2020/03/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にイディオさんが現れました。
■イディオ > (平民地区の冒険者ギルド、夜になれば依頼を終えて戻って来た冒険者たちが酒盛りを始める場所である。様々な食事に、美味しいお酒で一日の疲れを癒すのである。
そんな冒険者たちが集まるギルド、一人の冒険者が帰って来る。
その冒険者のいでたちは、他の冒険者と変わりは余りあるまい、左の腰にはロングソード、全身を包む防具は鉄製のコンポジットアーマー。
背中には、大きな冒険者用のバックパックに、その下には円筒形のマジックアイテムだ。
顔立ちだって、何処も特殊な所はない、平均的な顔立ち、ただ……一点だけ、言うなれば、その瞳には、光が無かった。絶望に包み込まれたような目をしている位か。
それでも、へらへら、と笑っている口元は、愉し気であり冒険の成功を周囲に教えるものだった。
男は、扉を開けて、酒場部分の冒険者の知り合いに軽く挨拶を繰り返しながら、受付の方へと歩いていく。)
―――ただいま、依頼を終えてきたので、確認を頼みたい。
(受けた依頼を表す割符に、依頼完了を認めた手紙。今回は、ゾス村で迷子になったらしい家畜の捜索と発見の依頼を受けて冒険者は戻って来た。
結論から言えばゴブリンに盗まれていたようで、運よく殺される前に見つけ、回収してこれた。
依頼の成功を伝える村長の手紙と引き換えに、今回の依頼の報酬をください、と受付の人に言うのだった。)
■イディオ > (ギルドの受付の人は、手紙を受け取り、その中身を確認してから、奥の方へと歩いていく。その間は、手持無沙汰で冒険者はのんびりと周囲を確認する事にするのだった。
既に報告を行って居たり、今日は休養の日としている冒険者達、彼らはグループで集まって酒を飲んでいたり、次の冒険の為の相談をしていたり、と様々な事をしているのが見える。
一人だからこそなのかもしれない、他に誰かが居れば、会話などをしてこういう風にのんびり観察などできないのだし。
とは言え、男のように一人の冒険者、というのは今のところいなさそうだ、孤高を気取っているわけでは無い、ただ単にこの男がヘタレであり、人と上手くコミニュケーションを取れていないだけ、だったりする。
友達欲しいと思ってる友達いないオッサンが此処に。オッサンだからもう、ちょっと厳しいかもしれない。ちょっと泣ける。)
―――いやいや、いやいやいや。
(ダメだ、此処であきらめては、とかそんなことを考えている男、傍から見ればぬぼーっとしているようにしか見えない。ぬぼーっとしていること自体は否定しようのない状況なのだ。
こう、一人でいる女の子居たら、勇気を持ってナンパしてみようかな!
そんなダメな決意を、胸に秘めてみる男だった。
コツ、コツと足音が聞こえて、受付の人が戻って来た。)
と、ありがとうございます。
(依頼の達成の確認が出来たそうで、報酬の入った革袋を持ってきた、それを受け取って、ありがとさん、と、受付にお礼を言ってから、酒場部分へと足を運ぶことにした。
まずは、酒と飯だ、と。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > 「お疲れ様でしたー」
――酒場の厨房奥から、挨拶をして出てくる女が一人。今日は例によって手が足りない場合の臨時バイトとして酒場の、主に厨房の方をメインに手伝っていたのだが、終業時刻となって「お疲れさん」と声を掛けられて笑顔で応じ。
そして、「さーかーえろ」と軽く腕を回しながら出口の方へ向かい掛け、何気なくフロアに目をやって。
「あれっ?」
見知った顔を見つけて目を瞬くと、青髪の青年に向かっておーいと手を振り。
「イディオさーん。おつー」
気楽な笑みを向けてひらひらと手を軽く持ち上げてそちらへ向かい、ひとまずご挨拶。
■イディオ > ―――?
(予想外の方向から声を掛けられた、酒場の中、テーブルとか客とか、入り口の方を見ながら、歩を進めていたのだけれども、別の場所から声を掛けられるとは思って居なかった。
そもそも、声を掛けられること自体が男にとっては、ちょっと不意打ち的な感じであったりもしたのだ。誰だろうと、視線を動かしてみると、此方に向かって手を振る可愛い女の子がそこに居た。)
あぁ。ティアフェルちゃん、お疲れー。って、仕事?
(男も相好を崩し、軽く右手を上げてひらひらり、と手を振って見せる。近づいてくる彼女を見守って、近づいてくるその茶色の髪の毛を眺めていた。
今日も元気だなーと言うのは、男の感想で、それと一つ別の疑問がふと沸くのだった。)
今日は冒険者と言うかギルドで依頼で依頼でも受けてたのかい?
