2020/09/18 のログ
シシィ > ──女は街を歩く。仕事の合間、王都の街路を。コツ、と固い靴底が石畳を叩く音が、夜に響く。差し当って予定があるわけではないが、宿にただこもるのもつまらない。

王都の貸倉庫の施錠を済ませ、路地裏に近い下町の風情を楽しむように。緩く癖のついた銀の髪を背中で揺らしつつの散策めいた足取りがふと、止まる。
目についた看板はこの辺りでは珍しく書籍を扱うもののよう。
古書、というわけでもなく、貸本屋といった体でもない。本来ならもっと大通りや、或いは貴族たちの住まう区画にあるような──……。

「図書館……?」

静かな呟き。
訝しそうに首を傾けたが、好奇心に誘われるままに歩を寄せた。
周囲に人の姿はなく、ただ、しんと静まり返っている。
既に閉館を迎えているのかとも思ったが、ともされている灯がそれを否定する。ならばと、木の扉に褐色色の指先を滑らせ、ゆるりと押し広げる。

──果たしてその先に待つものは……ごく一般的な書店や、古書屋とも似通う林立する書架の数々。
収められている書の、革や、すこし古びた紙や、インクの香りがふわりと鼻腔を擽るのに目を細めて。

後ろ手に扉を閉めると、仄かな明かりに照らされた館内にゆっくりと歩を進め始めた。

その先に何が待っているのかは、今だ判らぬままに。

ご案内:「図書館」から獣魔目録さんが去りました。
ご案内:「図書館」からシシィさんが去りました。
ご案内:「薬屋のテント」にタン・フィールさんが現れました。
ご案内:「薬屋のテント」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「薬屋のテント」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 王都の街中や野原、森、川、海にいたるまで、様々な場所で店を開く薬屋のテント。
今日の少年薬師は王都のはずれ…川や海の近くにテントを張り、様々な海藻や魚の骨、貝殻などを拾って、
乾燥させて粉末に、さっそくそれらを使って新薬の実験をはじめていた。

素っ裸に桃色のシャツを羽織っただけの無防備な格好で、ぴょんぴょんテントじゅうを駆け回り、
両手にどっさりの素材をかかえては鍋に投げ込んで、また補充する。

「うーんと…デーモンヒトデの粉末と、海蛇コンブの出汁はこのくらいにして、クラゲスライムの干物も、ちょっと足してみよっと。
これで疲労回復に効果があるハズ…。」

と、文献を漁りながら、普段あまり使わない素材を組み合わせて煮込み、
疲労回復や精力増強・媚薬効果などさまざまな薬効が望める回復薬を仕上げていく。

テントからは、薬というよりは美味しそうな海鮮鍋でもこしらえているかのような、潮の香りが外へと漂っている。