だったようであり。
「なら、いいの手に入れたらスピサに持ってくるのがよさげだね」
変に買いたたかれることもなく。
もてあます分は彼女がうまく使ってくれるだろう。
そんな信用とも信頼ともいったものがあれば、兎は言葉通り素材を手に入れれば、彼女のもとへと持ってくることも増えるかもしれず。
「っと…そういえばそうだったね。
よっと…こんな感じでいい?」
できるだけ正確に、着心地よく。
そのための協力は兎としても惜しむことはないのだ。
二つ返事で胸当てを外し。
ショーツごと、パンツを脱ぎすてれば下半身は完全にさらけ出したまま、近くの腰掛にでも兎は乗せていき。
シャツは胸途中までまくり上げるようにして、彼女のほうに向きなおっていく。
ついでに、シャツも脱ぎ切ったほうがいいか、といったことまで尋ねるだろうが。
■スピサ > 蛇の大鱗は取引されるものの、それは修繕道具としてだろう。
張り付けて使うだけで立派な盾、肩当になれる上に部分修理ができるという利点がある。
しかし年齢や大きさ、厚みにより代金も違うため、否定も肯定もスピサはしなかった。
また、革素材を扱うこともあり、スピサは口はたどたどしいものの、気合は満ちている。
職人としての真摯なものが奔るように。
今度から素材を持ち込もうかなと言われると、それはそれで良い
ニコッと、初めて笑みを向けて肯定の意を向けた。
「ぁ、は、測るときは下半身だけでいい、よ?」
そう言って、全部脱がないでとまた汗描写がつくようにあわあわと。
革の眼帯を嵌めていようともくっきりと相手のことが見えるトリックレザーなのだから
無意味な脱ぎは駄目、と着なおさせながら、下着を身に着けた状態の相手を測定していくだろう。
腰 足の太さ 練り、付け根からどこまで動かせるのか。
関節の柔らかさは?全てを阻害してはならない。それでは意味がない。
どこまでもこの獣の野生を生かしかつ、守れる装備を必要とした。
足が肝の相手故に、慎重と言える。
スピサはメモを取りつつも、測定を終えると炭に柔蝋を足してつくった滑らかな線を描けるペンを執る。
裏側の革から、 カツッカツッ、スゥ と裁断するための間取りを書き込んでいく。
蛇の革なのだから筒型であり、巻かれた形状をそのまま生かせる。
ネイルナイフ(爪刃)を取り出すと、切れ味を確かめながら鱗の間と間に、ザクリと入り込むそれに従う。
ククンッと入り込む尖れた爪の刃が革の裁断を終わらせ、一枚一枚革を脚と合わせて良しとする。
裁断を終わらせるのなら、あとは縫い上げる為の針と糸を整えて作り上げるだけになる。
縫い上げを丁寧にし、且つボタンのつなぎ目の部分 ベルトを透すための鱗を利用した引っ掛け。
やることは複数あり、その場はお開きとなった
――――――数日後
鞣した鱗革の無駄のない削り具合
スピサの彫り込んだ兎模様の金属ボタンでつながれたつなぎ目
革は腹側からとった柔らかく締め付けやすいベルト生地。
丈はスパッツサイズ 一分丈で仕上げた。
淵側は折り返しで鱗が弊害にならないように仕上げてあり、申し分ないといえる。
「……んふー。」
一人笑みを浮かべ、その出来に満足する。
鞣し、無駄な部分を削り上げることで厳つさを抑え、どちらかと言えばハンタールックなものだろうか。
スパッツサイズの短パン 蛇鱗革仕上げ。
スピサの最近の仕事ではとても丁寧に仕上げたといえる。
兎人の両脚の付け根と臀部を守る大事な装備だ。
コンコンコンッ
「ぁ、どう、ぞ?」
仕上がった一着を手に持ち、相手を出迎えるのならば、さっそく試着といくだろう。
身に着けた状態での動きや締め付けに問題はないかだ。
■アティ > 彼女にとって仕事に打ち込み、装備を作り上げることや、いい素材を手に入れた高揚感などは、やはり職人を感じさせるものだろう。
兎も職人ではないものの、道の楽しさの発見や、道具を遺跡などで発見したときは心躍るのである。
心躍るものは人それぞれ違えど、自分の装備のために気合を入れて、それでいて楽しさをもって作業にかかろうとしている。
そんな姿を見ることは兎としてもやはり、どこか楽しさが伝わるようにワクワクするところはあるようだ。
「あれ?そうなの?
