2020/10/02 のログ
ご案内:「セレネルの海/リゾート島」にビョルンさんが現れました。
ご案内:「セレネルの海/リゾート島」にアイリースさんが現れました。
ビョルン > 広い温浴施設を堪能するあまり軽く湯あたりして火照る肌にバスローブを引っかけただけの身を横たえてどのくらいになるだろう。
己が目を閉じた頃、連れの女はバルコニーで酒のグラスを傾けていたようなそんな記憶がある。

身を寄せ合わずにいても2人には広い、クイーンサイズのベッドの上で届く範囲を弄る。
そんな未明や夜明けや。

アイリース > 「……よく飽きませんねぇ」

ベッドに寝転がりながらぼーっとしていれば。
なんだか、相手がもぞもぞ動いていたり。
なので、ゆるりと声をかけてみて。

「しかし……堪能しましたねぇ……」

島についてから、散歩がてら色々なことをして遊んだ。
それはもう。人生初体験な、楽園のような時間。
部屋についてからも、余韻に浸って気持ちよくお酒を飲んで。
……これは、帰りたくなくなる人も多いだろうなぁ。

ビョルン > 惜しげもなく種々取りそろえた風呂と蒸し風呂。
物珍しさについつい入り浸り、肌の上気はなかなか褪めぬようだ。

「──水、」

と、身体の欲求が声帯を伝って出た。
女の肌を手が探り当てればほっと人心地ついて、

「こんないいトコに長いこと居たら腑抜けになっちまう。
 ──全然腑抜けも悪くないかもなぁ……」

ため息まじりに呟いて目を開く。
ベッドライトの仄明かりに照らされた部屋を見渡す。

アイリース > 「……はいはい」

ぼそ、と聞こえた声。私は、相手の手を一度押しのけ。
傍のテーブルにおいてあった水をグラスへと注ぎ。
相手へと差し出す。

「正直、同意します。
 いかんいかん、と思っていても。ついはしゃいでしまいました」

もしも私が忍でなかったのなら。
そりゃあもう。主の護衛なんて考えずにはしゃぎまわっていたことだろう。
私は、相手に水を差し出すと、そのままベッドへと戻り。
相手の傍に寝転がる。

ビョルン > ベッドに手をついて体を起こす。
受け取ったグラスの中の水を飲み干してからサイドテーブルにグラスを置いた。

からりとした気候は、夏の気温のまま確かに夜風だとわかる空気を室内へと運んだ。

「魔火の花、見損ねたかな──まだ咲いていれば、いいのだけれど」

立ち上がってグラスに水差しの水を注ぐ。
それを持ち、バルコニーへと歩み出て。

アイリース > なんというか。
時間の流れが緩やかな感覚。
思わずそのまま眠りに落ちてしまいそうになるけれども。
そこは気合でガマン。

「……ふふっ」

相手がこぼした言葉に、思わずほほ笑んでしまう。
そのまま、相手を追ってバルコニーへと。

「前から思っていましたけど、貴方は面白い人ですね。
 酷く冷徹かと思えば、やたらに感情的であったり。
 花を愛でる風流な部分があるかと思えば、粗野な一面を見せたり」

バルコニーで、う~ん、と一度伸びをしつつ。
周囲観察。危険な存在とかの気配は無し。
そのまま、相手に向かってほほ笑み。

「どれが本当の貴方なんです?
 それとも、どれもが、本当の貴方?」

そう言って、顔を覗き込んでみる。

ビョルン > 夜空にはまだ海へ落ちて消える前の火の花の形が残っていた。
これはなんというか、不思議な技術だ。
一夜、咲き続ける火の花など。
都の喧騒を離れたばかりではなく、こういった景色を見れば一層現実感は己の認識から零れ落ちていく。

