2019/12/07 のログ
ご案内:「夜のハイブラゼール」にジナイアさんが現れました。
ジナイア > 【待合せ中です】
ご案内:「夜のハイブラゼール」にガリアさんが現れました。
ジナイア > 船着き場と歓楽街を結ぶ大通り。
歓楽街に背を向け、船着き場の方向へと向かうと、港の手前に防風林に囲まれた海浜公園があった。
昼間は家族や子供で賑わっているであろう広く芝生の広がるそこも、月が中天に昇り、天が真っ暗な帳に覆われた今、当然の如く人気が無い。

街灯も疎らなその公園へ、大通りから彷徨い来る影がふたつ。
足取りはしっかりしていて、酔い覚ましの酔狂ではなさそうだ。
灰色のマント姿の比較的背の高い方が、もう一人を先導するように、ブランコの方へと近付いていく。
周りを囲う柵の前で立ち止まると、溜息をつく間を空けて
くるりと連れへと振り返って、柵へと寄り掛かる様に腰掛けた。
ぼんやりと届く街灯が照らすのは、赤銅色の肌に黒髪の女。
吊り上げり気味のアーモンド形の眼は今は、翠の瞳に逡巡するような光を浮かべて
やがてその熟れた唇から、うっすらと白く吐息と共に、言葉を漏らした。

「―――…ガリア。自覚はしているんだろうが…
 誘うにしてもだ、あの場でああいう言い方は無いだろう」
 
柵に腰掛けたまま、腕を抱く。首を傾げると、肩から黒髪が零れ落ちる。

「私はキミが気に入ってるんだが。
 そうそう気まぐれに押し倒されていては、私の身が持たないと思わないか?」
 
彼の金色を、翠が覗き込む。
唇は笑みを浮かべている。
外気は冷たい。あの酒場の喧噪に中てられたのなら、その熱も冷めた頃だろう。
となれば、案外真面目な彼のことだ。
今ごろは内心、後悔をしているのではと。その色が見えやしないかと。

ガリア > (ゆっくりと、先に進む相手の足取りに合わせて歩む
急く事も無く、道中声を掛ける事もない。
――否、或いは短く言葉を交わす事くらいは在ったやも知れないが
其れは恐らく、記憶にも残らぬ程の。

次第に、踏み入る公園の中
夜街こそが賑わうこの街で、好んで来る様な者も居ないのだろう場所
振り子に揺れる遊具の前で、漸く歩みを止め、此方を振り返った其の瞳に
応じる金の瞳は矢張り、夜の闇にこそ、鮮明に浮かんだ。)

「……スマン。」

(――其れは、間違い無く、謝罪だ。
あんな言い方は、如何足掻いたって真っ当ではない
そんな事は、幾ら己でも判っている。 だからこそ、性質が悪い。
咎められている様な気配に、実際はそうでなかったとても
少しばかりばつが悪そうに、柔く己が首筋の辺りに手を当てて。)

「―――――………他に言いようが無かった。
……だから、スマン。」

(――デリカシーの欠片も無い発言だったろう。
けれど――己にとって、其れが全くの本心であるからこそ
言葉の撤回だけは、しようとしなかった。

一歩、女の傍へと近づけば、手を伸ばして触れられる距離。
叶うなら、其の頬へと片掌を伸ばして、添えようと。)

「……気に触ったんなら、幾らでも謝る。
けど、本気だぜ。 ……其れくらい、イイ女だと思ってる。」

ジナイア > 謝罪の言葉を捉えれば、心得たように笑みを深くする。
バツの悪そうな彼に、矢張りな、と軽く頷きさえ返して。
言葉自体の撤回が成されなかった事には微かに、訝しげに眉を顰めるだろうが
ともあれ、全く、というふうに吐息をついて見せるだろう。

「言い様が無いにしてもな…
 そんなに私が子育てに向いている風に見えるか?
 元来、そういう言葉はあの、酒場で働いていた『彼女』に向けられるものだと思っていたけども」

からかう口調で、熟れた唇が言葉を紡ぐ。
近付いた彼が伸ばす手には、一瞬ちらりと視線を注いで
その目的が解っても、避けることは無く
じっと、金色を見返す。
触れた手指には、外気と比較すれば熱いくらいの熱が伝わるだろう。

「――――…気に障った、と言うことは、無いが…
 私は、ご存知の通りの女でしかない。ツガイにするには、不適当だと思うが」

視線は揶揄う光を乗せたまま。しかし紡がれる言葉は、たどたどしく時折掠れる。
言い終われば、首をゆるゆると振って
また、今度ははっきりと、困惑の表情を彼に向ける。
(どうしてしまったんだ?)
と問うように。