2020/07/12 のログ
ご案内:「王都内:闇市通り」にプレストさんが現れました。
プレスト > 王都内でも非合法な物が販売されている地区。
但し、非合法でも希少な、そして高級な物を取り扱っている利点を使ったのか、此処の仕切りを任されている人物は王族や貴族に賄賂を贈り、此処が摘発されない様に。
そして発展させすぎず、他所の利益を食い荒らさない程度に維持させていた。

で。そんな闇市通りの中で看板を持って佇む男が一人いた。
単純に、客引きと言うよりも客を案内する、と言う方が正しい。
例えば薬物が欲しいならどこそこ。女や奴隷を購入したいならどこそこへ、と。
食事なら、飲み屋なら等々。
案内した駄賃や、店からの幾何かのキックバック。更には仕切っている組織からも日銭は手に入る。

それとは別に、店からも依頼自体は受けている。
例えば淫紋を学んだばかりの見習い術師や、整体といった行為を通じて女を抱きたい依頼主から。
見目良い女性が居れば連れて来てくれというものだ。多少騙す形になるが、連れていけば報酬は弾まれるしあわよくば女を抱かせても貰える。

「つってもさァ。こんなとこに来る女って大体道に迷うとかじゃない限り無理じゃね?」

場所が場所だけに道を歩く大半は男だ。
女性も稀にいるが、大体は案内を受けずとも自分の足で店に入っていく人物ばかりだ。
大体は新規の男客を望む店に連れていく事ばかりであり、街灯の下で溜息は一つ。しかも大きい。

『お店、道案内いたします』

そんな看板持っているから怪しさは倍増ではあるのだが。
仕事は仕事。運良く女性客でも引っ掛からないかと立っていた。

プレスト > 「葉巻?あァ、それならあそこの家屋の2階にいきなよ。
葉の種類も豊富だから趣味に合う物きっとあるぜ。」

葉巻。通常の葉巻と異なった薬物を示した暗喩の一つ。
見るからに小間使いなのだろう男に、看板を向けたのは数メートル先の古びた2階建ての一軒家。
2階では媚薬から催眠、精神高揚や痛覚麻痺と言った葉が販売されている。
看板で示した後にその一軒家まで案内し、小銭をいくらか。
それと報酬代わりに自分で使う為の睡眠薬となる葉の端材を貰って元の街灯下へ。

時折正義感のある騎士等も来るらしいが、幸い自分は出会ったことも無い。
出会って詰問されたら容易く吐いてしまいそうで、二重の意味で詰みかねない末路が待ってはいそうなので、なんだかんだ自分は幸運でもあるのだろう。
こちとらせいぜい小悪党以下の一般人でしかないのだ。
騎士とか冒険者と言った存在は自分よりもはるかに格上と認識だけはしている。

とん、とん、と看板の柄で左右の肩を軽く叩き、ぐるり路地や通りを見回す。
実入りが少ないならそろそろ引き上げるべきか、と。

プレスト > 仕事を切り上げとある建物へ向かう男。
まぁまぁの金銭と引き換えに、慣れぬ仕事の影響か翌日筋肉痛を起こしたとか。
ただ、幾つかの薬物は手に入ったので金銭以外での収入は悪くなかった。

ご案内:「王都内:闇市通り」からプレストさんが去りました。