2019/12/08 のログ
ガリア > (――大抵であれば
一発引っ叩かれてサヨウナラ、が普通だと思わなくも無い。
女を口説くに当たって、其れくらいに不適当な言葉だ。
ただ、其の言葉は間違い無く目の前の女に向けられた物であり
相手が言うように、酒場に居た、彼の娘に向けられた物ではない。
からかう様な声音に対しては、相変わらずの無愛想な表情で
けれど、戯言めいた気配は、無く。)

「―――……ア゛ー…、……違う、そう言う事じゃネェ。
……そうだ、嗚呼、そうだ。 俺にとって、魅力的な女だって意味の最上が、アレなんだよ。」

(全ては、きっと己の表現力が悪い。
ただ、決して其の表現もウソではない。
触れる掌に伝う、女自身の体温に気付けば、僅かばかりに双眸細め。)

「知らねぇな、俺の好みの問題だ。
何が不適当なのか良く判らねーがよ、アンタが、俺にとってそう言う女なんだから仕方ネェ。
……一般論なんざ丸めて捨ててやるぜ。」

(――まるで、開き直ったかのように。
困惑の表情で、己の正気でも疑うかの視線を投げた相手に
一寸、火がついたかに捲くし立てて、其の翠の瞳を見返した。
如何もしていない。 己は、初めから己のままで在ると、主張するかに)。

ジナイア > 「!―――…
 其れは…どうも……」

アーモンド形が、軽く見開かれる。
熟れた唇が、震えるように音のない言葉を漏らしてから
何とも間の抜けたような返答を返す。
それまでじっと金を覗き込んでいた翠は、漂って離れていくだろう。
海辺から風一陣吹き、ブランコがきい、と軋んだ音を立てて揺れる。
女の黒髪が吹き散らされ、それを片手で押さえるついでの仕草で、戸惑った表情はまた、揶揄うものに塗り替える。

「―――そうか。
 キミは私の事が好きで好きでたまらない、と?」

くすり、と肩を揺らす。
柵に寄り掛かる様に腰掛けたまま、脚を組んで。

「出会えば口説かずにはおられない、と。
 素直な言葉にすると、そういうことか?」

下から見上げる視線は挑戦的に
素直な言葉を紡いでみろ、と。

ガリア > (――――正直に言えば地団太を踏みたい。
だが、こう言う他に語彙が足りなかったし
何より女に伝わる最低限のラインを狙うには必要だった。

――結果として、伝わるには伝わったが。
困惑めいた女の表情が、普段通りの揶揄めく其れへと戻ったのを見て
チクショウ、と思わず言った。)

「―――――……マジでこの場で押し倒すぞこんにゃろう…。」

(挑戦的な瞳に、毀れる暴言。
けれど、しばらくしてから、小さく溜息を零しては。
触れた女の頬から掌を離して、其の顎先を、柔く、くいと持ち上げて。)

「……戦場以外はな。
酒場の娘なんざ、目じゃネェ。」

(寄せる、顔。
挑発へと応える様に、酷く間近で言葉を紡げば。)

「……アンタをモノにしたいのさ、ジナイア。」

ジナイア > 悔しげな言葉を漏らす彼に、はは、と肩を揺らす。
押し倒す、と言うその意味は今や脅しと言うよりは捨て台詞のようにも思えて、熟れた唇は、笑みを崩さない。

溜息の後、頬にあった彼の手指は滑って、顎を持ち上げられる。
翠は細められるが―――熱に浮かされたように潤んだ瞳は、頼りない街灯の灯りを照り返す。

「――8割くらいは、戦場に居るだろう?」

吐息の掛かる距離。
言葉を紡ぎ返して。
一瞬視線を下に落としてから、眉根を少し寄せて…唇は微笑む。

「――ガリア。
 厄介なのに引っ掛かったと、後悔するなよ……」

言葉を零し終えると
間近に迫った彼の唇を掠め盗って。
次には、柵から身を起こしその表情を見られない様に彼の横を擦り抜けて
彼を振り返った時には、いつものしれっとした表情に戻っているだろう。
―――赤銅色の肌でもそれと解る頬の赤みは、果たして外気の寒さのせいか。

「外に長時間はやはり冷えるな。
 ――――ガリア、キミ、宿は?」

言葉をかけながらも、また吹き散らされようとする黒髪を押さえ、翠は空の月を見上げる。

ガリア > 「――――そう言う生き方だからナァ。」

(其れを選んだのは己だ、其れを望んだのも己だ
常在戦場、とまで言う心算は無い、だが己が騎士である限りは
己が戦士である限りは、変わる事のない事実だろう。

其れでも――其れでも、だ。
刹那、視線を逸らしたかと思った女が、自ら、唇を掠めさせる。
奇襲めいて、奪った心算なのだろうか。 僅かに瞠目した後で。)