別にみられて減るもんじゃないから、やりやすいかと思ったんだけど」
目の保養になってさらにやる気が出るのであれば、更によし。
といった 心地も兎にはあったのだろう。
もっとも、必要ないと言われれば当然それ以上何かをすることもなく。
作業を進める彼女に従うように、下着状態に直しておとなしく採寸を任せていくことにしたようである。
そこから先は兎にとっては門外漢の部分であり。
職人のお仕事であれば、邪魔をしない程度に作業を興味媚陰に見つつも、時折少し体をほぐし。
後日となる作業まで進んでいけば、軽くおつまみでも兎は駆け足で手に入れて戻り。
今日の分の作業のねぎらいくらいはしていっただろうが。
そんなこんなで指定された日数後に再び訪れるのは、軽い足取りの兎である。
彼女だからこそ仕上がりに問題はない。
という信頼は相変わらずのようであり。
その出来栄えと履き心地を楽しみにしているといった様子で、ドアをノックする勢いは、先日より少し強かったようだ。
「お邪魔しまーす、っと」
響く声に返すのとほぼ同時に、ドアを勢いよく開けることにしたようである。
脆いドアなら軋みそうな動きであるが、ここなら問題なかったのだろう。
挨拶もそこそこに踏み込めば、兎も楽しみにしていたように、キョロキョロと視線をうごめかし。
彼女の作品を探していくだろう。
「…それだよね?
兎ボタンがセクシー…じゃなくて、予想以上に動きやすそうな感じだね。
前よりさらになめらかそうっていうか」
もっとも、その作品は出迎えた彼女の手にあったわけである。
彼女に当然近づくように、早足で迫るままに、じっと出来上がったその作品へと視線を向けていき。
見える範囲でわかる、細工や出来上がりに、改めて彼女の仕事に感心したように、楽し気に笑みを零し。
彼女へと改めて視線を兎は向けていくが。
■スピサ > 「う、うん。」
ズズズズイと来られ、一歩足を引きそうになるものの、仕上げたものを見せる。
兎模様の金属ボタンはスピサなりのアティ専用の印だった。
シンボルと呼べるものや、作品に名前を残すようなことはせず敢えて兎模様。
丸いメタルに掘り込れた兎の平面な横顔デザイン。
出来上がりを目の前で広げて見せ。
「良い出来だと、思う、よ?
蛇の革だ、し。 伸縮がすご、いから。」
丸のみ 締め付け リング といった具合にその革の強度と柔軟性
それは蛇の生き方で学べるもの。
早速履いてもらいながら、サイズもぴったりだった。
多少お尻の大きさが変わろうとも、伸び縮みできる素材と強度。
問題なく履けるだろう。 腕を組むまま、出来と動き、革の音を注意深く聞く。
最後に、うん、とうなずいて満足気にし。
「どう、かな。
動きとか、違和感あ、る?」
ヒュンヒュンと空中で肩 脇へとワンツーキックを行うアティに、スピサは動きを眺めるまま。
再調整は必要はないとは思っているものの、今回の仕事の評価。
アティは信頼しきっているものであり、蛇を纏うことに嫌悪もなさそうで心配はしていない。
スケイルパンツ 材質スカイバイパー
といったところだろうか。
■アティ > 「微調整がこまめに要らないっていうのは、便利ね。
胸当てはまた、ちょくちょくやってもらわないとだけど」
押しが強いというよりは、距離が近いというべきだろうか。
親しいと思えば、フレンドリーさが良くも悪くも増していく兎にとっては、それだけ気を許している証であり。
兎マークまでボタンに刻まれていれば、やはりいつも以上にうれしいものはあるようだ。
胸のサイズの変化による胸当ての調整は、当面彼女に頼むのは変わりないようだが。
ある程度の変化にまで対応する、伸縮性を誇っているといわれれば、試してみたい心持は強いのだろう。
促されるままに仮のズボンを脱ぎ棄てて、テキパキと早速着込んでいけば、予想以上にピッタリのようだ。
ラインが見て取れるとはいえ、鱗の滑らかさがきれいにそれを彩り。
肌に吸い付くような感覚があるのに、冷たいわけでもない。
といったところであれば履き心地は大分いいのだろう。
「履いただけでもピッタリだけど…適度に吸い付く感じだし。
よっと…うん、違和感もないし絶妙かな。
履いてないみたいに軽いし!」
しゃがみこんでから、足を広げて低い姿勢。
そしてただ蹴り上げるだけではなく、兎の名に恥じないように、その場のジャンプだけでもクルリと後方へと宙返りまで兎はしていくのだ。
ちゃんと周りの物にぶつかったりしないように注意はしつつだが。
ある程度動き回っても、動きを阻害するどころか、それに合わせてぴったりとフィットし続け。
それでいて防御力も以前のものと段違い。
とくればご満悦だったのだろう。
満面の笑みで、兎印の太鼓判を押すように、その仕上がりの良さを評価していくことになったようだ。