「ここは、ヴァルハラなのやら辺獄<リンボ>なのやら、冥途やら黄泉やら──夢やら、現世やら」

手にした水で唇を湿らせて、相手の言葉にはふぅんと唸り。

「──所謂、笑える……という面白い、からは程遠いだろう。
 実際、陰気な男でね──…、

 うん、どうだろう。愛でるべき花は愛でる、花を冷徹に手折っても乱暴に引き抜いても楽しくはないだろう」

バルコニーの策へグラスを置き、そこへ頬杖をつきながらまだ境界線のない海と空を眺める。

「お前が」

言いかけて言葉を切って振り返る、再び発して曰く

「お前が、本当だと信じると決めた姿が本当の俺なんだろう。
 手前で決めることなんて──とても滑稽で、出来やせん」

と。

アイリース > 「さてさて。
 人によるんではないでしょうかね。
 平穏無事がキライな人なら、ここにいるのは苦痛でしかたないでしょうし」

私の記憶にも、その手の人がいる。
平穏。平和を享受できないタイプの人間。
……っていうか、最近知り合った人にもそんな人がいたような。

「それも人次第だとは思いますが。
 花を手折り、引き抜き。
 それこそが楽しい、という人もいるでしょうし。
 ……まぁ、それを人は外道と呼ぶのでしょうが」

相手同様、空と海を見ながら。
そんなことを呟く。
結局のところ。同じものを愛でるのにも、人の個性は出るのだろう。

「あら、それでよろしいのですか?
 ……ふふっ。自分に自信がない、のでもなく。
 すこし、弱腰なのですね。また新たな一面が見えました」

意外な言葉に、笑ってしまうが。
私は、思わず相手の頭を撫でてしまう。
可愛らしい、とは少し違う気もするが。
なんというか……言葉の裏に、やわらかい気配を感じたので。
ついつい。手が伸びてしまった。

ビョルン > 「飽きるまで居られるのが、本当は一番いいんだろうな」

骨休めとして、王都が恋しくなるくらい満喫できるなら先の生活にも張り合いが生じようというものだ。

「外道ではないな。
 そんな悪趣味、今時は没個性だよ」

くつりとシニカルな笑いと一息吐いてから頭を撫でられれば困ったような表情を浮かべる。

「いや、自信がないわけではない。
 ただ、『格好いい』だの『勇ましい』などは少なくとも、自称するものではないだろ。
 それを知っているから、目指すものがあったとして『それこそが自分です』なんていうのは傲慢で恥ずかしいことじゃないかい?
 そんな押し付け、したくないのさ」

弱腰ともまた違う。
受け取る人間の数だけ、己の人物像はあるという考えをかみ砕いて述べたらまた水を飲み。

アイリース > 「あぁ、それはいいですね。
 ここに飽きたから、日常に帰る。
 それは、とても健康的だと思います」

逃げるのではなく、息抜き。
そう考えると納得ができた。
息抜きだからこその楽園。だからこそ、楽しいのだろう、と。

「そうですか?
 というか、そういう趣味が蔓延してたら、恐ろしいと思うのですが」

あまり私の知人には、そういった趣味の人間はいないのだが。
もしかすると、この国では珍しくはないのかもしれない。
……なんというか、非常に空恐ろしい話である。

「……ふふっ、なるほどなるほど。
 貴方は、本当におもしろい人ですね。
 仕えるのに、退屈しません」

相手が水を飲むのを見て、頭から、撫でていた手を離す。
こうして、相手の傍に立っていられるのは。
なんというべきか……。幸運、なのだろうな、と思う。
私は、目を閉じて、バルコニーの空気を感じようと。
両手を軽く広げて、深呼吸。

