2020/10/01 のログ
ご案内:「セレネルの海/リゾート島」にビョルンさんが現れました。
ご案内:「セレネルの海/リゾート島」にアイリースさんが現れました。
■ビョルン > 船着き場。
王都とこの島を繋ぐ定期便で暫くの船旅を満喫した。
桟橋へ降り立てば船の揺れの名残が一瞬ぐにゃりと足元が揺らいだような感覚。
姿勢を立て直したら下駄の歯を鳴らして桟橋を降りる。
手には小さくはあるが旅荷物がある。
ホテルの従業員の迎えもあるが、まずは少し歩くのも悪くはない。
常夏の島に似つかわしく着飾った連れをちらりと振り返る。
■アイリース > 「……」
色々と準備をして。
予定を立てて。
そして、本当に来た。そう。
本当に、ただただ行楽……こっち風に言うなら、リゾートに着てしまった。
思わず、言葉を失って立ち尽くしてしまうが。
私は、迎えの人に荷物を預け。
「……リゾーーーーート……。
だあああああああぁぁぁぁ!」
相手が私を見ているのも気にせず。
両手を振り上げて、思いっきり叫んでみた。
人生で初めて。ただただ遊ぶための行楽に来たのだ。
それはもう。楽しみですともさ!
■ビョルン > 視線投げかける先、今にも駆け出さんとしそうな相手の叫び声を聞けば思わず笑いが漏れる。
今回ばかりは兄弟と呼び合う親友に仕事を預けてきた甲斐があったというもの。
己の荷物も預けて後でチェックインすると伝える。
そうしたら、まずは駆け出した勢いのまま砂浜で軽業師の如き宙返りすら決めてしまってもおかしくなさそうな女の手を取って。
「はぐれるな──けど、まずはどこから行こう」
本来であれば宿でゆっくりこの土地の楽しみについて説明を受けるのが先なのかも知れない。
けれど初めての旅となれば、それがもどかしいのもまた真実で。
■アイリース > 一度大きく叫び、伸びをすれば。
多少なりとも気分も落ち着く。
さすがに、このままはしゃいでいては怒られそうなので。
一度、深呼吸をして相手を見る。
手を握られれば、少し緊張するけれども。
「ん、失礼しました……。
そう、ですねぇ。じゃあまず、とりあえずはお散歩で」
こほん、と咳払いしながら、笑顔で相手を見る。
「一応、危険な場所などがないか。
後は、いざというときの逃走経路などの確認もしておきたいです。
そういうのがわからないと、はしゃごうにもはしゃげませんし」
笑顔のまま、相手にそう言う……のだけれども。
その言葉は、まぁ真実半分というところ。
もう半分は、とにかく島を歩いて、なにがあるのか見てみたい、という気持ち。
相手の手をしっかり握りつつ、私は、高揚する気持ちをなんとか押さえ込もうとする。
■ビョルン > 散歩という言葉に頷く。
そうして船着き場から離れる方向へ歩き出す。
綺麗に整えられた白い砂浜が続いている。
相手の笑顔を見返して頷けば笑う息をひとつついて。
「危険なことはしない、という約束の下に遊びに来させて貰っているしな。
あんまり危機管理に聡いのも、ここじゃ野暮天って奴ぢゃないかい?」
衣服や履物に合わせ、歩むペースは緩やかに。
「けれど、見て回るのには賛成──で、腹が減ったらホテルに行ってレストランの席を取ろう」
砂地に二の字が刻まれてゆくだろう。
■アイリース > 相手と一緒に歩き出せば、砂浜の美しさに驚く。
なんていうか……もう、綺麗だ、って感想しか出てこない。
これはもう、リゾートというものに夢中になる人が出てくるのも納得である。
「それでも、です。
いついかなる時も主を護るのは忍の務め」
むふん、と。鼻息を荒くするものの。
すぐに笑顔に戻ってみせる。
あんまり警戒を強めても良くない、っていうのは分かるので。
「とはいえ、もちろん楽しむのも忘れないですよ。
おぉ……レストラン……」
相手のプランに、思わず驚いてしまうが。
とにかく、ここは私としては相手に倣うのが一番だ、と思い。
相手の隣に立ち、歩いていく。
■ビョルン > まだ日のある時間帯ゆえか砂浜にはのんびりと日光浴する逗留客の姿がぽつぽつと見られる。
けれどゆったりとした時間が流れているかのように穏やかだ。
王都の喧騒を離れたことを実感している。
「──とは、言いますが。
ここでは主も従も忘れることにしないか」
ただなんとなく、そんなことを口にしながら進む浜辺。
浜茶屋が見えた。
「忘れて、昼間っから飲んでみるってェのは……?「」
酒好きの女の表情を伺う口角も上がる。
■アイリース > 「……まぁ、仰りたいことも分かるのですが。
それでも、貴方に危険が迫るかもしれないですから」
ぴし、と相手の顔の前に指を立てて見せるが。
その気になれば、全周囲警戒である程度の範囲に気は張れる。
なので。一応表面上は。
相手と、リゾートを楽しむというのを前面に押し出すことにした。
「……忘れるわけにもいきませんが。
でも、そうですねぇ。
こういうときでなければ、確かに昼から飲むのは憚られますねぇ」
相手の提案に、思わず私は歩みを止めてしまう。
魅力的な提案だ……。
この南国でしか飲めないようなお酒もあるのではないだろうか……。
■ビョルン > 「こんなに小五月蠅いおなごが傍に居れば、虫も刺客も寄り付かないってね」
相手の注意をかろく笑い飛ばしてから浜茶屋が軒先に出したパラソルの下に席を取る。
張り出されたメニューには値段が書いていない。
まあ、そういうことだ。
ならばここはとびきり珍しげな、果物の甘味をと所望しようか。
■アイリース > 「ん、小うるさい、とはずいぶんな物言い」
相手の言葉に、少しカチンと来てしまうが。
目の前の楽しい出来事に怒りも消え失せ。
相手と一緒に席に座る。
「……う~ん?」
ちらと見たメニューに値段が書いていないので、首をかしげる。
これは、どういうことでしょうかね~、と。
相手に視線向けるのだが。
「……えっと、とりあえず常夏っぽいカクテルで」
分からないので、とりあえずの注文をしてみた。
……マズいことになったら、その時はその時で!