(彼女がヒーラーだという事は前に訊いていた、冒険者という認識があったので調理場の方から出てきたのはきっと調理場で何か問題が起きたとか考えたのだ。
このギルド、偶に女の子冒険者ににウエイトレスとかさせていることも思い出したので、そっちの方だったのかもな、と。
それならそれで、その恰好が見れなかったのは悔しいとか考えたりもした。)
まあ、あれだ。
お疲れ様だろうし、良ければ、オジサンとお酒でも……飲めなければ無理に飲まなくて、食事とかでも。
(彼女も仕事終わりらしい雰囲気だし、ねぎらいとナンパを混ぜて頑張ってみた。)
■ティアフェル > 知った顔がいること自体は珍しいことでもないが、会話を交わすような相手とはそんなに出くわさない場所だ。仕事終わりの解放感も手伝って至って愛想よく近づいて、その前に立つと自然と見上げるような視座を投げかけ。
「ティア、でいーよ。長いし。――ん、今日は酒場の厨房の方で人手不足アラートが鳴ってたんで、手伝ってた。厨房の方も楽しいなー」
めちゃめちゃ大量注文が来ると超燃える。燃焼してきたさっぱり顔で、ひょこ、と彼の視座が来る毛、アホ毛が揺れて。
彼の想像とは違う仕事内容。プロの料理人には負けるが、そこそこ調理はできる。酒場のメニューは簡単なものが多いので難しいメニューでなければどうにか捌けて。
「オジサンって……んなトシだったっけ? なんてーか、見た目より中身が老け込んじゃってるね、この人は。
――でも、いーね。飲も飲も。うち、ごはんはもう食べたから。一杯やりましょ。おにーさん」
に、と口端を持ち上げた笑みを刻んで、さっきお疲れさまを云った酒場へ出戻って行き。
「カウンターとテーブルどっちにする? 座る前に注文通して来ちゃうよ。エールっしょ?」
さっきまでお勤めだった場所なので、勝手知ったるなノリで給仕を呼ばす自分で注文通しに行こうと。席を確認したら注文を聞いておく。
■イディオ > (彼女の可愛らしさは小動物のそれに近い気がする、慎重とかそういうのではなくて快活でちょこちょこ走り回ってる所からの印象なのだ。
自分の事を、ゴリラと思っているけれど、それは違うよ、と言ってあげた方が良いのだろうか、と思う男が居る。下手につつくのが怖いので今のところは様子を見てるけれど。
そして、近くに来てからのこう、見上げられるのは、凄く―――可愛らしくてどきりとしてしまうのであった。)
そうか?じゃあ、言葉に甘えてティアと呼ばせてもらおうかな。と……ここはちゃんと正規のウエイトレスをもっと入れればいいんだと思うのだよな。
まあ、此処の給仕の服は、ティアにはすごく似合ってるし。それを見に来る冒険者もいるんだろうなぁ。
とは言え、厨房か……ティアの手料理を食い損ねた、無念。
(ひょこひょこ動く彼女のアホ毛は感情のバロメーターにも見える、とてもうれしそうに揺れ動いてる、そういえば、以前シナシナっとなったのを思い出した。
生きてるのだろうかと本気で考えた気がしたようなしないような、ちょっと思い出さない方が良い気がした。)
ん?もう、俺は25だよ?成人してから10年経っていれば十分オジサンだけれど。
老け……否定しきれないかもしれないなぁ。
そっか、じゃあ飲もうか。とは言っても、俺は戻って来たばかりだから、ご飯注文は許してくんろ。
その代わり、一杯は奢るから。
(お腹がいっぱいだという彼女、戻ろうとする動きに合わせて、男も酒場の方へと足を進めるのだ。そして、彼女の質問にはふむ、と考えて。
今一度、酒場の空席状況を見るようにハイライトの無い目は見まわす。
そして、もう一度ふむ、と頷いて。)
じゃ、テーブル席にしようか。
エールと、後、肉料理を頼みたいな、食事もしたいから、さ。
(注文を取ってくれる彼女に、有り難い、と。先に酒の分と料理の分の金貨を、はい、と取り出して、彼女に手渡そう
彼女のお酒の分はお駄賃替わりでも。)
■ティアフェル > 余り背が高くない当方は、見上げてはでけーな。などと相変わらずな事を考えているばかりで彼の内心などはさっぱり読めないままでいたが。
「んー。そう呼んで。――あーのね。女の子は体調不良しやすいの。シフトに出れない時もあるのよ。しょーがないって。わたしも好きで手伝ってるとこあるし。
――っはは、口うまいなー。そんなナンパな人だっけかね。でも、ありがたいので喜んでおきまーす。
フツーの料理だよ、炒めたり揚げたり誰でもできる味だし」
神経通っている説のアホ毛は今日も絶好調。こうして至ってフツーに会話しながらも、口調や表情に合わせ揺れる。
「あのさー。自分でおっさん思うのは勝手だけど、25くらいじゃ世間的にオジサンじゃないっしょ。そんなこと云ったら70歳なんて前時代の化石じゃん? 自分より上の人に失礼な発言にもなっちゃうよ?
