2020/03/05 のログ
ご案内:「平民地区-冒険者ギルド-」にリムリアさんが現れました。
■リムリア > いつものように賑わいを見せる冒険者ギルドの受付カウンター
来る者拒まずと言えば、少しは格好も付くけれど、要は何でも屋といったところ。
その受付ともなると、多種多様な依頼の申し込みから、その受注手続きはもちろんのこと、
達成された依頼の確認に報酬の支払い、採取品の鑑定から新規の冒険者登録……etc.etc...
細々とした事務仕事の多さで言えば、王城の役人に勝るとも劣らないもの。
そんな中でも一番厄介なのが、何と言っても己の分を弁えない冒険者の扱いで。
今日もそんな自身の力量を過信した冒険者がカウンターを長時間占拠していた。
「ですから、先ほどから何度もご説明していますけれど、
あなたではこの依頼は受けることはできません。」
どれほどに、きっぱりと、はっきりとノーを示しても、そんなのはおかしいの一点張り。
曰く、これまで自分が結果を残せていないのは、ギルドが良い依頼を出し渋っているからだの、
他の冒険者が自分をやっかんで邪魔をしているだのと妄想じみた言を並べ立てる。
それに対して、受付嬢としても初めのうちは真面目に聞いていたのだけれど、後ろに連なる列が長くなるにつれて、
プライスレスの営業スマイルにも陰りが出てきてしまう。
ぶっちゃけ無理なものは無理なのだから、早く諦めてくれないかなーというのが本心なのだけれど。
引き攣る笑顔で、どうにか本心が口を突くのを抑えてはいる。
それなのに目の前の自惚れ屋は、自分は城の貴族にも知り合いがいるなどと言い出す始末で。
ご案内:「平民地区-冒険者ギルド-」にイディオさんが現れました。
■イディオ > (この冒険者ギルドは、何時も盛況だ。所属冒険者が多ければ自然とそうなるもので、冒険者が多いという事は依頼も舞い込んでくるわけで、そして、その依頼を求めて冒険者がやって来る。そんな循環が出来るのである。
そんなギルドに、一人の冒険者が戻って来る、依頼を一つ片づけて依頼の報告を―――と思って居た冒険者は、青髪短髪、眼にハイライトが逃走した、それでいてにこやかに笑う少し不気味な冒険者。
その部分以外はどこもかしこも、普通と言って良いだろう能力で顔立ちも目立ったところのない男であった。
左手に盾を持ち、右手は袋を―――依頼で集めた荷物で、それを提出する為なのだけれども。)
―――なんだ、又かぁ。
(ここは大盛況ゆえに、混みやすいというのが難点で。しかし、何やら様子がおかしいようにも思える。並んでいる冒険者は何やら殺気立っているし。
並びが徐々に崩れ始めている、苛立ったうえで、何らかの行動を起こそうとしている、そんな風に見えるのである。
何事なのか、と男は思い、眺めると、受付カウンターでもめているのが見える。
片方は冒険者―――最近なったばかりの新人だろうか、もう片方は、このギルドの受付の女の子だ。
近くの冒険者に問いかけてみれば、ああ、かくかくしかじか、と状況を教えてもらうのだった。)
■リムリア > 「ですから、いくら貴族様の紹介があろうとも、無理なものは無理です。
お引き取りください。」
どれだけはっきりっても、言葉が通じていないとしか思えない。
お前では話にならないから上を呼べ、と喚き散らす。
溜息を吐いてしまいそうになりながらも、貼り付けた笑顔はそのままで。
「上司に取り次ぐような案件ではありません。
この受付での責任は私に任されていますので。」
相手の要望――というか請求をばっさりと切り捨てる。
実際、上司を出したところで回答は変わらない。
まぁ違いがあるとすれば、懇切丁寧な説明が、肉体言語での説得に代わるくらいだろう。
一向に要求が通らないことに痺れを切らしたのか、その我儘な冒険者は遂には腰に下げていたナイフを引き抜いた。
そのナイフにしても、とても一級品には見えずに、古道具屋で買ったと言われても納得できてしまいそうな品質のもので。
■イディオ > (事情を聴いて、男はなるほど、と理解していた所、更に、ざわり、と周囲が騒めくのである。何事か、と視線を向けると、列が無くなっていた。
遠巻きに見るように半分アーチの形になっているのである。だからこそ、状況が良く見えるようになった。
そして、其処に有る男は、先程の矢張りさっきの冒険者である、かなり怒っているのが判るが……。
其れは、やってはいけない事である。それは、確実な事で、然し、周囲に止めようとするものは、居なさそうだ。)
―――それは、いけないなぁ。
(男は、ゆるりと近寄るのだ、ナイフであろうとも、それが、どんなにみすぼらしい物であろうとも、彼が新人であったとしても。
彼は、やってはいけない事をするのだ。
だから、男は止めに入る、貴族?後ろ盾?知ったことではない。
がしり、と男は、新人のナイフを握る。
ぎりぎり、と握ると、ナイフがぺきり、と折れる音が聞こえる。)
どんな理由があろうとも、それをしたら、君は。 冒険者で いられなく なる。
冒険者ではない男は、ギルドは、冒険者は、守って、くれないよ?
