2020/03/02 のログ
ご案内:「平民地区」にミストさんが現れました。
ご案内:「平民地区」にインクさんが現れました。
ミスト > 普段に仕事ばかりしているので休む時は休むのだが…いざそうなると時間の使い方に困るもの。
なので何かあればという考えで平民地区の大通りに繰り出してみる。

日が既に暮れている事もあり開いている店も少なく露店もない静かなもの。

「んー……どうしようかな……」

思い付きのない散歩は本当に歩くだけ。
開いている店も少なくどうしようかなと悩みながら目的もなく歩いて…。

インク > 「あれ、ミストさんじゃないですか。」
あても無く散歩しているミストに、聞き覚えのある声がかかる。
声の方を向けば、いつぞやの少年が笑顔で近づいてきた。

「元気でしたか、ミストさん?
 今日も巡回のお仕事ですか?」
魔法学校の制服姿の少年は、
今学校から帰りの路についた所の様だ。

ミスト > 酒場は基本いかない、この時間に武器屋は…そう考えていると知った声。
びくっと足を止めて声の方へと視線を向けると知った少年。

「イ、インク君?え、えと…奇遇だね?」

笑顔の少年とは逆に何かを思い出したのか顔を真っ赤に染めて挙動不審。
視線を合わせようとしてはそらせてと繰り返してしまい。

「ボクは元気だよ。インク君も元気だった?
今日は仕事じゃなくてフリーだよ、そっちは…帰り?」

少年の服装は以前とは違い魔法学校の制服姿。
それで帰りなのかなと予測を付けて。

インク > 「ええ、奇遇ですね。」
爽やかに笑ってそう応えるが、
しかし実のところ、またミストに会えないかという下心があって、
家に帰るには若干遠回りになるこの道を歩いていたのだ。
そしてその目論見は適った様だ。

「あ、フリーなんですか。
 はい、僕も今家に帰る所です。」
顔を赤らめ、少し動揺した様子のミスト。
何を思い出しているのかは、少年にも察しがつく。
が、敢えてそれは指摘せず、
目線を逸らすミストを楽し気に眺めるのであった。

「ミストさん、夕飯はまだですよね?
 ……もしよかったら、この前約束した魚料理でも食べに行きませんか?」

ミスト > 「本当だよね、うん」

あの時以降、恥ずかしくて無意識に避けていたのもありあってしまえば驚きだけ。
まさか酒場以外で会うとは思っていなかったのが予想外過ぎて。

「ボクも毎日仕事してるわけじゃないよ。
そ、そうなんだ……送ってく方がいい?」

指摘されない事にほっとしながら少年に視線を漸く向けるがやはり向きはおかしく。
視線が少々ずれているので楽しげな様子には気が付かないで。

「夕飯?そう言えばまだかな……え、いいの?」

そう言えばと思い出し、続いての提案には本当?と食いついて。

インク > 「ええ、行きましょう。
 丁度、そう遠く無い所に良い店があるんですよ。」
ミストが少し食いつくや否や、
まだ答えも聞いていないのに、その背に手を回して共に歩き始めた。

「……あ、一応……。
 今日は、お酒は控えめにしておきましょう。」
こういうと、以前の事が思い出されるだろう。
その反応はきっと面白く、可愛らしいので、敢えてそっと呟いた。

ただ……下心はあるにはある、が、今日の食事は前のお礼の気持ちもある。
だから、今日は前みたいな事故が無いように、純粋に食事を楽しむつもりだ。

ミスト > 「この辺にそんな店あったんだ。
うん、それじゃ行こう」

恥かしがってたのが一点、近くに美味しい魚料理の店があると聞けば目が輝く。
まだまだ色気よりも食い気のようだが、背中に背が回ると大人しくなって共に歩き。

「…そ、そうだね。今日はそうしよう」

もうお酒は駄目と首を左右に振ってお酒なしと告げて。
飲むときっと…それを思うと絶対に飲めないと。

実の所お酒や飲むで失敗が多いので気を付けなければという気持ちは強く。
それはそれとして…純粋に魚料理を今は楽しみたくて。

インク > 他愛無い会話を交わしながら、
大通りの一区画程先の角を曲がると、
小さいが小奇麗なレストランが。

「こんばんわ。
 二人ほど、席は空いてますか?」
扉を開けて入ると、
中はそこそこ客で賑わっているものの、
まだ二人分は空いており、席に通される。

「ふぅ、お腹空きました。
 今日はちょっと課題を終わらせないと行けなかったので、
 遅くまで図書館で調べものをしていたので……。
 さて、何を頼みましょうか、ミストさん?」
メニューを見れば……海魚を中心に、豊富な品揃え。
白身魚のワイン蒸しや、タコのカルパッチョなどが今日のおススメらしい。