ビョルン > 「と、いうことを毎年続けるならここの組織に褒美をもらい続ける必要があって、また骨が折れる」

1年パスポートだかなんだかという説明であったはず。
ともあれ、気軽に息抜きができるのは有難い。

「嘘でもないよ。
 悪徳貴族や、暇を持て余した王侯の屋敷にでも潜入してみりゃげんなりするんじゃないかい?」

女を見ながら嘯いて笑う。
そういう見識に関しては田舎から出てきたばかりの奉公娘とそう変わらないのか、と相手についての認識を新たにした。

「その『退屈しません』、出会った日から事あるごとに聞かされて。
 ……そろそろ退屈しそうです僕、オネーサン」

相手へと向いて腕を広げる。
悪戯に笑いながらその中へぎゅっと女を抱きしめよう。

アイリース > 「でも、やりがいはあるんじゃないですか?
 私としても、いい訓練になりましたし」

まぁ、かといって頻繁に荒事に身を投じるのはゴメンなのだが。
少なくとも、ある程度の周期で、というなら。
訓練として受け入れられないこともない。

「……ふ~む。
 まぁ、それに関しては、必要とあれば、ということで……」

たとえば、目の前の相手の命令で。
そういった人間を仕置くときとか。
必然的に目にすることになるだろうから。
今はわざわざ見る必要もない、と判断する。

「あら、そうでしたか?
 でも、本当に退屈しないんだから仕方ないです。
 ん……」

相手が私を抱きしめてきたので。
そのまま、私も抱きしめ返す。
なんというか、甘えている、のだろうか。
この相手の行動は、微妙に分かりづらいところもあるので。
よく分からないが。抱き合うのはキライでもないので。
その辺りは気にしないことにした。

ビョルン > 「小遣い稼ぎにもなった」

己の懐に入った収入は誰より大きかったと含み笑う。

それから王都での悪徳に関しては、まあ。
どうこう言えた稼業でもなければ深追いはせず。

腕の中の女の背を尻まで撫で下ろしてから耳元へ唇近づける。

「このホテルで仕込んだ子供に関しちゃ、褒賞会は助産所紹介してくれるのかね──…」

相手にだけ聞こえる囁き声で耳朶を擽れば、流れるように頬から唇へと口づける場所を変えてゆき。

アイリース > 「小遣い、ですか」

相手の物言いに、思わず笑ってしまう。
なるほど確かに。金、というのも。
仕事の目的としては、ありである。

「ん……。もう、仕方ありませんね……」

抱きしめられたまま、尻を撫でられ。
更に、口付けを重ねられたので。
私は、相手を抱きしめたまま。それらを、全て受け入れる。
なんというか。こういうのも。キライでは、ない。
いや、本当に。キライではない、ってことで。
そこまで大好きかと言われれば、それはまぁ。
否定しておきたいのだけれども。

ビョルン > 「優しい」

ふふっと笑えば、息を止めて力を込めて。
腕の位置を変えればくるりと横向きに相手を抱き上げる。

「ディナーを欲張った分重くなったりしていない?」

揶揄うのは口ばかりで、いとも軽そうに相手を抱いたまま寝室へ戻れば相手の身をそっとベッドへ横たえさせる。

アイリース > 「別段、優しくもないですけれども」

相手のささやきに、そう返すのだけれども。
まぁでも。見方によっては、やさしい、のかな?

「わ……っ。
 む……忍者にその質問は、バカにしてますね?」

軽々と持ち上げられれば、驚いてしまうが。
私だって忍。体重については気をつけている。
少し頬を膨らませながら、相手にベッドまで運ばれれば。

「……ん」

そのまま、両手を広げて見せたり。

ビョルン > 「──素直じゃない」

けど許す、と小声で言い添えた。
そうして機嫌良さそうにくっつりと笑む。

膨らませる頬も突きたいが生憎と手は空いておらず、まろい視線を落とすに留まる。

ベッドの上の相手が手を伸ばせば両の腕<かいな>の間に体を預ければ、相手の頬を撫でながら唇を合わせる。

二人の姿を次第に夜の帳が覆う。
そんな秘め事で穏やかな休暇の1日は終わり──。

ご案内:「セレネルの海/リゾート島」からアイリースさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海/リゾート島」からビョルンさんが去りました。