■ビョルン > 『時価』などという表記がなければ、少なくともこの場での支払いは要らない。
名前なり部屋番号なりを求められなければ、ここでの飲み食いも全て「ご招待」のうちということだろう。
だからといって口いっぱいに求める程卑しくはないつもりだ。
柑橘の氷菓子を一品、女の注文の後に言い添えた。
店の奥では氷を削るような音が聞こえる。
懐から手拭いを出し、常夏の気温に滲む汗を押さえる。
■アイリース > 正直、そういう。
値段の書いてないメニューだのお店だのなんて。
慣れるも慣れないもない。全てが始めてなのである。
「……おぉう」
なんだか、店の奥から氷を削る音。
なんでしょうか。贅沢。贅を尽くしている。
ただただ遊び、息を抜き。
そして、それをしていいというか。それを推奨している場所。
「……なんか、急に緊張してきましたけど」
相手に向かって、小声で呟いてみる。
これ、なんかの罠じゃないか、とすら思えてくる。
■ビョルン > いつになく落ち着かない様子でこの場所を楽しんでいる相手を見て目が細くなる。
落ち着けと、忠告しようとした言葉を飲んでそんな相手を愉快な気分で観察している。
お待たせしました、という言葉とともに運ばれるのは意外にも零下に冷えたみぞれ酒がひと瓶。
続いて運ばれたは氷と氷結した檸檬を削った物を交互に重ねて蜜をかけた氷菓子だ。
いただきます、と手を合わせてスプーンを取る。
■アイリース > 「あ、愉しんでる」
人がうろたえているのを見て、目を細めている。
これはもう。愉しんでいるとしか言いようがない。
けれども。それを見て文句を言おうとしたタイミングで注文が届き……。
「……うわぁ……」
綺麗なビンに入った綺麗なお酒であった。
なんだか、目の前の相手が、可愛らしいものを食べている気がするけれども。
それを無視して、私は酒をグラスに注ぎ。口をつける。
「……ん……」
冷えている。しかも、口当たりが軽く、飲みやすい。
これは、美味しいお酒だ。
私は、それに夢中になり、くいくいと酒を飲んでしまう。
■ビョルン > 「暑い時に飲んだらよく回るんだろ。
のんびりしないと」
そうして氷の方は、蜜と氷と檸檬が絶妙で。
甘い冷たい酸っぱいの循環を繰り返す口の中。
「美味い」
思わず口をついて感嘆の息が漏れる。
パラソルの下に眺める海。
太陽は徐々に入道雲を茜雲へと変えていく。
「思ったより、過ごしやすいな」
常夏なれど空気はからりと乾き、日差しを遮ればきちんと涼を得ることができる。
■アイリース > 「……そうですね。うっかりしてました」
相手の忠告を聞き、私は飲むペースを落とす。
味わって飲むのもまた、いいものだし。
悪酔いしてもよくないし。
「そうですか。それはよかったですね」
相手の感想に、思わずほほ笑んでしまう。
なんというか……のんびりとした時間だ。
これが幸せというものなのだろうか、なんて考えてしまう。
「そうですね……」
相手に同意し、風景を眺める。
いっそ現実離れした風景。
「……宿から眺める風景もたのしみですねぇ」
思わず。そんなのんびりしたことを言ってしまった。
■ビョルン > 「とは言っても、部屋からの眺め、温浴スパ、レストランと館内バーもあるしバルコニーへルームサービスを呼んでの朝食も格別だそうだ。
実に、やることが沢山ある」
指折り数えて、屈託なく笑う表情は年齢並みに甘い。
2人の頼んだものがそろそろなkなれば一呼吸おいて席を立つ。
店の奥へと手を振れば、そのまま足はリゾートホテルの方へと向く。
ホテルの部屋は豪華なスイート仕様。
部屋では「食前酒<アペリティフ>を」と笑いかけて女の唇を悪戯に啄ばんでから、夕食へ──。
休暇はまだこれから、であった。
ご案内:「セレネルの海/リゾート島」からアイリースさんが去りました。
ご案内:「セレネルの海/リゾート島」からビョルンさんが去りました。