(光の無い目は、背後から彼の顔を覗き込もう、はっきり言って、怖いはずだ。そして、言っている言葉は、脅しではなく事実であり、だからこそ、理解できるだろう。男の他に居る冒険者の殺気は、新人であろうとも。)
■リムリア > いくら切れ味が悪かろうとも、刃物を出されてしまうと、こちらとしても対処せずにはいられない。
腰に差していた杖へと手を伸ばしかけたところで、冒険者の背後からヌッと手が伸びる。
安物のナイフが、まるで乾いた木の枝のように簡単に折れてしまうと、
その持ち主の心の方もあっさりと折れてしまったらしい。
分かりやすいほどの動揺を隠せずに、視線を彷徨わせ。
その結果として、辺りの冒険者から反感を買ってしまったのを今更ながらに理解したのだろう。
憶えてろよ、と今時チンピラでも言わないような台詞を吐き捨てると、建物の外へと走り去っていった。
「ふぅ……
ありがとうございます、イディオさん。助かりました。」
刃物を向けられたことよりも、言葉の通じない相手への対応にすっかり気疲れしてまった。
今度こそ、ため息を吐いてしまってから。助けに入ってくれた顔見知りの冒険者に頭を下げる。
周囲に張りつめていた苛立ち混じりの空気も、いくらかは和らいでいく。
いつもの賑やかさを取り戻した中で。
「先ほど素手でナイフを掴んでましたけど……大丈夫ですか?
まさか折っちゃうとは思いませんでした。凄いんですね!」
筋肉隆々と言った様子でもないのに、片手で刃物をへし折ってしまう所業に感心した視線を向け。
■イディオ > ―――……。
(元々、あのナイフは安物であり、そして、あまり強度の無いものだ、冒険者の武器として使うものでは無く、料理の際の肉を切ったりするにしても、もう少し良いものを選ぶだろう。
良い所のお坊ちゃんが冒険者ごっこをしようとしている、としか思えないのである。
そんな彼の捨て台詞、去っていく後ろ姿、見送ることもなく、他の冒険者たちに肩を竦めて、終了を伝えよう、そして、冒険者の言葉にああ、と軽く頷く。)
いやいや。お気にせず。助かったのは、むしろ彼の方かもね?
もし、あれが振るわれてたら、ここに居る全員の全力を受ける羽目になるんだから。
(彼女の言葉に、視線を受付嬢の方に向ければ、軽く笑って見せて、さて、と背を向ける。
今は緊急事態ではあったものの、今はそれが無くなったからすることが発生するから。)
大したことはないさ、あれは元々弱い武器だし、中古でもあったから。
ここに居る戦士系ならだれでもできる程度には、もろかったよ。
取りあえず、先ずは、待っている皆をさばいてから、少しお話でもしようか。
(ならず者は去ったのだから、彼女は今がギルド職員だ。他の冒険者の依頼受注や、報告が待っている。
別のカウンターの係員も動いてはいるけれど、まだ残りはあるのだ。
なので、男は受付街の最後尾に戻るのであった。)
■リムリア > 迷惑な客のせいで、思いのほか列が長くなってしまったけれど、そこは受付嬢たちの腕の見せ所。
奥から同僚がお疲れさまという労いの言葉とともに、少し休憩してきていいよと告げてくれるが。
「イディオさん、すぐに終わりますので、ちょっとだけ待っててくださいね。」
同僚の好意は気持ちだけ貰っておくことにして、列を捌くことにする。
本当ならば助けてくれた御礼に、先に対応してあげたいところではあるのだけれど、
それをしてしまうと他の待っていた冒険者からも不満が出てしまう。
同僚の言葉に甘えても良かったのだけれど、相手も用事があってギルドに来たのだろうから、その用事を先に終わらせるのが肝心。
それに、用事があるのなら、順番は飛ばせないまでもその対応は自分がしたい。
先ほどの鬱憤を晴らすかのように、いつもの1.5倍くらいのスピードで、てきぱきと処理を進めていき。
程なくして、最後尾に並んでいた男の順番が回ってくるだろう。
■イディオ > おー……。