「これなら前よりも、動き回ることも楽そう。
流石のスピサって感じかな。
むしろいい思いまでさせてもらったのに」
棚から牡丹餅というべきか。
当たりくじに、更にあたりがついていたというべきだろうか。
兎にとってはいいことづくめだったようであり。
しっかりと彼女の前に歩みなおせば、勢いよく兎は一つ、お辞儀を送っていき。
そのまま軽く飛びつくようにして、兎は友好のハグを送っていこうとするだろう。
動きやすかったことで勢いが少々よく、よくて鼻チョンか、軽い口づけにもなってしまいそうであるが。
■スピサ > 満足のいく手製にアティも気に入ってくれた様子
スピサも珍しく笑みをこぼしている。
試着も終わり、脚の広がりも大丈夫そうならこれで話は終わりだろう。
試着だけで時間を取らせてしまったようなものながら、集中していたわけである。
いろいろと作業に集中しすぎていておろそかだったものを補充しようと思って
ほんの少し、終わったとのことを考えてボーっとしてしまった
「へ?……わひ、ゃぁっ」
友好の印のようにハグを向けてきたラビットスネイクジャケット弾丸一号。
抱き着かれ、倒れ込むと同時に唇が被さり、吸いあうわけでもない。
しかし咄嗟の数秒は、んー、んー、と篭る声だけでなる中、スピサの性欲を刺激する。
ほんとうにこの数日は作業に没頭しており、食事 睡眠 湯浴みを除けば性欲の発散
それすらしていなかった。
のしかかった兎人のスタイルに、逆に転がし返しながら、唇を合わせだすようになる
それもまた仕方の無いことであり、事が終わった今新しいことに没頭しようと
啜りつく音が響き始めていた。
■アティ > 足を広げてペタンと床につくことも簡単そうであり。
片足を真上に挙げるような、ハイキックどころではない姿勢も、楽々ととれる伸縮性なのだから、不満が出るほうが難しい出来だろう。
普通に買う場合は、素材持ち込みだとしても、どれほどの値段になるか。
見る人が見ればそんな評価が付きそうな装備なのだから、見る人が見ればよりその出来の良さに目を引くこともあるかもしれない。
「っとっと、ん!
勢いつけすぎたかな…ごめんごめん」
もふっとした手の感触と、柔らかな体の飛びつきは、痛みというものはないだろう。
けれども少々勢いが付きすぎていたのは、兎にとっても予想外だったようであり。
倒れ込むままに、軽い口づけとなってしまえば、慌てて身を起こすことになったようである。
もちろんけがを心配してのことであれば、元々丈夫な彼女のことである。
けがをしているような様子もないことに、一安心とほっと安著の吐息を零すことになったようだ。
もっともそれが、予想以上の刺激を与えていたとは思っていなかったのだろう。
「へっあれ…スピんっ!」
反転する視界に驚くよりも早く。
その力強さをもって伸し掛かってくる彼女に、簡単に抑え込まれることになってしまい。
お礼のお礼を返されることになっただろうが。
ご案内:「王都平民地区 鍛冶場工房」からスピサさんが去りました。
ご案内:「王都平民地区 鍛冶場工房」からアティさんが去りました。
ご案内:「空き家」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 王都の平民地区の一角…
そこにはかつて中流階級の一家が暮らした館が空き家となって残されている。
開け広げられた門や庭先はその気になれば誰もが入れる不用心さで、
ところどころ朽ちたりしているものの埃やカビの目立たない内部は、定期的に何者かが出入りしている証拠で、
寝室の中のベッドやシーツも比較的新しい。
「…~~~ん、ぅん… ―――すぅ…」
そこで無防備に寝そべるのは、裸の小さな体に桃色のシャツを羽織っただけの小さな子ども。
窓際から差し込んでくる陽光に、眩しそうに長いまつげをきゅ、と絞って反応させ、
まだ微睡んでいたいとばかりにころん、と寝返りをうつ。
王都で流れの薬師として活動している少年のベッドの傍らには、
彼が摘んだものか、仕入れたものか、薬草となる草花や果物や素材が詰まったバスケットが置かれていて、
この部屋と館に不思議な芳香を漂わせている。
なぜ、このような空き家で幼い薬師が眠り込んでいるのか。
雨風を凌ぐために少年がこっそり忍び込んだのか…あるいは、何者かに連れ込まれたのか。
この空き家のドアを開けたものが薬師を見つけ、起こせば、それも明らかになるか。
■タン・フィール > そのまま空き家を訪れるものはなく、
幼子は誰にも知られぬ午睡から覚めることもなかった
ご案内:「空き家」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「空き家の庭」にタン・フィールさんが現れました。