2020/05/21 のログ
ご案内:「街道」にジェイクさんが現れました。
ジェイク > 王都から離れる事、半日。昼下がりの近隣の村落に通じる街道。
普段から人の往来が多い、その道を遮るように柵が設けられ、
道の脇には幾つかの天幕が建てられ、簡易的な陣営の趣きを為していた。
街路に立ち、通行する馬車や通行人を差し止め、積み荷や身分の検査を行なっているのは、王都の兵士達。
曰く、此処最近、山賊や盗賊の類が近隣に出没するために検問を敷いているという名目であるが、
実際の所は隊商からは通行税をせしめ、見目の良い女がいれば取り調べの名を借りて、
天幕でしっぽりとお楽しみという不良兵士達の憂さ晴らしと私腹を凝らすための手段に他ならなかった。

「――――よし。次の奴、こっちに来い。」

でっぷりと肥った商人から受け取った賄賂を懐に入れて、彼の率いる隊商を通せば、
列をなしている次の通行人に声を掛けて近寄るように告げるのは一人の兵士。
何よりも厄介なのは、彼らが紛れもない王国の兵士であり、市井の民が逆らえない事だ。
その事を理解している兵士達も、御国の為ではなく、利己的に国民を食い物にしている最低最悪な屑であった。

ご案内:「街道」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「遺跡迷宮」にシュエラさんが現れました。
シュエラ > ──松明を片手に、遺跡の地下構造部を進む人影。
本日引き受けた依頼は、先日消息を絶った冒険者の行方探しである。
しかし実際の処は、遺品回収の側面が強い。
『彼』が最後に受けた依頼をギルドから聞き取り、行動をトレースする……
と、セオリー通りに調査を行って行方を突き止められる確率は五分を大きく下回る。
かなりの割合で失敗を前提に割り振られる仕事である為、きちんと報告を行うだけで報酬を得られるはするものの、
やはり徒労感が有るのだろう、この手の依頼を引き受ける冒険者は然程多くない。
一見地味で堅実な仕事が肌に合っている女にとっては、打ってつけの仕事であるのだが。

「────ふむ」

いったん足を止め、迷宮の様になった一帯の現在地を確認する為、羊皮紙の地図を広げ。

シュエラ > しゅるり、と羊皮紙を丸めて懐に仕舞う。
頭の中にこの周辺の通路や広間を記憶すると、松明を掲げて歩き出す。
今確認した地図は、情報が正しければ『彼』が持って行ったそれと同一の物。
あとは、追跡する対象の行動を想像しながら進むだけだ。
いつ無惨な骸を発見してしまってもいいように、心の平穏を保つ意識をしながら──
残念ながら、この仕事はそういう結末を迎えることが多いのも事実だった。

シュエラ > そのまま、女の姿は遺構の奥、闇の奥へと。
外はすっかり夜も更けている頃合いだろう、夜明けに合わせて地上に戻ろうと考えながら──

ご案内:「遺跡迷宮」からシュエラさんが去りました。