2020/07/29 のログ
ご案内:「平民地区 訓練所」にスバルさんが現れました。
スバル > 平民地区の中に、公園とは違う趣で広い場所がある。そこは冒険者志望の人や、傭兵、そう言った人たちが使う訓練所である。
一般開放されているから、一般的な市民が使うのも問題はないので、運動不足を解消したりするのに使われることも多い場所。
様々な訓練道具があり、思い思いの訓練がすることができる、武器を持っての訓練、無手の訓練、弓矢の訓練など、だ。
そんな訓練所の片隅に、こっそりと忍び込む様に入り込む影がある、別に立ち入り禁止などではない場所なのだけれど、その子供は周囲を怯えるように確認しながら入り込むのだ。
子供の背格好は10代前半、未だ、男と、女の別れがない頃、髪の毛は、ヘルメットの様に伸ばされていて、特に前髪は長く、その子供の顔半分を覆い隠すものだ。
その体つきは華奢であり、女の子だ、と言われても反論ができない様な細さで、体格も又小さい。
着ている服が男の子用のそれだから、かろうじて男の子だと判るような、見た目、近くで見れば、確かに男の子だ、とわかるだろう。
そんな少年は、背中にバックパックを背負いつつ、きょろきょろ、おどおど、と周囲を確認するように、誰も居ないことを確かめながら入り、打ち込み台の近くに、やってくる。

念入りに周囲を確認して、誰もいないだろう、と安堵してから荷物を下ろす。
その場所は訓練所の隅っこで、誰も使わないだろう場所、壊れかけの打ち込み人形が置いてある――――否、壊れたから移動されたのだろうそれがある。
その壊れた打ち込み人形の近くで、少年はバックパックの中身を広げる。
タオルに、水筒、小太刀と呼ばれる短刀、魔法のかかった右手用の籠手。
小太刀をズボンのベルトに挿して、籠手を右手に装着する。籠手は、少年の手の大きさに自動的になり、ぴったりと張り付いた。
それを確認してから、少年は、運動を始める。

スバル > 運動と言うのは先ず、己の体を解すところから始める。母親も、準備運動の重要性はちゃんと教えてくれた。
先ずは軽い運動で、自分の体を柔らかくしていく、それと同時に筋力を鍛えるトレーニングをするとも、ぐ、ぐ、と柔軟体操をしつつ、躰の可動域を上げ、そして、躰を運動するに値するまでの暖機運転とする。
周囲は蒸し暑く、直ぐに汗が噴き出してしまうけれど、柔軟体操などの準備運動は疎かにしてはいけないらしい。
これをしないと大怪我をしてしまうとも言われているから、少年は自分の体を解すための運動を、しっかりと行っていくことにした。

暫しの間の柔軟体操と、準備運動で、躰が適度に解れてきたら、まずは体を鍛える基礎トレーニング。
悲しいかな、これを結構長く行っているけれど、躰に筋肉が付いたことはない、なんでだろう、と思うのだけれども……。その答えが出たことはない。
しかし、訓練とは反復練習のようなものだと聞いているから、少年は母親の教えを守り、訓練を続ける。
ある程度、躰のトレーニングを行い、それから、本格的な訓練に移行する。
体力を増やすために、少年は、軽くランニングも始めた、広い、この周囲を一周する、子供の体力ではそれも大変なことだが、だから、トレーニングになるはず。
ゆっくりとした足取りで、少年は、ぐるりと訓練場の外周を、人に見つからないように器用に走る。