2020/06/17 のログ
ご案内:「平民地区 市場」にスバルさんが現れました。
スバル > 市場はいつも、活気にあふれている、美味しそうなものを売るお店、新鮮な野菜や果物を取り扱っているお店、採れたてのお肉や魚の並んでいるお店。
様々な露店が、大声をあげてお客を呼び、お買い物目的の奥様方が、いっぱい集まって、良いものを選んで取っていく。物凄い生活的なエネルギーに包まれているなぁ、なんて、少年は思う。
今日は、何を作ろうか、何を食べようか―――、そんな風に思いながら、市場の道をとことこ進む少年。
髪の毛で自分の顔を半分隠し、大きなリュックサックを背負った、小柄な子供は、奥様方の間を必死に、必死に潜り抜けて、歩く。
一人で暮らしているわけではないが、家に殆どだれも帰ってこない、この間父親から姉がアスピダにいると手紙が来て、ああ、もう、しばらく帰ってこないんだ、と諦めのため息を吐き出す。
父親も、師団の仕事の所為で、帰ってこないのもわかる、母親は―――最近音信不通で、今、何をやっているのかわからない。
偶には連絡してほしいのに、と思わなくもない、一人で家にいるのは寂しいものだ。
でも、長男だから、僕が、家を守らなければいけない、幸い、父親の給料は振り込まれているから、家の掃除とか食事とか、そういったことに関しては困らない。

(今日も、一人なのかな……?帰ってきて、くれないのかな。)

そうは思っても、親には、姉には、都合があるだろう、だから、いつ帰ってきてもいいように、作り置きの出来る料理で、待っていよう。
そう考える少年は、今日のメニューは、何にしようか、改めて考える。
家に残っている食材、早めに使わなければいけないものや、残していてもいい物。
それらを総合的に考えて、何がいいだろう、と。沢山ある市場の屋台を眺めつつ、歩く。

ご案内:「平民地区 市場」にサヤさんが現れました。
サヤ > 久しぶりに王都へと帰り。
家に帰ってたまには息子とゆっくり休もうなどと考えながら街を歩いていき。
市場を通り過ぎようとしたところで大きなリュックを背負い歩く息子の姿を見つけ。

うっすらと口元に笑みを浮かべればそっと相手に後ろから近づいて。
リュックを避けるように腕を伸ばせば相手の目元を隠し。

「スバル。ただいま……」

そっと相手の耳元に口を近づければ優しい声色で話しかけ。

スバル > 「?!?!?!」

不意に、目の前が真っ暗になった、何事かと思う少年、髪の毛で隠れている視界が、真っ暗なのだ。
母親のように、父親の様に、訓練をしているわけではない、ただの子供、だからこそ―――母親の隠形に気が付くことなどできない。
目の前が隠れて混乱して、大声を上げようと、口を開けかけた瞬間に、聞こえてくる声。

「え?おかあ……さん?」

耳元に囁かれた親の声、驚きに硬直し、そして、母の手をそっと目から外して振り向くのだ。

「お母さん!」

寂しくもあった、恋しくもあった。
ずっと、ずっと一人の時が多いから、少年は甘えるようにその母親に飛びつくのだった。
小さな体、母親の腹部に顔を押し付けて、ぐりぐりと、頭をこすりつける。

「偶には、連絡して、欲しいよ……」

泣きそうな、弱弱しい声で少年は母親に、文句なのか、切実な願いなのか、呟いて。

「ごはん、たべた?今から、帰って、作る、よ。」

小さく、少年は母親に言うのだ

サヤ > 「ふふ、ごめんね。
 旅先だとなかなか便箋とかも手に入らないことが多くて」

胸の中に飛び込んできた相手の頭を抱きしめつつ。
撫でてやりながら慰めるように優しく語り掛けながら謝罪を言葉にして。

腕の中に感じる息子の体温に愛おしさを感じつつ。
まるで本能が求めていたかのような香りに子宮が疼くのを感じとり。

「ううん、今日はまだ。
 だから、一緒に帰って夕食にしましょう」

そう言って相手の手を握れば仲睦まじい姿を見せながら市街を歩いて自宅へと向かっていった。

スバル > 「……偶には、帰ってきて、欲しいよ。」

もう一度、少年は母親に、むくれた様子で言葉を放つ、頭をなでられて、少しうれしそうに頬を緩ませて。
帰ってきたし、今はもう、これ以上言うまいと、息を大きく吐き出して見せて。

「とりあえず、お姉ちゃんの居場所、とか、近況とか、色々話すことあるから。
ご飯食べながら、するよ。」

ゆっくりと身を離して、母親を見上げる少年。
食材を買い、こんばんは、少し豪勢にするね、と、自宅へと歩いていくのだった――

ご案内:「平民地区 市場」からスバルさんが去りました。
ご案内:「平民地区 市場」からサヤさんが去りました。