2020/04/14 のログ
ご案内:「夜の公園」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 王都の自然公園に、許可を得て設置された小屋ほどの大きさのテントは、知る人ぞ知る少年薬師の住宅にして、店舗でもある。
そのテントの前では、公園の空き地に焚き火を組んで、くつくつと鍋で薬湯を煮込む少年店主の姿。

冒険者や商人、軍人や娼婦などが様々な需要を求めて訪れる、なかなかに粒ぞろいの品、
どのようなリクエストの薬にも柔軟に応えるその腕前は、近頃ちょっとした評判になっていて、
まずまずの薬の売れ行きと、気の良い大人たちに褒めてもらい、感嘆してもらえた少年はご機嫌で薬の仕込みをこなしていた。

「イモリのしっぽに、妖精の羽根、アメーバキノコと~♪
…ええと、サキュバスの、…その、えっと…サキュバスの、アレ~~……っ♪」

少年はくるくる小躍りしながら鼻歌交じりの適当なメロディで、
手際よく冒険者の心身を支える薬を下ごしらえしていく。

…途中、ちょっと歌詞にしにくい材料があったのか、誰も聞いていないであろうにもかかわらず、
ごにょごにょとあやふやな歌詞にしてごまかして…

公園の一角には焼き肉に桃汁を垂らしたような、
妙にジューシーで熱気のこもる香りと、
怪しげな桃色の煙が立ち上る光景で。