(職員として働く姿を見ているのはあまりないが、彼女はかなり優秀なようだ、成程、だからあまり冒険に出れないのだろう。あれだけ優秀だと、ギルドマスターの方が、受付の仲間の方が、彼女を離してくれ無さそうだ。
凄い手際であることを男は、のんびりと眺めるわけにもいかないのだ、一人、一人と依頼だのなんだのが解決されていく。
列の動きが、他の列よりも早いのである。手際が良いなぁ、と男はのんびり考えて。
自分の順番がやって来るのだった。)
や、ただいま。
(男は軽く笑いながら、ひら、と手を振って見せる、さっきの時は、挨拶もできていなかったし、適当であろうと考えての事。
そして、右手に持っていた、袋をカウンターの上に置いて、その隣に、依頼の用紙を提出する。
男の要件は、他の冒険者と同じように、依頼の報告で、それをしに来たと。)
という事で、依頼にあった、クロニカクウサギ10匹の納品、受領と終了の確認をお願いします。
(狩猟系のクエストで、特定の食糧になる動物を狩って来る依頼を受けていた男、袋に入った10匹分の食用肉の確認を、と。)
あと、この後暇になるなら、軽く食事でも?
(さっきの事を曖昧なままにしては彼女も虫の座りが悪かろう、と軽く誘ってみる。お仕事先なら、それでもいいけれど、と付け加えるのも忘れない)
■リムリア > サクサクと受注やら報告受理やらを終わらせて、ようやく待たせていた相手の番となる。
営業スマイルも、サービス付きの割り増しで。
「お帰りなさい。
受注にします? 報告にします? それとも…?」
なんて冗談を挟んでからの、依頼達成処理
納品されたウサギ肉10匹分を簡単に検分する。
重さや鮮度はもちろん、傷の具合、血抜きの程度までのチェックは受付の仕事
その後は解体専門の職員に回すことになる。
「お疲れさまでした。
ありがとうございます。いつもどおりきっちりしたお仕事ですね。
こちらが報酬になります。」
庶民にも親しまれる肉だけに需要は多め。
そんなウサギ肉10匹分の金貨をカウンターに置き。
「行列もだいたい捌けたみたいですし、大丈夫ですよ。
暇になるかは、さっきみたいなお客様が来なければ…ってところですね~」
ほんとに大変でした、と苦笑して見せ。
同僚に休憩に行ってくると声を掛けてからカウンターから出てくる。
「せっかく誘っていただいたんですし、お店はお任せしちゃいますね。
美味しいところを期待します♪」
小さく笑ってハードルを上げる。
そうして二人連れ立ってギルドを後にして―――
ご案内:「平民地区-冒険者ギルド-」からリムリアさんが去りました。
■イディオ > ……初めて聞いたフレーズが入りましたー。
(それとも、何だろう、冗談とは言え他に何かあるのだろうかと期待してしまうのは、男の悲しい性。
依頼達成のための、検分を待つ間、男は静かに眺める事にする、ちゃんと血抜きも、必要の無い部分のカットもしてある、痛まないようにも気を払って居る。
何時もの事だけれども、この時間が一番気を揉んでしまうのだ、大丈夫か、と。
結果、其れは大丈夫だったらしく、解体の部門へと運ばれていく。)
しかしまあ、冒険者になったから、と心得違う事をする奴も多いもんだなぁ……。
(報酬をもらい、男は安堵のため息、良かった、又飯が食えると。軽く冗談を
金貨を受け取り、彼女の返答を待って、男はふむ、と笑って笑う。さっきの滑稽な冒険者は、多分この後は、大変だとおもう。
未遂とは言えギルドの職員に無茶を言い手を上げようとしたのだから。
金貨を財布に入れて、袋はバックパックへ)
あー……これはやばい、ハードルが。
(いいお店、と言われると、基本的に高くなる、そして、普段は難癖付けて看板娘の独り占めを止めようとする冒険者仲間は、今回は彼女を助けたヒーローだから、とすんなり通してくれてしまうのだ。
良いお店か、と軽く苦い笑いを零して見せながらも、上がったハードルをちゃんと飛び越えるよう、努力をする男だった―――。)
ご案内:「平民地区-冒険者ギルド-」からイディオさんが去りました。
ご案内:「ダンジョン」にアニエルさんが現れました。