ミスト > 相も変わらずに会話のネタというものがないのだが…。
そこは少年の話術に乗せられて他愛のない話をして。
そうしてそれなりに王都には住んでいるがこんな場所に店が…
という小さいながら小綺麗なレストランへ。

こんな店に入れるような格好ではないが良いのかなと考える間に話は進み。
席に通されていくと借りてきた猫のようになっていて。

「それでこんな時間だったんだ。
図書館……?インク君はそこで勉強してたんだ。
え、えっと……お、お勧めでいい?」

いざメニューを見ると知らない料理がずらり。
魚といえば焼くしか知らないだけに選ぶに選べず…お勧めとしか言えなかった。

インク > 「ふふ、もっと早く終わらせたかったのですが手こずりまして……
 でも、おかげでミストさんに出会えましたので、僥倖です。」

「ミストさんは、今日はお散歩か何かだったんですか?
 あ、そんなに緊張しなくても良いですよ、結構気楽な店なので。」
来慣れぬ店に身体を強張らせるミストに気づき、
苦笑しながら声をかけ……

「わかりました、では……」
ウェイトレスの少女を呼び止めて、幾つか注文する。
しばらくすると、ふっくらと蒸し上がった白身魚や、
焼いた大振りの貝、イカをふんだんに使ったパスタなどが運ばれてきた。

ミスト > 「ボクはインク君がやってたことってよくわかんないけど大変だってことは判るよ。
本当に頑張ったんだね。そんなこと言われたらお姉さん褒めたくなっちゃうよ?」

学生って大変なんだと少年の言葉を聞けば考え、褒めてあげたくなってしまい。

「やる事がなくての散歩を少しね。
緊張しちゃうよ……こんなお店」

そんなの無理無理と首を振って困った顔を見せ。

そして注文をする少年とメニューを交互に見て落ち着かない様子。
しばらくそんな姿で話をしていれば注文が届き…。
その美味しそうな料理に食べていいの?と少年を見詰めて。

インク > 「はは、ミストさんに労ってもらえるなら、
 苦労した甲斐はありますね。」
優しい姉が家庭にいると、こんな感じなのだろうか。
などと思いながら、ミストのお褒めの言葉が素直に嬉しかった。

「ふふ、気を紛らわせるために、お酒でも……っと、冗談ですよ。
 ほら、食べて下さい、美味しいですよ?」
大皿からミストの分を取り分けて渡す。
香ばしい海鮮の匂いが、食欲を刺激して堪らない。

ミスト > 「ボクで良いならいくらでも労っちゃうよ。
でも…勉強は教えれないからね?」

少年のその姿についそんな事を口にし、多少の我儘なら聞いてあげたくなってしまう。
ただ勉強に関しては無理と一言。

「も、もうお酒は駄目だからね!
うん、それじゃ頂きます」

少年に取り分けて貰うと少々恥かしそうにしてお皿を受け取り。
海鮮のいい香りに食欲をそそられ…早速口を付けてはその美味しさに頬を綻ばせて食べ進める。

インク > 「良いんですか?
 それじゃ、また疲れた時にはお願いしますね。」
労って……と、言われると……
どうやって労ってもらおうか。
色々と妄想が捗るものだ。

「どうですか、ミストさん。
 美味しいでしょ?」
数々の魚料理は、少年のおすすめだけあってとても美味しい。
料理の腕も良いが、魚の活きも良く、幾らでも食べられてしまいそうだ。

頬を緩ませるミストに、きっと気に入って貰えただろうと少年も嬉しくなる。

ミスト > 「ボクに出来る事ならだよ?
お金のかかる事とか勉強は駄目だけど…それ以外ならいいよ」

疲れた時にはめい一杯ねと笑って頷き。
それがどう取られるかなど全く分かっていなく。

「本当に美味しいよ、いくらでも食べれそう
インク君も一杯たべよ」

今までに食べた事のない美味しい魚料理に舌包を打ち食べ進め。
白身の魚やパスタ、貝と次々と美味しいと口に運んでいく姿は少々お行儀が悪いの一言。

だがそれだけ美味しいというのは満面の笑みで分かるはずで。