うんうん、いっぱい食べなよ。――いーよ、悪いって。自分の分くらい出す出す」
前もこうしてシードル奢らせた。ふるふる、とさすがに悪いと首を振って。そっちも大変なんでしょ…?と同じ冒険者同士、察した様な表情を向けていた。
「エール一丁……肉ばっかりじゃ駄目だよ、野菜も食べなきゃ。肉と野菜料理、通しとくからちゃんと食べて。栄養偏っちゃう。ロールキャベツとかでい? 実はわたしが仕込んだのです。余っちゃったら悲しいから持ってくるぞー」
肉と酒ばかりでは身体に悪い。冒険者は身体が資本、オカンのようなお節介な意見をゴリ押しして、エールとロールキャベツ、自分用にカシス酒の注文をセルフで厨房に戻って通しに行き。テーブル席を確保してもらい。勘定を受け取ると、多目にもらった駄賃は、きっちり精算して戻ってくる。
「おつりだよー」
■イディオ > (その辺りは、男女の差とか後は種族の差とかそういったものがあるのでしょう、只々のっぽな男は彼女を見下ろして、いい具合に眺められる、アホ毛ちゃんをまじまじ見るのだ。
あんまり見すぎても失礼かな、とか思うのだが、凄く気になるのだ、髪の毛。)
ん、ああ、おぅ。そっか……しょうがないならしょうがないな。
そうだなぁ、ナンパを頑張って、女の子と仲よくしようキャンペーン中?
はは、でも、その普通の味ってのが一番帰ってきてほっとする味だと思うんだよな。
(基本的に冒険中の食事は簡素な奴が多い、固めて置いたスープを溶かしたものとか、硬いパンとか干し肉とか。そういうのではない料理などは、帰ってきて食べると、本当にほっとする物なのである。帰って来たって思えるのだ。
だから有り難いと、男は笑って見せるのだ。)
……マジ?人生50で長老、70は仙人だと思っていたんだが……。
そうかい?それなら……。また次の機会に奢らせてもらおうかな。
(自分の常識が崩れる気がした。あれ可笑しいな、と首を傾げる男、まあ、流石に現代に生きる彼女の感覚の方が正しいのだろう、そう思うことにしたのだった。
奢らせてくれなかったのは、彼女の考えも有ろう、無理に言う事は辞めて次の機会に、と男は笑って見せる。
今報酬をもらったばかりだから、苦しくは無いのだ。そういう考えな冒険者。)
おぉぅ。それなら喜んで。ロールキャベツと言う物、興味ある。どんな料理なんだい?
というか、女の子悲しませるのは男としてあれだ、ジャンジャン持ってきてー。
(料理にはあまり頓着しないのでステーキとかそんな肉料理ばかり、普段食べない物を別の視点から教えてもらえるのは大好きで。だからこそ、悲しませるぐらいなら、初めての料理にぶつかる程度何のその。
ブーメランのように帰って来るお釣りに、おおぅ、と言いながらも受け取り、男はテーブル席に腰を掛ける。)
■ティアフェル > アホ毛に視線が行くと、どうかしたのか、と目線とアホ毛が揺れて反応していた。ガチで神経通ってそうで不気味な毛。
「そーだよ。女子は大変なんだよ。繊細なんだから。……わたし以外はね。
あっはは。なんだそれ、ウケるーぅ。日照ってんね。
そっかな? でもやっぱマスターの料理はおいしーよね。隙が無い」
いつもの味に癒される冒険者も多いのだろう、それはこちらも冒険者の端くれですので理解できて、こくりと肯いた。この人にとってはここの料理がお家の味的なものなのかなと考え。
「貴族はいい暮らししてるから、長生きも多いよ。健康管理ばっちりで羨ましいことよ。
奢んなくっていって。気ぃ遣っちゃう」
ふるふるふる、と首を振る。お金を出してもらうと気軽に一緒に呑もうとは云いづらくなってしまう。お気持ちだけでじゅーぶんです、と丁重に辞退して。
「えー? 食べたことないのー? ま、どんなものかは食べてからのお楽しみ。
おーし、云ったな? ほんじゃ残り全部持ってきちゃうから覚悟しな!」
と云ってもそんなに多く仕込んでいないので残量はそれほどでもなかった筈。しかしぴ、とアホ毛立たせて、にやりと笑いながら注文を通して来ると、一度お釣りをもって来たが、そのまま、盛るだけ、注ぐだけの料理なので厨房へ取って返して。
「へいお待ち! まずエールね。ロールキャベツはすぐ来るよ、先に呑んでよ」
エールのジョッキと果実酒のグラスを持ってきて、ことん、とテーブルに着いた彼の前に置いて、その正面に座って早速グラスを掲げ。にへ、と笑みを投げかけながら。
「乾杯だね、かんぱーい」