「……後悔させてくれんのか?」

(――純粋な、疑問を乗せて、女へと問いかけた。
そして、遅れて、可笑しそうにくつくつと笑む。
幸いながら宵闇の中でも、金の瞳は女の姿を良く捉える。
月を見上げた女の、其の後姿を見やりながら。)

「抑えて在る、着いて早々にな、でなきゃ此処じゃ禄なのが残らん。
……一人にゃ、ちょいと広いがな。」

(――伝える、帰路。
対して女は如何なのだ、と、問う事はしない。
相手が、自らの宿を既に取っていたとて、関係は無いのだから)。

ジナイア > 「―――させて見せるとも」

くつくつと笑う彼に、月から視線を落として憮然と返す。
しかしやがては、つられるように自分も笑みこぼしているだろう。
そのまま彼の金を見つめ返して首を傾げると、また黒髪が零れ落ちて、耳元では金の輪が揺れる。

「そうか。
 ならばこの寒空のこともあるし、空いている場所を私が埋めてあげてもいい…」

言い終えると、また唇の端を上げて見せて
くるりと身を翻して、公園の出口へと先に、踏み出すだろう。
―――彼が追い付いて来るまでには、またいつものしれっとした顔で迎えるために。

ご案内:「夜のハイブラゼール」からジナイアさんが去りました。
ご案内:「夜のハイブラゼール」からガリアさんが去りました。
ご案内:「平民地区 訓練所」にスバルさんが現れました。
スバル > 夜の平民地区、誰もいない時間帯に少年は一人やって来ていた。
何時ものように誰もいないことを確認し、こそこそ、と訓練をするために。
誰かに知られたくないというよりも、誰かが居るという事が、怖いのである。
此処に訓練に来るような冒険者たちはみんな怖い雰囲気を持つ人であり、それは少年にとっては恐怖の対象なのである。
それでも、自分も強くなりたいから、訓練をするのであり、そして、訓練は誰もいない時にひっそりとやるというのが、少年の日課なのである。

何時ものように、訓練所の中、隅っこで柔軟体操など体を解して。
そして、訓練をするための準備運動をするのである。

スバル > 「………よし。」

しばらくの間、体を解していれば体は温まり、そして柔らかくなってくる。少し疲れも感じるけれど、少年は、小太刀を引き抜いた。
そして、打ち込み台に向かい刀を構える。正眼の構えを取り、しっかりと少年は打ち込み台を見据える。
踏み込みからの突きを繰り出し始める、だん、と石畳を踏みしめ、体重をかけて全身で打ち込み台の喉元へ。
体重の軽い少年の突きは、ごつん、と打ち込み台の喉元に当たるがそれに突き刺さったり貫いたりはしなかった。
それでも、少年は、踏み込み、突きを何度も、何度も、繰り返す。
突きの動きを体に覚え込ませるように何度も何度も。

スバル > 少年は、そのまま何度も繰り返すように突きを打ち込む。
本気でも、体重も、筋力も足りず武器もそれは、普通の武器であり、特殊なものでは無かった。
だから、打ち込み台が揺れるようなこともなく何度も、何度も、汗をにじませながら少年は突きを繰り出して。

その方を覚えるための訓練の突きを行う少年の姿は、しばらくの間アリ。
そして、終わったら、逃げるように撤収するのだった。

ご案内:「平民地区 訓練所」からスバルさんが去りました。
ご案内:「看板の無い店」にソルシエールさんが現れました。
ソルシエール > その魔女は、店の奥の広々とした来客スペースに独り、居た。
毛足の長い絨毯が敷かれ、中央には足の低い厚ガラスのテーブルが置かれている。
テーブルを挟んで、クッションが柔らかい上等の横長ソファーが一つずつ。
魔女が座すのはその内の一つ。適度な弾力の背凭れに体重を預けて足を組み。

店の出入り口には魔女の魔術が施されており、無意識の内に波長が合ってしまった者は、
ふらふらと入口を潜り、商品陳列エリアを通り抜け、奥の来客スペースへと入室するだろう。
一種の洗脳の効果が店自体にかけられているのだ。そして、魔女の獲物となる……。
魔術の抑制が効かない危険な者が入って来る事も有るが、滅多に有る事象ではないし、
とタカを括っている。永い時を生きた人ではない種族特有の増長と言えるだろうか。

店の洗脳効果を察知し、洗脳されずに踏み込んで来る輩も、稀に居るのだから──
洗脳効果を受けた者は、魔女の傍まで来た時点で効果から解放されて我に返るだろう。

ご案内:「看板の無い店」からソルシエールさんが去りました。